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さよなら三月   

今日で三月が終わる。4日に吉祥寺ドスガトスhttp://www.dos-gatos.com/でコンサートディナー開催。ちょうどその一週間後、巨大地震発生。何もかも一変した。多発する余震、想像を絶する被災地と被災者の方々の姿、原発事故、その不透明な経過と深刻な被害…。異様な緊張が続く中で、突然生徒さんの訃報を知らされ、長年ご支援くださっていた方が天に召された。張りつめた、途方もない時間が過ぎた。そして未だ日々刻々と情勢が変わり、予測不能な危機が続いている。

何事もなく朝が来て、何事もなく夜が暮れる。そんな当たり前のことが心底ありがたい。ほぼ通常の生活を営める者は、被災地と被災者の方々に深く心しながら、平常心で、今出来ることを精一杯に果す。それが務めだろう。「共感疲労」「共感ウツ」の人が増えている。思いはとてもよく分かる。まさに共感する。でも、その心のベクトルからは何も生まれない。今とりあえず自分で立てる人間が「共感」で自滅するのではお話にならない。被災地の方々に申し訳ない。

…と、書いている私も、やっと心が落ち着いた次第。

「計画停電の夜、お布団にもぐりこみ、懐中電灯をつけて歌っていました」と、笑顔で語った生徒さんがいた。極度の緊張、我慢、抑制、無力感…。誰もが疲れている。歌は、ほんの束の間でも心を解放してくれる。

東京はソメイヨシノが開花した。例年なら桜とともに去るスギ花粉が、今年はまだビュンビュン飛んでいる。何もかも狂った春…。まだ先は長い。さよなら三月、こんどは四月。
ただ、今出来ることをするだけ、だ。
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by Megumi_Tani | 2011-03-31 09:55 | 思い&想い | Comments(0)

もう一度、歌のちから   

大震災後、初のNHK文化センター八王子教室のクラス。計画停電のため、通常の開講時間を確保できない。それならば、ということで、二つのクラス合同でレッスンをすることになった。が、ちょうど年度末でもある。いっそ緊急時特別仕様のミニ発表会としゃれこもう!
題して♪歌で逢いましょう スペシャル♪

当日は全員出席。皆さん、とても張り切っていらっしゃる。いつものように軽い体操でウォーミングアップ。肩をほぐし、首を回し…あちらこちらからウ~ンと唸り声があがる。やはり、くたびれているのだ。呼吸法、発声の後、まず先輩格の「スペイン・ラテンの名曲を歌おうクラス」の皆さんが「ベサメ・ムーチョ」「ラ・パロマ」「エストゥレジータ」などスペイン語の歌をご披露。このクラスは2006年からほぼ同じメンバーで継続している。妹分?(貴重な男性1名もいらっしゃいます)の「懐かしい抒情歌・愛唱歌クラス」は開講一年半。こちらもまた和気あいあいと仲がいい。「皆さんもご一緒にいかがですか」とお誘いの声が出て、「冬の星座」「みかんの花咲く頃」「学生時代」等々、なんと!全員の大合唱になった。締めは日本語とスペイン語ミックスの「シェリト・リンド」~アイ!アイ!アイ!アイ!泣かないで歌ってごらん。歌えば心楽しくなるよ~明るくも、今は切ない歌詞。伴奏を弾きながら、思わず涙があふれた。ミニ発表会めでたく終了。「本当に今日は来て良かった」「大きな声で歌って気が晴れました」「メキシコってスペイン語の国なんですね?」「また4月に!」と、皆さん、笑顔で帰って行かれた。

今年はいつまでも寒い。東北の被災地ではまだ雪が降っている。過酷な現実、重すぎる課題、先が見えない原発事故、放射能…。誰もが経験したことのない危機の中にいる。誰もが生きることを問われ、最前線に立たされている。ならば、己の足元から、今、己の出来ることを果たそう。悔いなく、充分に心を尽くして。

アイ!アイ!アイ!アイ!泣かないで歌ってごらん。歌えば心楽しくなるよ♪
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by Megumi_Tani | 2011-03-29 08:28 | 思い&想い | Comments(0)

