〈着衣のマハ〉
2012年 01月 28日
国立西洋美術館で開催中の《ゴヤ~光と影》に行ってきた。お目当ては〈着衣のマハ〉。昨年10月の会期初めからずっと気になっていたが、リサイタル前はまったく時間が取れず、終了後はバタバタしているうちに年末年始に突入し、行けそうで行けない。ほとんど諦めかけていた。ところが、ある日、別バージョンのポスターを見た。「私をこのまま帰すの?」 マハが妖しく微笑んでいる。プラド美術館でこの絵を見たときの印象が鮮やかに蘇った。やはり行こう!あのマハにまた会いに行こう。
金曜日の夕方。幸い、それほど混んでいない。〈着衣のマハ〉と向き合う。しなやかに光る脚のライン、くびれた腰、豊かな胸、ゆったりと気怠く組まれた腕、黒レース、そして、この眼…。
ほかにも多数の作品が年代別に展示されていた。正直なところ、晩年のゴヤの絵は苦手だ。〈ロス・カプリチョス〉も見れば見るほどamargo~苦い。でも、だからといって、〈日傘〉のような明るい絵が好きか、というと、俄然そうではない。ゴヤの絵が醸し出す黒い何かに心が吸い寄せられるのだ。
グラナドスは、ゴヤとその時代に深い思慕を寄せていた。オペラ〈ゴイエスカス〉では、ゴヤの時代のマホとマハの恋模様が描かれるが、緻密なレースのように美しいその音楽には、常に、ほの暗い闇、深い陶酔、切なさと儚さが漂う。グラナドスはこのオペラの初演に立ち会うためにニューヨークへ渡り、その帰路、ドイツ潜航艇による無差別攻撃に遭って命を落とした。ゴヤの世界が醸し出すもののひとつは、逃れえぬ宿命、死の香りなのかもしれない。
否応なくゴヤのメッセージが迫ってくる。すべての絵と向き合うには、とてつもないエネルギーが必要だ。くたびれる。でも、楽しい。〈ロス・カプリチョス〉は、タイトルにひと癖もふた癖もある。日本語訳と対比して眺めるのも興味深い。
夜6時を回り、お客がどんどん増えてきた。
明日29日が最終日。

金曜日の夕方。幸い、それほど混んでいない。〈着衣のマハ〉と向き合う。しなやかに光る脚のライン、くびれた腰、豊かな胸、ゆったりと気怠く組まれた腕、黒レース、そして、この眼…。
ほかにも多数の作品が年代別に展示されていた。正直なところ、晩年のゴヤの絵は苦手だ。〈ロス・カプリチョス〉も見れば見るほどamargo~苦い。でも、だからといって、〈日傘〉のような明るい絵が好きか、というと、俄然そうではない。ゴヤの絵が醸し出す黒い何かに心が吸い寄せられるのだ。
グラナドスは、ゴヤとその時代に深い思慕を寄せていた。オペラ〈ゴイエスカス〉では、ゴヤの時代のマホとマハの恋模様が描かれるが、緻密なレースのように美しいその音楽には、常に、ほの暗い闇、深い陶酔、切なさと儚さが漂う。グラナドスはこのオペラの初演に立ち会うためにニューヨークへ渡り、その帰路、ドイツ潜航艇による無差別攻撃に遭って命を落とした。ゴヤの世界が醸し出すもののひとつは、逃れえぬ宿命、死の香りなのかもしれない。
否応なくゴヤのメッセージが迫ってくる。すべての絵と向き合うには、とてつもないエネルギーが必要だ。くたびれる。でも、楽しい。〈ロス・カプリチョス〉は、タイトルにひと癖もふた癖もある。日本語訳と対比して眺めるのも興味深い。
夜6時を回り、お客がどんどん増えてきた。
明日29日が最終日。

# by Megumi_Tani | 2012-01-28 08:46 | エトセトラ | Trackback | Comments(0)



