『カザルスと国際政治』
2014年 02月 20日
国際政治学者である著者が、残された膨大な資料をもとに、詳細にカザルスの生涯をたどっている。カザルスといえば、平和主義、反フランコ、と、すぐに心に浮かぶ。では、彼はいかなる経緯を経てその主張にたどり着いたのか?96年という長い生涯のなかで彼の思いは変化したのか?あるいは、しなかったのか?文化国際主義とは?カザルスが信じた音楽の力とは?etc。
激しく揺れ動く国際情勢、複雑に絡み合う主義主張、人間関係…。客観的な資料の検証から、人間カザルスの姿が浮かび上がる。 ユニークな切り口!カザルスファンの方、お薦めです。
思わずタメ息が出たのは、「クラシックは売れないから」との理由で、マエストロ・カザルスでさえレコード発売を断られていること。昔から、みんな苦労していたんだなぁ。。。
カザルスご本人の語りをまとめた 『カザルスとの対話』 こちらも興味深いエピソード満載です。
カザルスはピアノも上手かった!
ヴィクトリア・デ・ロス・アンへレスの歌、カザルス伴奏によるブラームス歌曲です。