カテゴリ:本の窓( 24 )   

2013《愛しのバルセロナ》   

ちょうど4年前の今日、201361日、第22回リサイタル《愛しのバルセロナ~Barcelona querida》を開催しました。バルセロナへの想いをたっぷりこめたコンサート。偶然のようできっと偶然ではない…。人とのご縁と同じように、街とのご縁も不思議です。


大好評をいただいた蒼いパンフレット。

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さて、こちらは、最近大ヒットしたマガジンハウスの本。嬉しいことに、リサイタルのパンフレットと同じデザイナーさんが担当しています。本屋さんで見かけたら、ぜひご覧になってみてください。


今年のリサイタル《スペイン浪漫Ⅲ~E.グラナドス生誕150年、F.モンポウ没後30年に捧ぐ》1119日(日曜日)午後2時開演です。会場は、お馴染みのHakuju Hall。チケット発売開始:619日。19世から20世紀へ~世紀の境を越えて輝くスペイン歌曲の魅力をたっぷりお届けします。


来週開講のセミナー《魅惑のスペイン歌曲Ⅲ》こちらは、お申込み受付中!

『魅惑のスペイン歌曲Ⅲ』
●6月9日、23日(いずれも金曜日)19:00~20:30
●参加費(2回セット):6,000円
詳細はこちらをどうぞ 
⇒ セルバンテス文化センター春期講座


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by Megumi_Tani | 2017-06-01 22:16 | 本の窓 | Comments(0)

『フジタの白鳥』藤田嗣治の舞台美術   

美しい本をご紹介したい。
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第一次世界大戦後の円熟のパリを謳歌。大成功を収め、最後は、洗礼名レオノール・フジタとしてパリに骨を埋めた藤田嗣治。その藤田が手がけた舞台美術について、詳しく紹介されている。
著者は、佐野勝也氏。藤田の足どりを丁寧に追いかけ、パリにおける華やかな活躍、交友関係をたどり、藤田が舞台美術を手がけた作品ひとつひとつについてあらゆる方向から調査し、絵画作品や残された文章との比較、研究を重ね、藤田の芸術、藤田の世界の本質に迫る。沢山の貴重な写真、図版とともに、紹介されているエピソードの数々も興味深い。藤田嗣治ファンならずとも、ぜひお薦めしたい一冊だ。
『フジタの白鳥』画家藤田嗣治の舞台美術

著者、佐野勝也さんとお目にかかったのは1986年のことだった。この年、没後50年を迎えたロルカを讃えて、東京外国語大学をはじめとするいくつかの大学のスペイン語科の学生さん達が『ロルカ没後50年三大悲劇上演』を企画。その代表を務められていたのが佐野さんだった。私にはロルカにちなむ歌曲を歌ってほしい、とのこと。打ち合わせのため、どこかの喫茶店でメンバーの方々とお会いした。リーダー佐野さんの存在感は格別だった。ロルカ上演への熱い意欲、スペイン語との親しさ、若い仲間の絆…。久しく忘れていた何かが蘇るような、とても懐かしい、とても楽しい時間だった。

時が流れた。『フジタの白鳥』は、佐野さんの絶筆になった。知らせてくれたのは、昨年偶然再会した「86年ロルカ組」のメンバーの女性だ。偶然中の偶然、というのも奇妙な表現だが、彼女との再会は、思わずそう書きたくなるほど、不思議な偶然だった。

本を手にした時、フジタの白鳥、ならぬ、白鳥になった佐野さんが、ふわりと舞い降りたような気がした。佐野さん、素敵な想い出をありがとう。どうぞ安らかに。

『ロルカ没後50年三大悲劇上演』パンフレット 
1986年5月7日~10日@板橋区立文化会館
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by Megumi_Tani | 2017-02-26 00:54 | 本の窓 | Comments(0)

『天国の囚人』   

内戦前後のバルセロナを舞台にした歴史エンターテイメント小説。『風の影』 『天使のゲーム』に続くシリーズで、最終的には、未発表の作品と併せ、4部作になるらしい。

『風の影』で少年だった主人公ダニエルは、美しい妻をもつ青年になっている。例によって、謎の人物が現れ、親友フェルミンの秘められた過去が歴史の暗部とともに明かされていく。時系列が行ったり来たりするややこしさは『風の影』と同じだが、それもまた著者の巧妙な演出であることに気付かされる。ダニエルとフェルミンを取り巻く人々が複雑に絡み合い、ストーリーは二転、三転。時に歴史小説、時にサスペンス、時にラブロマンス、時に生きる格言集…?随所にちりばめられた街の風情、通りやバル、レストラン、ブティックetc, が実名で登場するのも、バルセロナファンには嬉しいところ。挿絵などひとつもない文庫版だが、まさに「劇画」の味わいだ。
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詳細はこちら ⇒ 『スペイン語の歌のクラス

