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ハバネラ大好き!   

前回19世紀スペインの音楽のなかでハバネラをご紹介した。それにしても、マリア・カラスのカルメン『恋は野の鳥』は凄かった。その前の『El arreglito』が元歌なのに、歌っている可愛らしいソプラノさんの存在が完全に吹っ飛ばされている。

あまりにも有名なこの曲。世界の名だたるメゾ・ソプラノが名演を残している。その一人、今も美しくお元気なテレサ・ベルガンサのカルメン。ドン・ホセはドミンゴ。


ハバネラといえば忘れられないのが 『La paloma』


この『ラ・パロマ』、音楽講座では私のライブ録音を聴いていただいた。大好きな大好きな曲だ。リサイタルやコンサートで最も多く歌っている曲かもしれない。ハバネラのリズムに、えもいわれぬ懐かしさ、郷愁を感じる。

ハバネラは、18世紀~19世紀頃、海を越えてキューバへ渡ったカタルーニャ人たちが持ち帰ったリズムだ。後に、このハバネラが転じて、同じ二拍子のタンゴが生まれた。なるほど、私がハバネラやタンゴが大好きな理由はそこにあったか、と、勝手に納得した次第。

カタルーニャのハバネラの代表曲「El meu avi~私のおじいさん」

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by Megumi_Tani | 2014-01-31 02:16 | スペイン歌曲 | Comments(0)

¡Viva スペイン! そして…   

音楽講座『Las Músicas de España~スペインの音楽』第5回目が終了しました。今回のテーマは19世紀の音楽。ナポレオン侵攻からスペイン独立戦争、そして世紀末に勃発した米西戦争まで、まさに動乱の時代です。

前世紀に一時代を築いたサルスエラやトナディーリャはすっかり忘れ去られていました。しかしそこは歌好きの国スペイン。ギターあるいはピアノ伴奏付の歌曲、民謡調の歌などは作られていました。ギターの佳曲「月光」で有名なフェルナンド・ソルは、ギター曲以外にもオペラ、ギター伴奏の声楽曲を残しています。音楽の才能とともに、そのイケメンぶりでパリの文化サロンの人気者だったとか。スペイン最強の楽器ギターについては、第9回にまとめて講義があります。

私が大好きな『ラ・パロマ』の作曲者セバスティアン・イラディエールが活躍したのも、この時代です。彼の作品『エル・アレグリート』が、あのビゼー『カルメン』のハバネラに化けた?ことは、よく知られています。ここで、ちょっと聴き比べ。

『エル・アレグリート』


『カルメンよりハバネラ』


本当にそっくり…(^^;; それにしても、マリア・カラスの歌唱は凄まじい迫力です。世界一のカルメン、と言われながら、実際にオペラで演じることは一度もないまま逝ってしまいました。

ヴァイオリンの分野に颯爽と登場したのが、パブロ・デ・サラサーテです。父親に英才教育を施された彼は、わずか十歳で御前演奏を果たし、パリ音楽院を経て、演奏活動を開始。ヨーロッパ各地はもちろん、南北アメリカ大陸、中近東、南アフリカなど多くの国で人々を魅了しました。甘いマスク、華麗なテクニック、流麗な音色…その魅力は悪魔的だったとか。ブラームス、チャイコフスキーに影響を与え、サン・サーンス、ラロ、ブルッフらが彼に作品を献呈しています。

『ツィゴイネルウィゼン』サラサーテ本人の演奏です。録音が残っていたなんてビックリ!


同じ曲をイツァーク・パールマンで。圧巻!


ここへ来て、やっとサルスエラが動き出します。スペイン独自の音楽やダンスとともに展開する庶民的なストーリー。明るく、親しみやすく、時に風刺をきかせたユーモアたっぷりの舞台が大人気となりました。仕事帰りにちょいとサルスエラでも!マドリ―には劇場が建設され、サルスエラは、都市で暮らす人々の最大の娯楽として定着したのでした。

『お手伝いさんのタンゴ』~チュエカ『大通り』より


『奥様』も歌います。


『ラ・ドローレス』ドミンゴお見事!


