<   2014年 10月 ( 7 )   > この月の画像一覧   

今日は栗の日?カボチャの日?   

世間は、ハロウィン一色。仮装した若者や子どもが街の中にあふれている。ここ数年で、すっかり日本にも定着した?感じだ。ハロウィンといえばカボチャだが、カタルーニャでは今日は栗の日(castanyada)。収穫の秋に感謝して、焼き栗や焼き芋を頬ばる。

10月の締めは、友人Kちゃんと吉祥寺ドス・ガトスのランチに出かけた。美味しい料理に舌鼓をうち、お喋りには高森シェフも参戦!何とも楽しい午後だった。リサイタルの人気曲として、すっかり定着した「お手伝いさんのタンゴ」。演奏に欠かせない、あのエプロンは、Kちゃんがプレゼントしてくれたものだ。
e0172134_2312185.jpg
photo:藤本史昭

帰宅すると、郵便受けに、友人からの嬉しい旅のお土産が入っていた。留守中にわざわざ届けてくれたのだ。そして、家に入ると、待っていたように電話が鳴った。受話器を取ると「メグミさ~ん!」なんと!バルセロナのMikikoさんからだ。あれやこれやと、ひとしきりお喋りに花が咲いた。
『人生の芸術家』 

リサイタル『スペイン浪漫』で始まった10月。いろんな人に支えられ、励まされ、暮れていきます。
明日からも元気で、頑張ろうっと!

●本日のドス・ガトスランチ
前菜盛り合わせ
e0172134_23161828.jpg

カボチャのポタージュ
e0172134_23163950.jpg

フィデワ~パスタのパエリャ。カタルーニャの料理です。
e0172134_2316595.jpg

デザート盛り合わせ もちろん、濃いコーヒーと一緒!
e0172134_23172221.jpg

[PR]

by Megumi_Tani | 2014-10-31 23:20 | エトセトラ | Comments(0)

『アルゲリッチ、私こそ、音楽!』   

やっと時間が空いたので、大急ぎで渋谷に出かけた。目指すは、9月の封切り以来ずっと気になっていた映画 『アルゲリッチ、私こそ、音楽!』。世界的名ピアニスト、マルタ・アルゲリッチのドキュメンタリー・フィルムだ。マルタの三女、ステファニー・アルゲリッチが監督を務めたことでも話題になっている。
e0172134_22595455.jpg

真摯に激する魂、奔放な生命力、豊かな母性、あどけない幼女の心、柔和な微笑み、虚ろなまなざし、壮絶な孤独、その存在のすべてを昇華する音楽…。マルタ・アルゲリッチ、その人のむきだしの姿を、監督は、実娘ゆえの、天才芸術家に翻弄されてきた人ゆえの、女同士ゆえの複雑な視線を絡ませながら、淡々と映しだしてゆく。

邦題『アルゲリッチ、私こそ、音楽!』は、びっくりの意訳だ。原題は『Bloody daughter』。映画のなかで、この言葉の出所が分かる。Bloody daughter の名のもとにカメラを回し続ける娘ステファニーと、それに赤裸々に応える母親マルタ。 この映画を成立させたのは、ほかの誰でもない、女神マルタ・アルゲリッチその人であることが痛いほど分かる。

ずっしり重い赤ワインのような映画です。渋谷ル・シネマにて。11月7日まで。

[PR]

by Megumi_Tani | 2014-10-27 23:17 | Musica あれこれ | Comments(0)

『スペイン浪漫』エピローグ   

「実は、スペイン旅行の嫌な思い出があって、スペインという国がずっと嫌いだったのです。でも、貴女のリサイタルに伺って印象が変わりました。本当は素敵な国なのですね。ぜひもう一度行ってみたいと思います」こんなご感想をいただくと、とても嬉しい。
e0172134_229122.jpg

Recital写真、撮影:藤本史昭

リサイタルの客席には、いろいろなお客様がいらっしゃる。クラシックの専門家の先生、声楽家の方、音楽大学の学生さん、スペイン歌曲修行中の若い生徒さん、スペイン大好き・超スペイン通の方、スペインはよく知らないけれど音楽好きな方、普段クラシックとはあまりご縁のない方、「毎年の楽しみです」と必ずご来聴くださる方、何だかよく分からないけど友達に誘われて来たという方、偶然の出会いがきっかけでお出かけくださった方 不思議な出会い、二十年を越える年月を聴き続けてくださっている方、今回が初めての方…。スペインの歌には、そんな多士済々のお客様すべての心に通じる『何か』があると信じている。

