<   2012年 11月 ( 7 )   > この月の画像一覧   

拍手の力   

フィギュアスケートのグランプリシリーズ第6戦NHK杯をテレビ観戦。浅田選手、鈴木選手、羽生選手、高橋選手…日本選手の実力は本当にスゴイ。凄さの次元が違う感じだ。自らのすべてを大観衆の前に晒す、というのは、大変なことだ。しかも、この頃の選手は、それを笑顔でやってのける。偉いなぁ…。ジャンプやスピン、美しいポーズが決まると、会場から大拍手が湧きあがる。選手は乗りに乗って、広いリンクを我がフィールドに変えてしまう。

スペインの選手が出ていた。ハビエル・フェルナンデス。曲は「チャップリン・メドレー」
偶然だが、今読んでいるパブロ・カザルスに関する本のなかで、カザルスがチャップリンのことを「かぎりなく称賛する」と述べている文章に出合った。知人を介して、ハリウッドでチャップリン本人に紹介される機会があったらしい。彼はちょうど撮影中で、あの有名なだぶだぶズボンに山高帽とステッキ、といういでたちだったそうな。カザルスとチャップリン。思いがけない組み合わせのような、どこか、なるほど、と、合点がいくような…。

さて、ハビエル君、映画のチャップリンを彷彿とさせる振り付けで愛嬌たっぷりに演じていたが、ジャンプで何度か転倒。しかし、立ち上がるたびに会場から温かい拍手が起きた。こちらは、励ましの拍手。観客も一緒にハラハラ・ドキドキ。着地をうまく決めようものなら、またまた拍手大喝采。「よし!いいぞ!頑張れ!」会場中が拍手でエールとパワーを送る。こういう時の拍手は、ホンと、涙が出るほどありがたいんだよなぁ。

チャップリン・メドレーの最後は「エターナリー」でした。この曲、美しい日本語の歌詞が付けられています。
[PR]

by Megumi_Tani | 2012-11-25 08:27 | エトセトラ | Comments(0)

木枯らし一号   

昨日東京に木枯らし一号が吹きました。昨年より23日も遅いとのこと。ということは、昨年は、10月末にもう吹いていたということ…。

でも、ちょうど一年前の今日11月19日、あの日は異様に生温かかった。前夜からの暴風と大雨でお昼頃にはもう傘がまったく役に立たない状態。リハーサルを終えてホワイエに出ると、Hakujuホールの大きなガラス窓に横なぐりの雨が打ち付けていました。お客様、来られるのかなぁ。。。一向に回復の兆しが見えない空をボンヤリ眺めた記憶があります。それでも皆さん、アメニモマケズ、カゼニモマケズ、駆けつけてくださいました。本当にありがとうございました。

月日が過ぎるのは早い、と、よく言いますが、私のこの一年の実感はあまり早くありません。何だかてんこ盛りの一年でした。そして、来年のリサイタルの準備が始まっています。

                 わが心のスペイン escena.22
                 谷めぐみソプラノリサイタル
                    愛しのバルセロナ
                  ~Barcelona querida~

              F.モンポウ生誕120年 P.カザルス没後40年
               ヴィクトリア・デ・ロス・アンへレス生誕90年
            Piano:浦壁信二   合唱:コール・シャンティー
               2013年6月1日(土)午後2時開演
                    会場:Hakujuホール

スペイン第二の都市、地中海に開けた豊かな街バルセロナ。奇しくも2013年は、このバルセロナゆかりの世界的音楽家三人の記念の年です。かぎりなく懐かしい街に思いを馳せ、カタルーニャの有名な、そして隠れた名曲をずらりと並べたプログラムを組みました。カタルーニャ民謡「鳥の歌」は、初のカザルス編曲版、合唱との共演です。2012年12月26日チケット発売開始予定。 折々、またこのブログでご紹介いたします。ぜひ皆様お出かけくださいませ。春の嵐にならないことを祈りつつ…。
[PR]

by Megumi_Tani | 2012-11-19 07:53 | リサイタル | Comments(0)

美味しいコンサート♪2012   

11日午後3時、お約束通り?ぽつぽつと雨粒が落ちてきた。昨日は抜けるような秋の青空、たぶん明日も晴れ。今日に限って、よくもまぁご丁寧に降ってくれるなぁ…。

しかしそんなお天気はものともせず、お客様が次々とご来店。午後5時、満席でコンサート開始です。セファルディーの歌はルネッサンスギターの伴奏。装飾が美しい複弦楽器に、皆さん興味津々。独特のひなびた音色と西垣林太郎さんのアレンジで、「さようなら、恋人よ」はこれまでで一番切々とした演奏になったかも…。ドスガトスの天井は一部が吹き抜けになっていて、ピアニシモの音もよく響きます。ガラリと雰囲気が変わってジェラルドの歌曲。こちらはモダンクラシカルギターの伴奏。「インディオの娘」はテンポ良い民謡調の作品。「死と乙女」は細かいこぶし回しの連発で、何となく江差追分を歌っている?気分。でも、さすがシェーンベルクの弟子、ジェラルドならではの不思議な音階に緊張感が漂う。「留守」は恋のショートストーリーといったところ。Olé!Olé!で、陽気にミニコンサート終了です。