歌のちから   

センバツ高校野球の開会式、女子高生が「君が代」をア・カペラで歌い上げた。素直な伸びのある声!一瞬、今起きている危機を忘れ、聞き惚れた。

ほぼ全休していたクラスが動き始めた。つづく余震、原発危機、計画停電、放射能問題…。
東京も極めて不安定な状態だが、生徒さんは皆、クラスに出かけてくる。元気なわけではない。皆、疲れ、心がふさぎこんでいる。かく言う私も同じだ。いつものように軽い体操、呼吸法をしてリラックス、そして歌う。「いつものように」この言葉の重みがズシリと迫る。大震災後は、心なし、どの生徒さんもいつもより大きく口を開け、いつもより一生懸命に歌っている。レッスンが終わると、「先生、歌っていいですね」「いろんなこと全部忘れて歌いました」「この歌、まさにエールですね」明るい声が飛び交う。思いは私も同じ。たとえ束の間でも、歌は心を解放してくれる。言葉に出来ない思いを彼方へ飛ばし、また再び重い現実に戻る勇気を与えてくれる。

避難所で歌う中学校の卒業生、「YELL」を録音・録画して避難所に贈った小学生。その姿と歌声に涙があふれた。もしも今、自分があの過酷な状況下にあれば、とても歌など歌う気にはなれない、そんな気もする。しかし、それでも、どこからか聞こえてくる歌やふと口ずさむ歌が、微笑みになる、安らぎになる、勇気になる、仲間になる、そんな時が来ると信じたい。こんな時だから、こんなに哀しい時だから、今までよりもっともっと歌のちからを信じたい。
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by Megumi_Tani | 2011-03-24 08:35 | 思い&想い | Comments(0)

十日が過ぎた   

被災地の惨状に言葉もない。凍てつく寒さ。本当に本当に寒いのだ。しかも、なぜ今年はいつまでも寒い?ほんの少し暖かくなったのも束の間、今週はまた冷え込み、雪が降るという。水、食料、ガソリン、灯油、薬、衣料、日常品etc。何もかも無い。足りない、のではなく、無い。豊かな物資あふれる日本はどこへいったのだろう?私たちが知りうるのはテレビに映し出される映像だけだ。現地では、間違いなく、はるかに厳しい、想像を絶する状況が続いていることだろう。

温かい食べ物をいただくのが申し訳ない。何が出来る?募金、節電…。祈っても、心を寄せても、ただ切ない。

まさかの、そして、先が見えない原発事故。いかに未曾有の災害とはいえ、ここまで管理、制御不能なものが運用されていたことに驚愕した。事態の変化に伴い記者会見が開かれているが、おどおどとした態度、滑舌悪い話しぶり、妙な早口が、より聞く者の不安を煽る。一般に、人は、自信がない時や嘘がある時、早口になる。不明確かつ要領を得ない説明は、あぁこの人は根本的に理解していないのだな、あぁ言えない事があるのだな、と感じさせてしまう。「そう聞いています」「報告を受けています」あげくに「分かりません」「聞いていません」…責任の所在はどこにあるのだろう?マイクロシーベルト、サプレッションプールetc、聞き慣れない用語を、もう少し分かり易い日本語で伝えることはできないのだろうか?我々でさえ理解に苦しむ。ましてや、高齢者にはチンプンカンプンだろう。「その数値はHPで確認してください」これも酷い。すべての人がパソコンを操れるわけではない。命に関わる情報を得ることさえできない。昔、「学校で分からないことは塾で習ってください」と言った教師がいた。塾などというものと無縁だった私は大いに憤慨したものだ。

東京も余震が続いている。この文章を書いていても、本当に気味が悪い。
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by Megumi_Tani | 2011-03-20 22:15 | 思い&想い | Comments(2)

黙って祈ろう   

寒さに凍える被災地の惨状に胸がつまる。命をつなぐ水も食料も灯油も薬も無い。大地震・大津波に加えて、原発事故。不透明な情報、刻々と変わる状況、傷ついてなお移動を余儀なくされる人たち…。

現場の状況、情報を伝えるのがメディアの役目だ、とは思う。しかし、行方不明の息子さんを探し歩く母親に、その息子さんの名を尋ね、「名前を言うと帰って来ないような気がするから、言いたくありません」と涙する母親に、「それでは、せめてお母さんの名前を教えてください」と追い討ちをかける。手袋で顔を覆い、声を殺して泣く母親をジッと映し続けるカメラ…。よく言われることだが、こういう時のマスコミとは何なのだろう?「何もかも不足しています」と、こわばった表情で答えた医師に、「今足りないものは何ですか?」などと質問している。

