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飛び立つ鳥   

皆様のお手元に、第20回リサイタルのご案内が届く頃だと思う。

「閃きました。伺っていた内容とはまったく違うのですが…。」とデザイナーさんが送ってきたチラシの図案。私はひと目で気に入ってしまった。派手ではない。いや、それどころか、コンサートの宣伝には珍しい地味さかもしれない。しかし、この凝った、シックな色合いがいい。華やかさとは無縁にしか歩めなかった私の年月は、まさに、この渋さそのものだ。

和の風情、ステレオタイプのスペインを裏切るデザインには、情熱と太陽も素敵だけれどスペインの歌はそれだけではない、と頑固に言い続けてきた私の思いが映し出されている。右側に並ぶ演奏曲目。クリスマスの歌として、カタルーニャの歌として、私が初めて心魅かれたスペインの歌として…大切な“鳥の歌”を鍵に、凝りに凝ったプログラムを組んだ。が、何も深閑とした曲ばかりではない。そこはスペイン!熱く楽しくはじける曲も登場する。知らない歌ばかり…と躊躇される方も大丈夫。ぜひ当日お出かけいただきたい。

深緑と茶の柔らかい幾何学模様。見えない森を縫って一羽の鳥が空に向かう。少し重そうな左の翼、何処へ向かって飛び立とうとしているのだろう。
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by Megumi_Tani | 2010-06-23 08:07 | リサイタル | Comments(2)

異国の歌を歌う   

ウルグアイはじめ中南米諸国で活躍しているオペラ歌手、千田栄子さんのコンサートに出かけた。本邦初演の作品を含む中南米、スペイン歌曲によるプログラム。「バラと柳」「ブラジル風バッハ第5番」など私がレパートリーにしている曲も演奏され、とても興味深く拝聴した。

ゆったりとした歌声、どこまでも自然体。曲の合間のお話には、彼女が活動している国々への愛とrespeto(敬意)があふれていた。「ブエノスアイレスを知っていても、アルゼンチンを知っていることにはなりません」という彼女の言葉は、とかくステレオタイプで安易に外国を捉えがちな私たちに警鐘を鳴らしている。

以前、某スペイン歌曲コンサートに出かけた折のこと。開演の挨拶が、いきなりバルセロナの人への悪口で始まったのには驚いた。マドリードの人と比較して、ああだこうだと面白おかしく揶揄する。満場のお客様はゲラゲラ大笑い。歌い手は興に乗ってしゃべり続けていた。

不愉快だった。客をバカにしてはいけない。客席には誰が座っているか分からないのだ。私でさえこんなに腹が立つ。もしもバルセロナ出身のスペイン人が聞いていたら、どんな気持ちになるだろう。日本人として恥ずかしい。ご本人は親しみをこめた軽いジョークのつもりだったのかもしれない。しかし、親しさと不躾さは違う。

いかに慣れ親しもうと、異国の文化に対する謙虚さを失ってはいけない。身をもって感得したrespeto、そして愛があれば、それは自ずと舞台ににじみ出る。千田さんの歌を聴いて、あらためてその思いを強くした。
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by Megumi_Tani | 2010-06-16 08:58 | 思い&想い | Comments(0)

2010102計画発進   

第20回リサイタル“鳥の歌”のチラシが出来上がった。深い緑の空間に一羽の鳥が飛び立つ。

スペインの歌と出会って四半世紀。リサイタルはもちろん、コンサートで、パーティーで、仲間の集まりで…。いったいどれほどの回数、この歌を歌ってきただろう。「神様の御子がお生まれになることを、鳥たちが喜んで告げていく」と歌いながら、なぜか、このメロディーは切ない。スペイン、カタルーニャの枠を越えた、人間の生きる哀しみのようなものが胸に迫る。

今回は第20回ならではのスペシャルなプログラム。“鳥の歌”を三種類の編曲でお聴きいただく。同じ歌でも編曲によって世界が変わる。あふれる想いも変わる。“鳥の歌”をテーマに、私の心の奥底にあるスペインを歌ってみたい。
http://www.e-yakushiyo.net/Tani_Megumi.htm
http://www.atelier-canon.jp/tani-megumi/

●リサイタル・チケットお問合せ/お申込み
カノン工房 TEL 03(5917)4355 平日10:00~17:00
       FAX 03(5917)4356
       Mail office@atelier-canon.jp

ちょぴり不思議な本日のタイトル「2010102計画」は、下記をどうぞ。
http://megumitani.exblog.jp/11710328/

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by Megumi_Tani | 2010-06-10 08:05 | リサイタル | Comments(2)

水無月のイベントご案内   

【優しい名曲サロンコンサート】
今年はショパン生誕二百周年。ポーランド人のショパンだが、スペインとも浅からぬご縁がある。パリを離れ、ジョルジュ・サンドとひと冬を過ごしたのはマヨルカ島。旅の途中、彼らはバルセロナにも滞在し、スペインを満喫したという。めったに聴けないショパンの歌曲とともに、皆様お馴染みの名曲を、優しく、易しく、日本語で歌うミニコンサート。
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_547543.html
グノーの「Ave Maria」は、ご存知バッハの平均律にのせて歌われる。同じ「Ave Maria」でもカッチーニの作品はデカダンの香り。ただひたすらに繰り返される~アヴェ・マリア~が哀しくも美しい。秘めた情熱を歌う「シューベルトのセレナード」、ショパンが自らの想いをこめた「指輪」「少女の願い」、流麗なメロディーが胸に迫る「別れの曲」「わが心のアランフェス」etc。ユニーク、かつ、なかなか魅力的なプログラムになった。平日の午後、ご都合つかれる方は、ぜひ!ご一聴を。お申込みは、直接、NHK文化センター八王子教室まで。Tel:042(648)0551

【土井宏之・今~昔展】
公式HPの表紙絵を描いてくださった画家、土井宏之氏の個展。
土井氏HP http://www.doi.muenchina.com/
・会期:2010年6月1日(火)~6月27日(日)
・会場:Repi Doll(レピ・ドール) AM11:30~PM11:00
     渋谷区神宮前1-16-5 リュウアパルトマン2F Tel:03(3478)5400 
     竹下通り/原宿駅から徒歩1~2分
Repi Dollは落ち着いた雰囲気のCafe and Wineのお店。
会期中は、土井氏ご本人とお目にかかれるかもしれない。
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by Megumi_Tani | 2010-06-03 06:50 | エトセトラ | Comments(0)