Saló de Cent~百人会議の間   

日西翻訳通訳研究塾にて開催の教養講座『スペイン史ma専科』第3回を受講した。第2回ローマ時代~イスラムが入り込んだ時代に続いて、今回のテーマは13世紀。スペイン語の基礎完成、サラマンカ大学設立、音楽の分野で名高い賢王アルフォンソ10世も登場した。

かえすがえすもスペインというのは不思議な国だ。元々バラバラだった国?地方?が、どの時点でどのようにまとまり「スペイン」という国になったのか。これはある意味、永遠の課題なのかもしれない。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教各々の民が互いを理解、尊重し、ゆるやかに共存し、政治、経済、文化etc.の豊かな繁栄を築いた事実は、今のこの怪しくキナ臭い時代、刮目に値する。

今回の授業は、RTV制作の歴史ドラマを視聴しながら進められる。講義の途中で、バルセロナ市庁舎「百人会議の間」が映し出された。この時代、バルセロナでは、様々な制約はあるものの、身分の異なる人々が参加できる議会がすでに成立していた。その名の通り、この「百人会議の間」で議会が開かれていたのだ。バルセロナ好き必携の小説『海のカテドラル』にも、その記述が出てくる。中世の誇り高き都市バルセロナを象徴する部屋だ。
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鮮やかな赤と黄に彩られた部屋、輝くシャンデリア、素朴に並べられた木製のベンチ…。
あの日は、6月というのにものすごく暑かった。市のお偉方のセニョーラが汗をふきふき祝辞をくださった。歌ったのはあの正面。黒いグランドピアノが部屋中の赤と黄色によく映えていた。ベンチには、師のご家族をはじめいっぱいのお客様が座っていた。演奏終了後、いきなり「さくら」について質問されたっけ…。三十年前の思い出が蘇り、つい講義そっちのけで画面に見入ってしまった。
塾頭先生、ごめんなさい。  『バルセロナに響いた日本の歌

「百人会議の間」の中の様子です

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# by Megumi_Tani | 2016-12-01 23:37 | ¡Viva España! | Trackback | Comments(0)

『魅惑のスペイン歌曲~ファリャ』その2   

『魅惑のスペイン歌曲Ⅱ』第2回が終了しました。1876年11月23日に生まれ、1946年11月14日に世を去ったファリャ。偶然ながら、今回のセミナーが11月に開催されたことに感慨を覚えます。
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第1回『魅惑のスペイン歌曲~ファリャ』その1では、若きファリャが苦闘の末、オペラ「はかなき人生」入賞とピアノ・コンクール第1位という二つの栄冠を獲得、パリへ渡り、大成功を収めるところまでをたどりました。

その後、努力が実り、己の音楽が受け入れられ、人脈にも恵まれ、ファリャは、芸術の都パリで音楽家として生きる決意を固めます。まさにその時、第一次世界大戦が勃発。ファリャは帰国を余儀なくされました。

この時期に発表されたのが、スペイン歌曲の金字塔ともいえる作品、「七つのスペイン民謡」です。ファリャ本人の伴奏による貴重な録音が残されています。


テレサ・ベルガンサによる「ギター伴奏版」 「オーケストラ伴奏版」

その後も独自多彩な作品を発表。作曲家として、また指揮者として活躍を続けますが、ファリャの健康は、年ごとに、著しく、衰えていきます。転地を兼ねて移り住んだグラナダでは、ガルシア・ロルカ交流。微笑ましいエピソードも残されています。しかしここでも穏やかな日々は続きませんでした。スペイン内戦。恐怖、不安、悲しみ、憤り、そして親しい友の死…。ファリャは深く傷つきます。内戦終結後、アルゼンチンから招聘を受け、病をおして出国。望郷の念を募らせながら、彼の地で亡くなりました。

小柄で痩せっぽち、頭は禿げ、歯は抜け、いつも黒づくめの服、まるでどこかの用務員さんのようだったというファリャ。そんなファリャが、厳格な自己規制を課し、沈黙と祈りの生活を続け、命をかけて追求した、より本質的な、より根源的なスペイン音楽。その音世界が放つ妖艶な熱!鮮やかな色彩!「ファリャの前にファリャ無し、ファリャの後にファリャ無し」いつかどこかで読んだ言葉が蘇ります。

「背景を知って曲を聴くとまるで違います」「もしも今、ファリャが生きていたら、どんな曲を書くのでしょう…?」「ギター伴奏とピアノ伴奏の違いは?」etc。セミナー終了後も、会話が弾みました。
熱心に受講された皆さん、1回しか受講できないけれどそれでも!と駆けつけてくださった皆さん、ありがとうございました。¡Hasta la próxima!

