『カルメン』 勉強会
2016年 12月 13日
原作、台本、初演日など作品に関する基礎知識から、時代背景、ビゼーの生涯、登場人物の個性と音楽の関係、特徴、魅力等々について、詳しく分かりやすくお話くださった。井内さんお手製のハートマーク入り人物相関図が何とも可愛らしい。
たしかにカルメンは勝手気ままで、手の付けられない女だ。しかも最後は刃傷沙汰で終わる。決して明るくはない。それどころか、どちらかといえば陰惨なオペラだ。それでも世界中で人気が衰えないのは、カルメンをはじめドン・ホセ、ミカエラら登場人物各々に、お客様各々が秘かに共感するからではないか。実は言ってみたいけれど言えない台詞を言ってくれる、やってみたいけれど出来ないことをやってくれる…etc。蔑みつつも共感せずにはいられない、そんな人間の業を鋭く、巧みについた作品なのだ、きっと。
それにしても、一般にこれがスペイン!と括られることには微妙な違和感がある。ここまで濃く煮詰まった所謂スペイン話は、外国人のビゼーだからこそ描けたのだと思う。
ムチャぶりでマイクが回って来たので、スペイン音楽の特徴に加えて、ハバネラ「恋は野の鳥」に欠かせない裏エピソード、イラディエール「El arreglito」をご紹介させていただいた。
スペインがどう語られ、どう受けとめられているか。いつの場合も興味がある。『カルメン』をきっかけに、より多彩なスペインに触れていただければ嬉しい。