コンサートの後は、ドスガトス自慢のお料理!前菜のあと、大きなパエリヤ鍋を高森シェフ自ら客席を回ってご披露。大きな海老がプリプリでした。メインディッシュは、この日のために北海道から取り寄せたというエゾ鹿。今シーズン初ものだそうです。柔らかくて美味!赤ワインと絶妙の相性!デザートはクアハーダ、クレマ・カタラナ、チョコレートケーキ、チーズケーキ、マンゴーシャーベット、果物等々の盛り合わせ。濃いエスプレッソをいただいたところで、アンコール演奏。西垣さんのソロに続いて「クラベリートス」そして、カタルーニャ民謡「鳥の歌」でお開きになりました。

お客様とのダイレクトな心の交流がミニコンサートの醍醐味です。いつも必ず駆けつけてくださる方、初めて歌を聴いてくださった方、遠方から新幹線で来てくださった方、懐かしく頼もしい応援団…。この日もまた一期一会の素敵な夜でした。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。  当日の様子はこちら ⇒ ドスガトスのブログ
e0172134_7391999.jpg

「あらためて伺いますけど、ドスガトスって、どういう意味ですか?」数名の方からお尋ねをいただきました。スペイン語で、ドスは「2」ガトスは「猫」の複数形。つまりドスガトスは「2匹の猫」です。そういえば、お店の中に猫グッズがあふれていませんでしたか…!
e0172134_7393783.jpg

お土産にいただいたカードのトラ模様、よく見れば、「素敵な音楽ありがとう!」高森シェフからのメッセージでした。こちらこそ、Muchas gracias!
[PR]

by Megumi_Tani | 2012-11-13 07:39 | 講座/セミナー | Comments(0)

一年八か月めの11日   

今夜、吉祥寺ドスガトスでの『美味しいコンサート』本番♪

このコンサート、今回が二回目の開催。第1回目は昨年の3月4日、東日本大震災のちょうど一週間前だった。スペインの歌とお料理で楽しく過ごした早春の一夜。その一週間後にあの大震災が起きることなど、誰が想像できただろう。

3月11日、帰宅難民となった私は、慣れない土地でバスを何本も乗り継ぎ、最後は徒歩でやっと帰り着いた。とりあえず夜に食べるものを買おう、と、近くのコンビニに寄ると、食料品の棚が空っぽだ。何か異様な気配を感じて家に入り、テレビをつけて、初めて東北の惨事を知った。呆然とテレビの画面を見つめながら、もしも、今日がコンサート当日なら、どう対処すればよかったのだろう…?と、考えずにいられなかった。

明日があるつもりで予定を立てる、そして、その予定通りに明日がくる。その重みを強く強く感じるようになった。生きているとは、何と危ういことなのだろう。その危うさのなかで、人は何かを信じ、何かを求め、懸命に生きる。危ういから、そして懸命だから、ささやかな心の触れ合いが愛おしい。大切に生きたい、と感じさせてくれる。

大震災から一年八か月。あらためて心から鎮魂の祈りを捧げます。
今宵再び≪スペイン≫で皆様と集えることに感謝を捧げます。
[PR]

by Megumi_Tani | 2012-11-11 07:16 | 思い&想い | Comments(0)

R.ジェラルドの歌曲   

11日『美味しいコンサート』では、セファルディーの歌に加えて、ロベルト・ジェラルドの歌曲を演奏する。Gerhardと綴ってジェラルド。カタルーニャ語読みだ。生まれも育ちもカタルーニャの彼は、ピアノをグラナドスに、作曲をF.ぺドレルに学び、のちにウィーンで、ただ一人のスペイン人の弟子として、シェーンベルクに師事した。バルセロナに帰って活躍したものの、内戦中にイギリスへ逃れ、1970年にかの地で没した。フランコ時代、スペインではジェラルド作品の演奏はご法度だった。近年、国際的再評価が進み、ファリャ以後の世代で最もすぐれたスペイン人作曲家の一人とされている。