最後に、「はかなき人生」の舞曲とサルーのアリアをどうぞ。

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# by Megumi_Tani | 2016-11-19 23:12 | スペイン歌曲/スペイン音楽 | Trackback | Comments(0)

噂の「テ・コン・ミエル」   

コーヒーが好きだ。強めのロースト、芳しい香り、奥深い苦味…。くたびれた時、何かひと段落ついた時、ちょっと濃いめのコーヒーを飲むと、心底ホッとする。あぁ愛煙家は、こんな時に一本吸いたくなるのだろうな、と、思う。

そんなコーヒー党の私が、時々、無性に恋しくなる紅茶がある。「テ・コン・ミエル」
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「Té:茶」+「con:with」+「miel:ハチミツ」=「ハチミツ入り紅茶」だ。スペインの老舗蜂蜜メーカーが作ったこの紅茶、ずい分前にドスガトスの高森シェフに奨められ、以来、常備、愛飲している。

ところが最近、事件が起きた。とある人気ブロガーさんが「テ・コン・ミエル」に魅せられ、ご自分のブログにアップ。その途端、発売元のGRANJAPONさんに注文が殺到。取扱い通販サイト諸々を含め、どこもかしこも完売、品切れ状態になってしまったのだ。SNSの力は凄まじい。

無い、となれば、ますます飲みたくなるのが人情というもの(笑)。ネットを諦め、普段からテ・コン・ミエルを置いているお店にいってみた。ワンダーランドのような楽しいお店、知恵蔵さん。棚に、ありました!テ・コン・ミエル。ご主人の話では、その日だけでも、朝からお客様が20人以上買いにいらしたとか。「今、慌てて、商品を補充したところです」と、嬉しい悲鳴のご様子。

楽譜と同じで、最後はアナログ、自分の足で探すことだなぁ、と、ひとりニンマリ。めでたく手に入れたテ・コン・ミエルを抱えて、帰宅した。

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船便が今、日本に向かっているとのこと。12月末~新年には、販売が再開されるようです。
『GRANJAPON』
そして、念のためチェックしてみたところ、なんと!11月15日夕方現在、知恵蔵さんのサイトで買えます。『知恵蔵さん』

姉妹品のカモミール・ティー「Manzanilla con miel」、ミント・ティー「Menta-Pleo con miel」もお奨め。これからの季節、寒い夜、ほんのりした甘さに癒されます。
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# by Megumi_Tani | 2016-11-15 21:16 | ¡Viva España! | Trackback | Comments(0)

『イシイタカシ情景画展』2016   

石井崇先生の個展『海と畑の叙事詩』オープニングパーティーにお邪魔した。昨年、『イシイタカシ情景画展』2015最終日に伺った折はポカポカ陽気だったが、、昨日は、朝から冷たい小雨模様。それでも、夕暮れのギャラリーには沢山のお客様が集まられていた。

パーティー開始の前に、「地中海の食紀行」と題して、石井先生がお話しくださった。美味しいものは糖質と脂肪にあり!と、メタボまっしぐら(笑)の演題が楽しい。奇しくも、昨日11月11日は「生ハムの日」!ワインをいただきながら、セニョールS氏が目の前でカットしてくださる生ハムに舌鼓をうった。

スペインの鄙びた村々、そこで暮らす人々の日常、パン、オリーブ、ワイン等々、スペインならではの食べ物…。素朴なスペイン、飾らないスペインが描かれた絵の数々は心をホッコリ和ませてくれます。11月16日(水)まで。会場は、東京メトロ・表参道駅徒歩3分。
海と畑の叙事詩『イシイタカシ情景画展』
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# by Megumi_Tani | 2016-11-12 22:17 | ¡Viva España! | Trackback | Comments(0)

『魅惑のスペイン歌曲Ⅱ~ファリャ』 その1   

セミナー『魅惑のスペイン歌曲Ⅱ』@セルバンテス文化センターの第1回目が終了した。集まった受講生さんは、全員、今年4月の『毎日メディアカフェ』、セルバンテス文化センターでの春セミナー、『スペイン語で歌おう!』シリーズ等々にも参加された方々。もちろん先日のリサイタル『スペイン浪漫Ⅱ~エンリケ・グラナドス没後100年に捧ぐ』にもご来聴くださった。こうして、何かのきっかけでスペイン歌曲に触れ、やがて「リピーター」になってくださる方が増えることはとても嬉しい。

今回のテーマは、今年、生誕140年、没後70年を迎えたマヌエル・デ・ファリャ。アルベニス、グラナドスに続く、スペイン三大作曲家の一人だ。第1回の昨夜は、ファリャの生い立ち、人柄、青年期の苦闘、パリ時代、そして、アンダルシアの粋を極めた音楽『はかなき人生』『恋は魔術師』を成就させるまでをたどった。資料を見ながら快調に講座が進むも、途中で、ま、ま、まさかのPCアクシデント(>_<) しかし、さすが熱心な受講生さん達!集中は切れず、ファリャのあまり知られていない歌曲に耳を傾け、CD聴き較べでクラシックとフラメンコの違いを実感し、ファリャの健康分析からスペインの食習慣を語り合い…アッという間に終了時刻を迎えた。
次回は、ファリャの後半生と変貌する作品群をご紹介します。受講生の皆さん、お楽しみに!

下記リンクで、各作品の動画をご覧になれます。
サルスエラ番組『イネスの恋』  オペラ『はかなき人生』全曲 
ドキュメンタリー番組『恋は魔術師』
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# by Megumi_Tani | 2016-11-05 23:04 | スペイン歌曲/スペイン音楽 | Trackback | Comments(0)