時代の寵児を生み、独自の文化の華を咲かせたスペイン。多くの外国人音楽家がスペインに魅せられ、ビゼー『カルメン』、シャブリエ『狂詩曲スペイン』、リムスキー・コルサコフ『スペイン交響曲』など、スペイン趣味の楽曲が作られました。魅惑の国スペイン、憧れの国スペイン…!!
しかし一方で、スペインその国の音楽家たちは、ある種強烈な“スペイン趣味”を脱すべく、あるいは、より昇華すべく、模索を始めます。偉大な音楽学者フェリーぺ・ぺドレル、そして彼の教えを受けたアルベニス、グラナドス、ファリャへ…。時代は移ります。
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第5回教養講座『Las Músicas de España』(スペインの音楽)
今からでも受講可能です。これまでの講座の様子は、こちら。
『第1回』 『第2回』 『第3回』 『第4回』

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by Megumi_Tani | 2014-01-21 23:36 | スペイン歌曲 | Comments(0)

鐘は「語る」   

昨日1月15日はビクトリア・デ・ロス・アンへレスの命日だった。天に召されて早や九年。訃報が伝えられた時、Mikikoさんは追悼の記帳に駆けつけ、「メグミさんの名前も記してきたからね」と、連絡をくれた。バルセロナがいつも心に在るように、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスもまた、いつも私の心に在る。

年月を経るほどに、彼女の歌の素晴らしさを、より強く感じるようになった。ひとつの歌を俯瞰してみても、細部に耳を澄ませてみても、実にうまい(なんて言い方は、とっても生意気、失礼だけれど…)。すべての音が、歌詞のひと言ひと言が「語って」いる。妙味、とでもいうのだろうか。

それにつけても思い出されるのは、日本で開かれた彼女のマスタークラスでの出来事だ。ひとりの受講生が、ドリーブの『鐘の歌』を歌った。

『鐘の歌』マリア・カラス


見事に歌い終わった。どうだ!と満面の笑み。会場からも思わず拍手が沸いた。ところが、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスはニコリともしない。そして受講生に尋ねた。「あなたは、この冒頭の音が何を表現しているのか、分かっていますか?」「はい。鐘の音です」「その通り。では、もう一度歌ってください」受講生が歌うと、ロス・アンへレスはまた途中で演奏を止めた。「あなたは、その鐘の音が何を表しているのか、分かっていますか?」「はい。もちろんです」「そうですか。では、もう一度歌ってください」また彼女が歌い始めた。冒頭の部分を過ぎたところで、ロス・アンへレスは再び演奏を止めた。「あなたは鐘の音を理解していない。すべての鐘の音には、ひとつひとつに意味があるのです。いつもどんな音にも意味があるのです。歌い手は決して機械のように歌ってはいけません」「それはよく分かっています」強気で言い返す受講生。表情が険しくなっている。上手に歌ったつもりが予想外の指摘を受け、怒っているのだ。二人の間で通訳を務める私は内心ハラハラ…。「そうですか。分かっているのなら、もう一度歌ってください」明らかにムッとして受講生が歌い出した。ロス・アンへレスはあの黒い大きな目でジッと彼女を見つめながら聴いていたが、まもなく演奏を止めた。そして言ったのだ「あなたは私の言うことを理解していない。理解しようともしていない。あなたのレッスンはこれで終わりです。ステージから降りてください」シーンと静まり返る会場。厳しい言葉を通訳する私を睨みつけて、去りゆく受講生…。

「すべての音には意味がある」この教えは深い。音そのものの意味、存在を感じ、その音に載せられた歌詞のひと言ひと言を感じ、歌い手は歌を語る。その語り口に、歌い手そのものが滲み出る。ビクトリア・デ・ロス・アンへレスの語り口が、私は大好きなのだ。

