Programa ご案内「心よ、ともに悲しもう」
2015年 08月 15日
そんな時代に、サルスエラ(zarzuela)が現れた。初期のサルスエラは、神々の物語、英雄伝説などをテーマにした荘厳な内容だったが、18世紀後半になると、楽しいサルスエラ(zarzuela alegre)が登場する。しかし、当時のスペイン音楽界にはイタリア旋風が吹き荒れていた。猫も杓子もイタリア…の風潮の中で、サルスエラは居場所を失ってしまう。そのちょっぴり寂しいスペインの歌の世界に、負けじと咲いた小粋な華、それがトナディーリャ(Tonadilla)だ。ごく短い音楽芝居の中に「スペインの」歌や踊りがふんだんに盛り込まれ、マホとマハ(伊達男と粋な女)に象徴される庶民の喜怒哀楽を生き生きと描き出した。
第1ステージでは、そのトナディーリャの作品の中から、命を落とした当時の花形スター、カランバ嬢にパブロ・エステーベが捧げた哀悼の曲「心よ、ともに悲しもう」、そして、ブラス・デ・ラセルナ「金のくちばしの小鳥」をお聴きいただく。エステーベもラセルナもトナディーリャの代表的作曲家だが、こうして歌だけを取り出してみると、たしかに当時のイタリア趣味の匂いがする。素敵な曲なだけに、ちょっぴり悔しい(笑)
「心よ、ともに悲しもう」
谷めぐみ30周年記念リサイタル
《スペイン わが心の歌》
2015年10月17日(土)午後2時開演@Hakuju Hall
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《谷めぐみの部屋~Sala de Megumi Tani》
ご来聴をお待ちしています