   
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by Megumi_Tani | 2016-05-12 12:39 | 本の窓 | Comments(0)

新刊『スペイン文化入門』   

スペイン思想の大家、佐々木孝先生が1970年代以降、様々な場で発表された文章。
日西翻訳通訳研究塾・塾頭、碇順治先生がそれらを編集、一冊の本に纏められました。

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「スペインとは何か」この深遠極まりないテーマに鋭く迫る文章の数々に圧倒されます。「文化入門」とありますが、いわゆる文化財観光ガイド本ではありません。今年生誕500年を迎えたサンタ・テレサ、十字架のヨハネ、オルテガ、ウナムーノ、セルバンテス、ゴヤ、ビーベス、エル・エスコリアル王立修道院、聖家族教会、ドン・キホーテ、コロンブス、モゲールの町…。スペインの精神、スペインの魂への導きの書です。率直な文章、ユーモアを交えた筆致、詩人を思わせる豊かな表現の奥に、著者のスペインへの深い愛、得も言われぬ慈しみがあふれています。

とは言っても、思想家の先生が書かれた文章の中には、少々難しい言葉や人名が…。そんな時には巻末の「索引・ミニ事典」が助けてくれます。本編は縦書き、索引は横書き、という凝った作り。人名と事項に関する解説が詳細かつコンパクトにまとめられていて、とても分かりやすい。この索引だけでも勉強になります。「スペイン」「スペイン語」の在り方そのものに基づいた編集は本書ならではのもの。編者のスペインへの深い愛と慈しみを感じます。

佐々木孝先生は東日本大震災後も福島に住み、同地から発信を続けていらっしゃいます。
佐々木孝著『原発禍を生きる』   スペイン語版『原発禍を生きる』
著者・佐々木先生と編者・碇先生は、その大震災がきっかけで出会った、と、記されています。「あとがき」に紹介されている「No hay mal que por bien no venga~幸福をもたらさない災いはない」という諺が、複雑な苦味とともに、胸に沁みます。

読み進むうちに、気が付きます。これは、スペインについて識る本であると同時に、スペインに魅せられた己について知る本である、と。Porque sí(好きだから好き)と言っても、そこにはやはり、好きにならずにいられない、しかるべき理由があるのでした。

スペインが人生の何ものかになってしまったすべての方に、お奨めしたい本です。

彩流社サイト ⇒ 『スペイン文化入門』

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毎日メディアカフェ『谷めぐみが語る 魅惑のスペイン歌曲』
7月23日(木)18:30~20:00
入場無料 要ご予約 以下のサイトからお申し込みください。

谷めぐみが語る 魅惑のスペイン歌曲

谷めぐみ30周年記念リサイタル『スペイン わが心の歌』
10月17日(土)14:00開演@Hakuju Hall
詳しいご案内はHPをご覧ください。
スペイン わが心の歌~Canciones Españolas, tesoros de mi corazón
ご来聴をお待ちしています
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by Megumi_Tani | 2015-07-14 23:23 | 本の窓 | Comments(0)

司馬遼太郎著『南蛮のみち Ⅰ・Ⅱ』   

そういえばそんな本があった、と、思い出すことがある。昨年10月、アルゲリッチの映画を観に行った際のこと。入り口横の売店に「本日の映画に関連する本」として、司馬遼太郎著『南蛮のみち Ⅰ・Ⅱ』が並べられていた。とかく日本では、スペイン・ラテン系という曖昧な括りで、何もかも十把一絡げにしてしまう。アルゲリッチとザビエルが“関連”というのは、なんとも可笑しい。
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さて、そのずい分前に読んだ『南蛮のみち Ⅰ・Ⅱ』を、もう一度読み直してみた。フランシスコ・ザビエルの心の軌跡を追って、バスク地方を旅する内容だ。バスクからマドリードへ、そしてポルトガルへと旅は続く。独特の語り口の文章だが、何となくノリが悪い。何故か、司馬遼太郎の楽しくなさそうな?気配が伝わってくる。

