モンポウの音楽は、いつもどこか寂しい。生の不安にたじろぎ、哀しみをまとい、じっと虚空を見つめる。「なぜ私はここにいるのだろう?」そんなモンポウの自問自答が聞こえてくるようだ。
〈Neu~雪〉という作品がある。「これは雪ではない。天から舞い降りる花…」氷柱を思わせる透明なピアノの和音にのせて、モンポウ自身による詩が静かに、淡々と歌われる。淡々と、だから、切ない。淡々と、だから、哀しい。わずか2分にも満たない小曲。名歌〈
君の上にはただ花ばかり〉やグレゴリア聖歌を思わせる〈
魂の歌〉に較べて、ほとんど知られていないが、モンポウ作品の隠れた名曲だ。研ぎ澄まされた音、一切の装飾を取り払った世界…。モンポウの音楽には、日本人の心に通じる〈侘び、寂び〉が秘められているのかもしれない。11月19日、第3ステージに、歌わせていただきます。
第26回リサイタル
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!
こんな動画を見つけました。侘び、寂びとは、ちょっと趣が違いますが…(^^;; (^^;; 2010年3月8日の大雪@バルセロナ