セファルディーの歌 3種
2009年 09月 18日
彼らが歌い継いできた歌がある。トルコやアラブの音楽を思わせる旋律、独特のリズム…。素朴に、そして時にリアルに生々しく情念を吐露する歌の数々は、強い魔力をもって心を惹きつける。
手元にトルコ系セファルディーの歌い手ヤスミン・レヴィのCDがある。初めて彼女の歌を聴いた時、私は、思わず部屋の柱にしがみついてしまった。心を切り裂く声、容赦ない哀しみ、絶望。衝撃のあまり動けなかった。収録曲すべてを聴くことに耐えられない気がした。
昨年のリサイタルでは古楽器のギター&フルート伴奏で、先日のワイン・コンサートではギター一本の伴奏で、セファルディーの歌を歌った。心魅かれるのは私だけではないらしい。歌うたびに大きな反響をいただく。10月17日開催のリサイタルでは、ピアノ伴奏で歌う。歌う私も心が騒ぐ。
私見だが、ギター&フルート版はひなびた素朴な味わい、ギター版はロマンティックでどこかデカダンの香り、そしてピアノ版は絵画のようにドラマティックな印象である。皆様は、どれがお好みだろう?