こちらも何となくノリが悪いまま読むうちに、きっと司馬遼太郎は、バスクが、マドリードが、あえて言えばスペインが、肌に合わなかったのだ、と、気がついた。スペインは独自の強烈な個性をもった国だ。惚れる者はとことん惚れこむが、中には、「ああいう国はちょっと…」と仰る方もいる。ザビエルに多大な影響を与えたロヨラも、彼との出会いから極端な変貌を遂げてゆくザビエルも、かなり強烈な、今風に言えば“濃い”人間だ。彼らのほの暗い色濃さに、司馬遼太郎は、共感ではなく、違和感を覚えたのではないだろうか?

その証拠に、というわけでもないが、旅がポルトガルに入ったところから急に筆致が変わる。風光明媚な景色を愛で、街並みを楽しみ、詩やファドを味わい、人々の気質に愛着を感じている。「ポルトガルはいいなぁ」という司馬遼太郎の声が聞こえそう…と思いつつ読んでいたら、あらら!「人間がおだやかで秩序的であり、スペイン的な激情は見られない(本文より)」とまで書かれている。やはり人間、相性というものがあるらしい。しかし、それでも書ける。やっぱり巨匠だ。

ザビエルに関しては、こんな文章も。
ザビエルの生地、パンプローナにみたスペインと日本のつながり
執筆者の細田晴子氏は、以前このブログでご紹介した『カザルスと国際政治』の著者。

司馬遼太郎の数々の名著の中で、ちょっと隠れた一冊はこちら。
人間・空海の背中をひたすら追っています。
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by Megumi_Tani | 2015-05-22 01:09 | 本の窓 | Comments(0)

『6か国語音楽用語辞典』   

あらゆる事柄をネットで簡単に調べられる時代です。その価値を十二分に認め、日々、その手軽さ、便利さの恩恵に与りつつ、やはり根がアナログ人間の私は、「紙の本」が手放せません。スペイン語の辞書も、いまだに紙をペラペラめくっていますから。。。

その、紙で、音楽之友社から新しい音楽用語辞典が出版されました。
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楽譜に登場する様々な音楽用語。それが何語か分からなくても、とにかくアルファベットで引けば、何語なのか、どう発音するのか、何を意味するのか、、、、が分かる辞書です。スペイン語の音楽用語については、私が編集協力させていただきました。

6つの言語の特徴が簡潔にまとめられ、巻末にある音楽用語の言語に関する読み物は、なかなか興味深い内容です。音楽之友社のサイトで一部を「立ち読み」することが出来ます。紙の辞書をネットで立ち読み。これも時代の為せる業ですね。
『6か国語音楽用語辞典』
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by Megumi_Tani | 2015-04-22 00:11 | 本の窓 | Comments(0)

『パブロ・カザルス-奇跡の旋律』   

カザルスに関する本をご紹介します。
ジャン=ジャック・ブデュ著『パブロ・カザルス-奇跡の旋律』

偉大な音楽家カザルス、カタルーニャへの愛を貫いた信念の人カザルス、のみならず、国際的な影響力をもつ活動家としてのカザルス、迷い苦悩するひとりの人間としてのカザルス…。豊富な資料と細部に亘る調査・検証、貴重な写真の数々で、巨人カザルスの真の姿に迫ります。
監修は、以前このブログでもご紹介した『カザルスと国際政治』 の著者、細田晴子氏。序文にもズシリと重みがあります。カザルスに関する著書は星の数ほど?ありますが、見ても読んでも非常に興味深い、お奨めの一冊です。

カザルス、人気ですね♪
カザルス『鳥の歌』
『カタルーニャから世界へ』

カザルスが愛したカタルーニャ。その魅力を味わう会が近づきました。
3月1日(日)午後5時~@カタルーニャ厨房カサマイヤ(小田急・玉川学園前駅)
とても珍しい企画です。ご都合のつかれる方、ぜひお出かけください。
『カタルーニャの食と音楽を味わう会』


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by Megumi_Tani | 2015-02-18 12:21 | 本の窓 | Comments(0)

『望郷』   

「マッサン」ブームで、書店には関連本があふれている。内容が濃く読みごたえのあるものから、あらまぁ…と、ちょっぴり呆れてしまうものまで多種多様。その出版のされ方そのものが興味深い。