今回演奏する歌曲は3曲。スペイン民謡を感じさせつつも、音が洒落ている。秘かに和音を変化させたり、リズムにバリエーションを付けたり、と、見えない(聴こえない?)部分の細工が繊細だ。「死と乙女」の音列は、さすがシェーンベルクの弟子!?と感じさせる独特の世界。いわゆる「スペイン色」を超えた魅力を感じさせる。こちらは、モダンクラシカルギターでの伴奏。今回のコンサート、セファルディーのルネッサンスギターとジェラルドのモダンクラシカルギター、2台のギターの聴き較べも楽しみ。

それにしても、といういか、やはり、と言うべきか、11日の夜は降りますね、雨が…。
ご来聴の皆様、どうぞ足もとに気をつけてお出かけください。

●本日のオマケ
西垣さんが発見してくれました。私、ぶっ飛びました005.gif
クリックしてみてください↓
https://www.youtube.com/watch?v=0HgfAQ_13l8
[PR]

by Megumi_Tani | 2012-11-09 08:15 | スペイン歌曲 | Comments(0)

セファルディーの歌 con ルネッサンスギター   

哀感ただようセファルディーの歌、大好きだ。晩秋のこの季節によく似合う気がする。でも、五月にバラが花開く~なんて歌詞もあるから、季節は関係ない。15世紀にスペインから追放されたユダヤ人が歌い継いで来た曲、という歴史を知れば、そのえもいわれぬ情感の由縁が分かる。何よりの特徴は独特の音階、音運び。中近東のような、イタリア古典のような…。どの曲もごく短い小品なのに、一度聴いたらずっと心の奥に絡みつく妖しい魅力がある。

ピアノ伴奏、ギター伴奏、古楽器のフルート&ギターの伴奏、と、様々なアレンジで歌ってきた。同じ旋律でも、それぞれの編曲でまるで異なる世界が広がる。今回の『美味しいコンサート』では、西垣林太郎さんのルネッサンスギターで歌う。美しい楽器だ。ギターより小ぶりで、ネックに装飾がある。音は素朴で深い。優しくも切ないセファルディーの歌になりそうだ。

前回彼とご一緒したのは2008年のリサイタル。あれからもう4年が過ぎた。同じ曲を合わせても、ずい分雰囲気が違う。“音楽は生きもの”と、あらためて実感。「良い本は、何度読んでも、読むたびに新たな感動がある」と言うけれど、演奏も同じ。スルメのように噛めば噛むほど?ワインのように熟成すれば熟成するほど?予想もしない味わいが生まれてくる。

ドスガトスの空間にぴったり!11日ご来聴の皆様、どうぞお楽しみに。
[PR]

by Megumi_Tani | 2012-11-04 07:24 | スペイン歌曲 | Comments(0)

≪魅惑のスペイン≫   

今日から霜月、11月。11日の『美味しいコンサート en Dos Gatos』に向けて、久しぶりにCD≪谷めぐみが歌う 魅惑のスペイン≫を引っ張り出してきた。
http://www.e-yakushiyo.net/Tani_Megumi_CD_2008.htm
自分のCDを聴く、ということは、ほとんどない。今さらどうしようもないと分かっていても、聴けば、ついボロにばかり耳が行く。先日ラジオで布施明氏が、新しくリリースした生ピアノ、生オーケストラ伴奏のCDのことを話されていた。初めての本番一発録りだったそうで、とても緊張したとのこと。番組の中でそのCDがかかっている間も「あ、ここの音程がまずい」「あ、ここがちょっと…」と、ご自分のボロが気になる様子。「大丈夫ですよ。僕らにはまるで分かりませんから」アナウンサーが慰めても?ご本人にとっては、そういう問題じゃないのだ。分かるなぁ…。僭越ながら、ご心境お察し申し上げます。あの大大大ベテランにして、こうである。一発録り、ましてや「ライブCD」とは、完成してもなお、恐ろしいものなのだ。

さて、このCD、あらためて眺めてみると、中身が極めて珍しい。まず、1998年/TOKYOFMホールと2008年/Hakujuホール、この時も場所もまったく異なる二つのリサイタルが溶け合い、CDの中でひとつのリサイタルに変身している。こんな斬新?いえ、無謀な企画は、通常ありえない。(誰が考えたの?)収録曲は、といえば、古楽器のギターとフルート伴奏によるセファルディーの歌をはじめ、日本ではほとんど誰も歌わないモンポウ、ファリャ、アルバレスの歌曲、かと思えば、トゥーナのカーネーションあり、これぞギター!のジェラルドあり、トローバあり…etc。伴奏者計五名、全26曲がぎっしり詰まっている。
e0172134_7415151.jpg

古楽器伴奏のセファルディーは貴重な記録。
哀と愛…のスペインが凝縮した、かなりユニークなCDです。
[PR]

by Megumi_Tani | 2012-11-01 07:42 | スペイン歌曲 | Comments(0)