今すぐ私たちが出来ることは少ない。ささやかな義援金、足元の節電の努力…。でも、何より、黙って祈ろう。今起きていることは想像をはるかに越えている。でも、それでも、現地の方のお気持ちを精いっぱい想像し、その悲しみに心し、深く黙って、祈ろう。

心配とは、相手に自分の心をお配り、お分けすること。心配している自分を表現することではない。「心配していました」と心配表明され、「それで?それで?」と質問攻めにされ、そのあげく「頑張ってください」と言われても、もうギリギリまで頑張っている。「気をつけてください」と言われても、もう気をつけようがない。「ストレスを溜めないように」と言われても、そう言われることがストレスなのだ。

「あなたのことを思っています」ただそれだけの静かなメッセージが、いかに勇気を与えてくれることか。真に相手の気持ちに寄り添えば、言葉少なになる。黙って祈ろう。小さな私たちでも、今すぐに出来ること。黙って、心から祈ろう。
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by Megumi_Tani | 2011-03-18 23:44 | 思い&想い | Comments(0)

被災地に雪が降る…。   

避難所では暖を取ることもままならず、被災現場では、いまだに多くの方が取り残されているという。極端な寒さは痛みになり、やがて痛みを越えると何も感じなくなる。温かいような気さえしてくる。これが怖い。北国生まれの私には「寒さ」の恐怖が実感として迫る。そして、今日からは雪の予報…。真っ暗な空から、これでもか、これでもかと降る雪は無情だ。一刻も早く救出の手が届くことを強く祈る。

昨夜は静岡が震源の大きな地震があった。想定外のアクシデントも次々と起きている。なかなか収束の道筋が見えない。

ささやかな提案~「ラジオ併用のすすめ」
たぶん、誰もがテレビの報道に釘付けの毎日だろう。たしかに、音声と映像、文字テロップ等で一気に情報を得られるテレビは不可欠だ。が、報道そのものがヒートアップし過ぎていて、ふと気づけば、なんとなく巻き込まれていた…そんな気がしたことはないだろうか?ラジオは、アナウンサーの語り口もテレビよりゆっくりで、同じ内容の報道を聞いても、落ち着いて受け止められることがある。情報の素早さはテレビの方が断然上だが、延々と続く重いニュースに疲れたとき、ちょっとラジオをつけてみることをお薦めしたい。テレビより、やや節電にもなるらしい。
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by Megumi_Tani | 2011-03-16 07:18 | 思い&想い | Comments(0)

東北関東大震災   

一瞬の大波に命を落とされた方々のご冥福をお祈り申し上げ、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

3月11日14時46分、電車が駅のホームに滑り込んだ時、いきなりグラグラッと来た。なかなか終わらない、もの凄い揺れだった。見知らぬ土地でバスを四度も乗り換え、最後は徒歩で帰宅。計6時間。これだけでも充分冒険に値すると思っていたが、今回の大地震は、そんななまやさしいものではない。次々と無理難題をふっかけ、我々人間を疲弊させる。何か、大きな歴史的エポックに立ち会っているような気さえする。

被災地の惨状に胸がつまる。これでもか、これでもかと繰り返される余震、タイムスケジュールがよく理解できない計画停電、大変だ!と買出しに駆け出す人の群れ、そして、ついに今朝起きた原発事故…。何もかも、悪夢のような。

こんな時だからこそ、前を向いて、今、自分に出来ることをしよう。すっくと背を伸ばして。
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by Megumi_Tani | 2011-03-15 07:53 | 思い&想い | Comments(0)

花粉記念日   

3月7日東京は朝から雪になった。「美味しいコンサート」がこんな日に当たらなくて良かった…。本番があると、お天気が気になる。仕方がないと分かっていても、やはり晴れると嬉しい。

雪が降るくらいだから寒かった。が、寒くてもしっかり来ていた…。花粉である。ここ数日、明らかに症状がきつくなっている。朝起きた時から目が痒く、鼻はクシャミ寸前。お医者様によると、2月25日からの三日間で、昨年一年分に相当する飛散量が計測されたとのこと。 こうして一応普通に暮らせているだけでもありがたいか…。