そんななか、偶然、森瑤子著『望郷』という作品を見つけた。初版は1988年。今のブームのはるか前に、竹鶴正孝とリタの物語が書かれていたとは知らなかった。森瑤子自身もご主人が英国人だったから、国際結婚というテーマは、心惹かれるものだったのかもしれない。全体のテイストは、やはり、あの一時代流行した森瑤子の世界。スコットランド時代、正孝と出会う前のリタの人生、彼女と家族の関係等々、朝ドラになかった部分も描かれている。
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物語の終盤、余市に住む正孝とリタのところに、養子として威がやってくる。
『ニッカ・竹鶴政孝系図』
頭脳明晰、穏やかで心優しい青年の威は、ニッカの後継者として正孝を助け、戦時下、厳しい環境のなかで苦労するリタにそっと寄り添う。威の優しさに触れたリタが思わず号泣する場面は、胸にしみる。

ちょうどその辺りを読んでいた時、竹鶴威氏が亡くなられた。
『「マッサン」モデルの養子 竹鶴威氏死去』

余市のご縁で、威氏は、私のリサイタルを聴きに来てくださったことがある。とても美しくエレガントな奥様もご一緒だった。その後、パーティーでお目にかかると、「いやいや、貴女の声には驚いたよ。一体どこからあんな声がでるのかね?」と、目をクリクリさせて親しくお話くださった。とてもダンディで素敵なおじいちゃまだった。

年明けから、朝ドラの舞台は余市に移る。ほどなく、養子の男の子が登場するだろう。正孝氏からニッカを引き継ぎ、そのニッカが全国の注目を集め、いよいよそのドラマに威氏をモデルにした人物が登場する、まさにその直前に、威氏ご本人は静かに天に還られた。この世のめぐり会い、人の命は不思議だと思う。
《『ニッカウヰスキーと私』竹鶴威の回想録》

テレビに映る男の子をみて、「これ、私だよ」と、ちょっぴり照れる威氏のお声が聞こえるような気がする。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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by Megumi_Tani | 2014-12-28 00:07 | 本の窓 | Comments(0)

『バルセロナのガウディ建築案内』   

先月出版されたばかりの写真集をご紹介します。
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貴重な写真の数々が美しい!ページをめくり、眺めているだけでも素敵です。さらに、読み物も充実。世界遺産・聖家族教会をはじめ、ガウディが手がけた数々の作品が、当時の社会情勢、彼を取り巻く人間関係、関連するエピソード等々とともに、詳しく紹介されています。

聖家族教会建築に自らの命を捧げ、最後は市電に轢かれて亡くなった…。ガウディといえば、そんな「聖なる人」のイメージが定着しています。しかし、当然のことながら、ガウディにも若き修業時代がありました。この本には、世に出ようと必死にもがく青年ガウディ、時代の寵児としての顔、恋するガウディ、苦悩と葛藤に悶々とする日々etc、生身の「人間ガウディ」が深く息づいています。

ガウディの作品を訪ねながら、バルセロナを、ちょっと足を延ばしてカタルーニャの町やレオンを、散歩している気分!お奨めです。
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by Megumi_Tani | 2014-12-13 22:47 | 本の窓 | Comments(0)

スペイン語の日本の本 (2)   

吉川英治著「新平家物語」のスペイン語版『El Cantar de Heike』が出版になった。
出版元は、悟出版~Satori Edición。日本の作品のみを手がけるスペインの貴重な出版社だ。
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この長大な物語を翻訳したのは、日西翻訳通訳研究塾でお友達になった佐藤るみさん。
るみさんのご紹介 ↓↓
『スペイン語の日本の本』   スペイン語版『原発禍を生きる』

どういうわけか、初めてお会いした時から親しい気がして、話に花が咲いた。マドリード在住のるみさん。彼女にとってスペインはもう「外国」ではないけれど、それでも、母国ではない国で意志を貫いて生きる、その苦労と涙と、とびきりの喜び!に、私の心はいたく共鳴する。

こちらも、るみさんの翻訳です。
よしもとばなな『人生の旅をゆく~Un viaje llamado vida』

音楽好き、なかでもピアノ!が大好きな、るみさん。
翻訳のお仕事の合間に、素敵な音色で楽しんでくださいね060.gif
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by Megumi_Tani | 2014-11-05 14:01 | 本の窓 | Comments(0)