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魂の鳥   

リサイタル本番三日前。慌しい。しかし、意外に静かな時間が流れているものだ。

第一ステージで、F.モンポウの作品『魂の歌』を歌う。演奏者泣かせの難曲だが、16世紀スペインのキリスト教神秘家サン・フアン・デ・ラ・クルスによる詞は、この世には見えない神を讃え、気高く美しい。

同じサン・フアン・デ・ラ・クルスに、こんな作品がある。

『孤独な鳥の条件』
孤独な鳥の条件は五つ:
第一、孤独な鳥はもっとも高いところへ飛ぶ
第二、孤独な鳥は仲間にわずらわされない
        同類にさえわずらわされない
第三、孤独な鳥はくちばしを天空へ向ける
第四、孤独な鳥はきまった色をもたない
第五、孤独な鳥はやさしく歌う

「閃きました」とデザイナー氏が送ってきた今回のチラシのデザインを見た瞬間、ドキッとした。くちばしを天に向け、飛び立とうとする鳥。特定の色も形ももたず、より高く、より高く昇りゆこうとする鳥。チラシの鳥は、サン・フアン・デ・ラ・クルスの詩に詠われている孤独な鳥そのものの姿ではないか。『鳥の歌』を歌う心と『魂の歌』を歌う心はどこかで結ばれていたのか。いや、結ばれていたのではない。その源が同じなのだ…。
選曲のときには思いつきもしないことだった。デザイナー氏の閃きが不思議な気がした。

今回は、これまでにも増して、スペインの歌が私に色々なことを教え、気づかせてくれた。酷暑の夏をバテずに走り回らせてもくれた。「なんと世話が焼ける歌い手さんよ」と、歌たちの方がタメ息をついているかもしれない。

「第五、孤独な鳥はやさしく歌う」とある。いくつもの『鳥の歌』を散りばめたコンサート、やさしい鳥がいっぱいに舞ってくれることを願って!
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by Megumi_Tani | 2010-09-29 10:02 | リサイタル | Comments(0)

もう一度、完売御礼です   

10月2日チケット『キャンセル待ち終了』しました。お申込みいただいた方々、ありがとうございました。「ムム!当日券で行こうと思っていたのに」という方、ゴメンなさいもうチケットがありません。次回ぜひ!お待ちしています。
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by Megumi_Tani | 2010-09-23 08:09 | リサイタル | Comments(2)

完売御礼   

朝晩ようやく涼しくなった。暑さに張りつめていた体が緩み、調子を崩していらっしゃる方も多い。何度も何度も書いたように、私は暑いのが苦手だ。それでいて、夏が過ぎ、秋の風がサーッと吹き抜けると、何ともいえず寂しい気持ちになる。「jaleo(大騒ぎ)は終わった」と心が呟く。町の秋祭りの笛や太鼓の音もどこかもの哀しい。が、今年は様子が違った。お神輿を担ぐ人も見る人も皆汗だく、夏の余韻ではなく、正真正銘の?焼けるような夏がまだ続いていた。

リサイタルまで二週間。嬉しいことに、チケット完売!である。
ありがとうございますm(__)m

「10月2日は、お客様、まだ半袖でお出かけかもしれないわね」と、半ば冗談、半ば本気で言っていたが、今日の予報では、その週から一気に「寒く」なる、とのこと。半袖どころか、厚手のジャケットが要るかもしれない。皆様、お風邪など召されず、お元気でお出かけいただきたい。白寿ホールは明るく美しい空間だ。ほんの束の間、日常を離れ、スペインの歌いっぱいの時間をご一緒に!

え~ッ!もうチケットがない!?!と驚愕されていらっしゃる方、ごめんなさい。
それでも、それでも、それでも…の方は、万が一のキャンセル待ちにご登録ください。
お問い合わせ/カノン工房 office@atelier-canon.jp  Tel:03-5917-4355(平日11時-17時)
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by Megumi_Tani | 2010-09-19 07:17 | リサイタル | Comments(0)

スペインの華   

一時期、リサイタルのタイトルを「イベリアの風・スペインの華」としていた。イベリアの風が吹きぬけるようなコンサート、そこに香しいスペインの歌の華が咲き乱れる…なかなか美しい。気に入っていた。ところがあるとき、一人の女性が私の耳元で意地悪くささやいた。「自分で自分のことを『華』と言うなんて、あなたも大した心臓ね」驚いた。自分では美しい花園をイメージして歌っていたのに、実は、ただのうぬぼれ女と思われていたのか…。ゲンナリして、以来、このタイトルを使うのを止めた。げに恐ろしきは人の心よ。

10月2日の本番に向けて、ピアノ&ギターとの合わせが佳境に入った。編曲によってまったく異なる表情を見せる「鳥の歌」、敬虔な祈りの歌、透明で美しいカタルーニャの名曲、ほの暗い魂が揺れるガルシア・ロルカ採譜の古謡、これぞスペイン!の民謡…。まさに、スペインの歌の華だ。大輪のバラもあれば、小ぶりの野バラもある。端正なカラー、薄紫のトルコ桔梗、真白いユリの花。そういえば、カタルーニャの郊外には黄色いエニシダの花がよく咲いていた。

私は、花屋のおかみさん、といったところだ。こんなに綺麗な花たちを、いかに生かし、いかに咲かせるか!思案のしどころ、腕の見せどころ。おかみの私が言うのもなんだが、こんなに見事な華・花・華にはめったにお目にかかれない。見逃す、いや、聴きのがすのはもったいない機会だ。コンサートは一期一会。ひとりでも多くの方にスペインの華を堪能していただきたい。ぜひ!お出かけを。
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by Megumi_Tani | 2010-09-07 07:37 | リサイタル | Comments(0)