スペイン歴女   

日西翻訳通訳研究塾にて開講中の教養講座「スペインの民主化を振り返る」第8回の講義が終了した。いよいよフランコ亡きあとの民主化である。鍵を握る人物は、アドルフォ・スアレス。とある講演会の折、講師の先生が「スペインでは政治家の容姿がとても重要です」と仰っていた。なるほど。スアレス氏、なかなかのイケメンだ。新しい風を吹かせてくれるかも、、と、期待させる雰囲気がある?そんな己の魅力を知ってか知らずか、彼はテレビを巧みに使い、画面を通して国民にメッセージを発した。「時代が変わる、新しい時代が来る…」と。
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しかし彼が首相になるまでのプロセスがすごい。フランコ存命中からすでに始まっていた根回し、裏工作、秘密会談の数々。もしもこの時この人がこう言わなかったら、もしもこの多数決に負けていたら、もしもこの秘密面会がバレていたら、もしもこのメモを手渡せなかったら等々、歴史に「もしも」は無いが、まさにすべてが、もしも、もしも、の連続である。しかも誰が主役なのかよく分からない。もちろんホァン・カルロス国王(皇太子)が中心にいる?のだが、その陰に黒幕シナリオ・ライターの影が見える。登場人物各々が己の立ち位置を理解していたのかどうかも定かではない。彼らの選択が先を読んでの行動なのか、先を読めないがゆえの行動なのか、その辺りも不可解だ。スリル満点、まさにすべてが薄氷を踏むような危うい過程をたどりながら、一歩一歩、しかしドラマチックに、奇跡の民主化が進んでいく。
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政治には疎い私だが、彼らの人間ドラマにハラハラ、ドキドキ。終了後、市ヶ谷の駅まで歩きながら、受講生のお仲間と大いに盛り上がった。当時のスペインの新聞報道では、黒澤明監督「七人の侍」にあやかって「Siete samurais」「harakiri」という言葉が使われたという。ならば、この民主化を日本でドラマ化する場合、俳優は誰がいいか?というところにまで話が発展。国王は〇〇でしょう、いや△△あたりが向いているんじゃない?一番難しいのはフランコかなぁ、などと、ピーチクパーチク、駅に着いてもお喋りが止まらない。お一人が呟いた。「ねぇ、私達って歴女?」なるほど。。。夜の市ヶ谷にスペイン歴女現るの巻だ。

塾頭先生のライフワーク。本来であれば、スペイン政治やスペイン民主化の専門家が対象になるであろう内容を、私達のような門外漢にも分かりやすくお話しくださる、とても貴重な講座です。来月も楽しみにしています!
教養講座『スペインの民主化を振り返る』
「スペインの民主化を振り返る」第5回講義
「スペインの民主化を振り返る」第6回講義
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by Megumi_Tani | 2015-05-01 22:40 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

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