かれこれ二十年前の3月7日、突然発症した。昨日と違ってポカポカと暖かい春の午後、友人宅でオシャベリしているうちにクシャミが止まらなくなった。「ねぇ、それって花粉症じゃない?」「まさか!」花粉症などというものはヤワな都会の人間がかかる病で、田舎育ちの私には無縁だと思っていたのだ。甘かった。五年間くらいは毎シーズン悪化。以後、高め安定で現在に至っている。最強最大の武器「マスク君」だが、我ら歌い手は、このマスク君を外さなければ仕事にならない。夏がくれば思い出す♪ならぬ、春がくれば思い出す(>_<)3月7日は私の花粉記念日なのだ。

記念日といえば、これ。<「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日>
では、<「この鼻がつらいよ」と私がクシャミしたから三月七日は花粉記念日>012.gif
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by Megumi_Tani | 2011-03-08 07:46 | エトセトラ | Comments(2)

美味しいコンサート♪2011   

それはそれは素敵な一夜!吉祥寺のスペイン料理名店ドスガトス、満席のお客様をお迎えして午後7時コンサート開演。天井の一角が吹き抜けになっていて音がよく響く。バルセロナの思い出、歌にまつわるエピソードをご紹介しながら、カタルーニャ民謡、ガルシア・ロルカ採譜のスペイン古謡、J.ロドリーゴの作品等を演奏。お耳を潤していただいた後は、お待ちかねのディナータイム。前菜盛り合わせ(初物ホワイトアスパラガス入り!)、ピッキージョピーマンの塩鱈クリームソース詰め(とろけるような食感が絶品!)、フィデワ(パスタのパエリャ)、仔豚の丸焼き(正真正銘の丸焼きです。贅沢!)、デザートのクレマカタラナ(私事ながら、大好物!)、濃い目のコーヒー。スペシャルなお料理を皆様、ご堪能。締めは『ラ・パロマ』そして、やはり『鳥の歌』。ハッと気づくと、もう終電間近。楽しい時間は過ぎるのが速い…。

お客様が帰られた後、高森シェフご夫妻とカバで乾杯!¡Qué feliz!でしたね。
http://60211177.at.webry.info/201103/article_4.html
皆様、またお目にかかりましょう060.gif

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~Concierto en Dos Gatos~

2011年3月4日(金)午後7時
Soprano 谷めぐみ
Guitarra 篠原正志

Programa
カタルーニャ民謡/Canción popular catalana
聖母の御子/El Noi de la Mare
F.ガルシア・ロルカ採譜によるスペイン古謡/
            Canciones antiguas recogidas por F. García Lorca
18世紀のセビリャーナス/Sevillanas del siglo XVIII
セビーリャの子守歌/Nana de Sevilla
ラ・タララ/La Tarara
セファルディーの歌/Canciones sefardies
バラが花開く/La rosa enflorece
プンチャ・プンチャ/Puncha, puncha       
さようなら、恋人よ/Adio, querida
J.ロドリーゴ/J.Rodrigo
カナリア諸島の歌/Folias canarias
アンダルシア民謡/Canción popular andaluza
エル・ビート/El vito

¡Vamos a cenar!

S.イラディエール/S.Yradier
ラ・パロマ/La paloma
カタルーニャ民謡/Canción popular catalana
鳥の歌/El cant dels ocells

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~予告~
谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『わが心のアランフェス』
ピアノ:浦壁信二
2011年11月19日(土)午後2時開催
会場:Hakujuホール
詳細は、後日あらためてご案内させていただきます。お楽しみに!
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by Megumi_Tani | 2011-03-05 22:51 | 講座/セミナー | Comments(0)

驚きの歌声   

たまたまテレビをつけていたら、歌謡曲番組に安藤まり子さんという歌手が登場した。初めて見る方だ。上品にドレスアップしてお若く見えるが、御年82歳とのこと(番組後に検索してみると、昭和4年2月2日生まれの道産子)。昭和24年のヒット曲「花の素顔」を歌う、という司会者の紹介に、年齢相応の声を予想したが……。
驚いた。いわゆるオバアサン声ではない。支えのきいた発声、安定した音程。深い情感をこめてきっちり歌いあげている。これで82歳!本当に驚いた。

誰だって歳をとる。歳をとれば体が変わる、つまり、喉も変わる。持って生まれた喉の強さ・弱さもある。勉強の積み重ね、人知れぬトレーニング、周囲との出会い、そして、ちょっぴりの運、不運もあるだろう。「体が楽器」の歌というもの。その在り様が、歌い手の人生そのものかもしれない。
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by Megumi_Tani | 2011-03-02 09:03 | エトセトラ | Comments(2)