¡Viva スペイン! そして…   

音楽講座『Las Músicas de España~スペインの音楽』第5回目が終了しました。今回のテーマは19世紀の音楽。ナポレオン侵攻からスペイン独立戦争、そして世紀末に勃発した米西戦争まで、まさに動乱の時代です。

前世紀に一時代を築いたサルスエラやトナディーリャはすっかり忘れ去られていました。しかしそこは歌好きの国スペイン。ギターあるいはピアノ伴奏付の歌曲、民謡調の歌などは作られていました。ギターの佳曲「月光」で有名なフェルナンド・ソルは、ギター曲以外にもオペラ、ギター伴奏の声楽曲を残しています。音楽の才能とともに、そのイケメンぶりでパリの文化サロンの人気者だったとか。スペイン最強の楽器ギターについては、第9回にまとめて講義があります。

私が大好きな『ラ・パロマ』の作曲者セバスティアン・イラディエールが活躍したのも、この時代です。彼の作品『エル・アレグリート』が、あのビゼー『カルメン』のハバネラに化けた?ことは、よく知られています。ここで、ちょっと聴き比べ。

『エル・アレグリート』


『カルメンよりハバネラ』


本当にそっくり…(^^;; それにしても、マリア・カラスの歌唱は凄まじい迫力です。世界一のカルメン、と言われながら、実際にオペラで演じることは一度もないまま逝ってしまいました。

ヴァイオリンの分野に颯爽と登場したのが、パブロ・デ・サラサーテです。父親に英才教育を施された彼は、わずか十歳で御前演奏を果たし、パリ音楽院を経て、演奏活動を開始。ヨーロッパ各地はもちろん、南北アメリカ大陸、中近東、南アフリカなど多くの国で人々を魅了しました。甘いマスク、華麗なテクニック、流麗な音色…その魅力は悪魔的だったとか。ブラームス、チャイコフスキーに影響を与え、サン・サーンス、ラロ、ブルッフらが彼に作品を献呈しています。

『ツィゴイネルウィゼン』サラサーテ本人の演奏です。録音が残っていたなんてビックリ!


同じ曲をイツァーク・パールマンで。圧巻!


ここへ来て、やっとサルスエラが動き出します。スペイン独自の音楽やダンスとともに展開する庶民的なストーリー。明るく、親しみやすく、時に風刺をきかせたユーモアたっぷりの舞台が大人気となりました。仕事帰りにちょいとサルスエラでも!マドリ―には劇場が建設され、サルスエラは、都市で暮らす人々の最大の娯楽として定着したのでした。

『お手伝いさんのタンゴ』~チュエカ『大通り』より


『奥様』も歌います。


『ラ・ドローレス』ドミンゴお見事!


時代の寵児を生み、独自の文化の華を咲かせたスペイン。多くの外国人音楽家がスペインに魅せられ、ビゼー『カルメン』、シャブリエ『狂詩曲スペイン』、リムスキー・コルサコフ『スペイン交響曲』など、スペイン趣味の楽曲が作られました。魅惑の国スペイン、憧れの国スペイン…!!
しかし一方で、スペインその国の音楽家たちは、ある種強烈な“スペイン趣味”を脱すべく、あるいは、より昇華すべく、模索を始めます。偉大な音楽学者フェリーぺ・ぺドレル、そして彼の教えを受けたアルベニス、グラナドス、ファリャへ…。時代は移ります。
e0172134_027062.jpg

第5回教養講座『Las Músicas de España』(スペインの音楽)
今からでも受講可能です。これまでの講座の様子は、こちら。
『第1回』 『第2回』 『第3回』 『第4回』

e0172134_23555815.jpg

[PR]

by Megumi_Tani | 2014-01-21 23:36 | スペイン歌曲 | Comments(0)

<< ハバネラ大好き! 鐘は「語る」 >>