フォーレ『レクイエム』より ピエ・イエズ


『Brava! Victoria』TV2版 ~クリックしてご覧ください~
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by Megumi_Tani | 2014-01-16 22:48 | スペイン歌曲 | Comments(0)

ゆ・き・げ・し・き   

寒の入りを過ぎて、東京もグッと冷え込んできました。アメリカから大寒波襲来のニュースが届いています。「髭が凍っちゃたよ。アハハ!」と笑うおじさんの映像が何度もニュースに流れていましたが、あれで、家の暖房の熱源、電気orガスが切れたら死んじゃうなぁ…と、本気で心配になります。

北海道も大雪に見舞われています。年を越し、初詣に出かけたときはスッキリと晴れた夜空が広がっていたのに、元旦の昼間は猛吹雪。天気予報を確かめはするものの、まぁ率直なところ、朝起きて窓を開けてみるまで、その日のお天気は分かりません。

そんなお正月の雪景色です。
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吹雪くと…
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スーパーの前に、除雪トラック出動
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こちらもブルドーザー&トラック
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雪かき
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それでも、子どもは風の子!
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北海道の雪はこれからが本番です。何もできないけれど、ハラハラする日が続きます。

蛇足ですが、私は、例の「お・も・て・な・し」が好きではありません。普通、あんな場面で合掌などしない。まるで、海外で意味不明な料理が出てくる日本料理屋に遭遇した時のような、イヤ~な気分…。ところが、この五つの音に間を挟んだ表現-〇・〇・〇・〇・〇-は、意外に表現力があり、ある種の微妙なニュアンスを伝えやすいことを発見。お・ど・ろ・き・ま・し・た。アッ!これは七音でした(^^;;  というわけで、本日のお題『ゆ・き・げ・し・き』です。
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by Megumi_Tani | 2014-01-10 23:52 | 故郷 | Comments(0)

モンジュイック<祝!2014>   

新年7日。皆様、いかがお過ごしでしょうか?
昨年Facebookを始めたおかげで、バルセロナをはじめ、スペイン各地の情報をリアルタイムでキャッチできるようになりました。今年もこのブログで、折々、ご紹介してまいります。

モンジュイックの丘は、バルセロナのなかでも私が大好きな場所のひとつです。
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スペイン広場で地下鉄を降りて坂を上って行くと(エスカレーターあり)、まず、誇り高くそびえる四本のカタルーニャの柱が迫ってきます。巨大、まさに巨大…。(小さく写っている人とのサイズ比較をお忘れなく)
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四本の柱を過ぎ、更に上って行くと、丘の上に、貴重なロマネスク絵画を所蔵するカタルーニャ美術館があります。留学時代、毎週日曜日の午前中は、ここでじっくり絵を見て、帰りにアイスクリームを食べながら帰るのが習慣でした。
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そのモンジュイックの丘で、2014年を迎える大々的なイベントが開かれたそうです。
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市民はもちろん、外国人観光客も押し寄せ、なんと7万人の人出!


この一夜のために、丘を巨大テーマパークにしてしまう…。
やっぱりバルセロナは、すごい!
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by Megumi_Tani | 2014-01-07 22:47 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

頌 春   

あけましておめでとうございます。

冬の嵐のなかで新年を迎えました。朝方には雷が鳴り、ビュービュー吹きつける風とともに、横なぐりの雪が降り続いています。
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NHK「ゆく年くる年」が終わった頃は、雪も風もなく、穏やかな年越しでした。北国の冬のお天気は予想がつきません。でも、ありがたいことに、家の中はポッカポカ。窓の外の吹雪を眺めながらアイスクリームを食べる、という贅沢…。

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何十年ぶり?地元の神社に初詣に出かけました。
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2014年が明るく穏やかな年でありますように。
本年もよろしくお願い申し上げます。
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by Megumi_Tani | 2014-01-01 15:44 | 故郷 | Comments(0)