人生の芸術家
2009年 09月 10日
と言っても、彼女とは、こまめに連絡を取り合っているわけではない。手紙もメールも不定期、かつ、途絶えがち。不思議なのは、その登場のタイミングだ。いつも私が少々弱っている時に、ふいに手紙が届く。「今、どこにいると思う?」と、突然、東京駅から電話がかかって来たりする。
バルセロナ時代には本当にお世話になった。世界中を駆け巡り、波乱万丈の人生を歩んできた彼女。愛情いっぱいで自然体。どんなに大変な時も、決して暗く落ち込まない。懐の深さと温かさ、そして秘めたる精神の強さをもって、何事も前向きに捉えてしまう。くよくよと悩む私に「どうしたらメグミさんのようにpesimista(悲観主義者)でいられるのか分からない」と彼女が言い、「どうしたら貴女のようにoptimista(楽観主義者)でいられるのか分からない」と私が答える。これが二人の会話の定番だった。
そんな彼女を、私の歌の師は「Artista de la vida(人生の芸術家)」と評した。言い得て妙!