「スペインの民主化を振り返る」第5回講義   

日西翻訳通訳研究塾にて開講中の文化教養講座『スペインの民主化を振り返る』の第五回講義に出席した。月曜日の夜、午後7時からの講義というのはなかなか大変なスケジュールだが、毎回熱心な受講生さんが駆けつける。スペインへの深い興味と学ぶ喜び。『あなたのことをもっと知りたい』皆さん、そんな気持ちなのだろうな、と思う。

1970年代に入り、スペインにも、時代の大転換の波が、秘かに、しかし確実に、押し寄せていた。ピカソが亡くなった1973年、用心深い性格であったというフランコが熟慮に熟慮を重ねて首相に指名したカレロ・ブランコが、就任後、わずか六カ月で暗殺される。隣国ポルトガルではカーネーション革命が勃発。病に侵されたフランコは入退院を繰り返し、入院中は、後継者に指名されていたホァン・カルロス皇太子が臨時国家元首を務めた。どこまでも従順に任務に当たりながら、彼は、フランコ後のスペインに向けた準備を粛々と進めていた。。。このあたりの人間ドラマが、私にはとても興味深い。

人間不信で、何事にも極めて慎重、用心深く、いわゆる「石橋を叩く」タイプであったというフランコ。人間の性格は、持って生まれた素質に加えて、幼少期からの様々な経験によって形成されるものだ。己を強烈に守らずにはいられない何かが、彼の人間性の根底に埋め込まれていたのかもしれない。歴史に「もしも」は存在しないが、もしもフランコが才気あふれる鷹揚な人物であったなら、内戦後のスペインは、まったく違った様相を呈していたのかもしれない。そうなれば、ファン・カルロスの存在の意味も変わってくる。カザルスも愛するカタルーニャに戻っていたかもしれない。。。

それにしても昨今は、心が重くなるニュースが多い。「もしも」カザルスが生きていたら、力強く、平和への祈りを奏でてくれるだろうか。

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by Megumi_Tani | 2015-01-29 00:54 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

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