スペイン語、つまり外国語で歌うのだから、大半のお客様にとってはチンプンカンプン。寿限無寿限無と同じだ。少しでも歌詞の心をお伝えするべく、私本人が訳した歌詞大意をお渡しし、演奏の合間に解説&お喋りを挟み込む。台本なんて無い。お客様とのライブ感。これがまた楽しい。
e0172134_23848100.jpg

今回は、舞台袖で突然ひらめき!ピアノの浦壁信二さんにもお話してもらった。彼のお人柄がにじみ出て、またまたファン増加中。
e0172134_2495167.jpg

残念ながら、スペイン歌曲が世に広く知られているとは言い難い。私のリサイタルで初めて聴いた、という方も多い。「初めて」の責任は重い。初めて旅したスペインで不愉快な出来事があれば、スペインが嫌いになる。初めて食べたスペインのワインや料理が不味ければ、「スペインの食べ物ってイマイチよね」ということになる。だから歌い手の私は、初めてのお客様に「あら!スペインにはこんな素敵な歌があるのね」と感じていただける演奏がしたい。これをきっかけに、スペインを、スペインの歌を、好きになっていただけたらいいな、と、思う。クラシックも悪くはないな、と、感じていただけたらいいな、と、思う。そしてまた同時に、クラシックの専門家、スペイン歌曲をよくご存知の方、私の歌を長く聴き続けてくださっている方に、十二分に満足していただける演奏をお届けしたい。極上のスペイン、極上の歌…。すべてを成立させることは、なかなか難しい。でも、スペインの歌には、それを可能にする『何か』があると信じている。熟成したワインとシェフが腕を振るった料理で誰もが幸せになるように、お客様お一人お一人が、スペインの響きとリズムに酔い、心を自由に遊ばせ、かけがえのないひとときを楽しんでくださることを願う。

一期一会。今年も素敵な時間を皆様とご一緒させていただきました。
2014年リサイタル『スペイン浪漫』 ありがとうございました。
[PR]

by Megumi_Tani | 2014-10-23 02:59 | リサイタル | Comments(0)

ありがとう!ドミンゴ 再び   

忘れられない映像に遭遇しました。2011年4月10日、ドミンゴが歌う《ふるさと》です。

東日本大震災、福島の原発事故を受けて、日本公演を予定していた外国人演奏家が次々と来日を取りやめた。あの演奏会もキャンセル、この演奏会もキャンセル、あの人も来ない、この人も来ない、あの有名な〇〇さんは慌てて日本を脱出したらしい…。連日流れるニュースは寂しいものだった。そんななか、ドミンゴはやって来た。予定通り。なんの変更もない。そしてアンコールの《ふるさと》で、日本に温かいエールを送ってくれた。  『ありがとう!ドミンゴ』

「歌」が存在する意味、歌うこと、歌い手であること、なぜ歌うのか…。音楽の無力さに打ちのめされていた私は、ほら、と、ドミンゴに背中を押されたような気がした。歌おう、歌わなければ…。
急に力が湧き、秋に、予定通り、リサイタルを開くことを決めた。プログラムはすべて組み換えた。歌で、愛するスペインの歌で、鎮魂の祈りを捧げたい。そして、コンサート半ばには、ホールいっぱいのお客様と一緒に《ふるさと》を歌った。  『Recitalあれこれ《ふるさと》』

歌い手としての人生のなかで、忘れられない曲、忘れられない場面がある。その一瞬の記憶が、歌うこと、歌い続けることを支えてくれる。
e0172134_1304536.jpg

[PR]

by Megumi_Tani | 2014-10-21 01:36 | Musica あれこれ | Comments(0)

「わが子を抱く母たちの祈り」   

夕方、最寄りの駅ビル。各ショップも通路も人で溢れかえっている。本屋さんで何となく雑誌を眺めていると、どこか遠くから声が聞こえてきた。「おかぁさ~ん!」さして気にも留めず、新書コーナーに移動して平台を眺めていた。すると、また聞こえてきた。「おかぁさ~ん!」あれ、さっきと同じ声だ…。と思ったところで、また聞こえた。「おかぁさ~ん!」気になって通路の方に出てみると、向こうのエスカレーターの横に小さな男の子が立っている。「おかぁさ~ん!」子どもの声はよく通る。通路いっぱいに響きわたる「おかぁさ~ん!」に、皆、一斉に振り向いた。男の子の周りには沢山の人がいるのに、ただジーッと見つめて立っている人、横目でチラッと眺めてエスカレーターを降りて行く人…。誰も助けない。男の子は手でグッと涙をぬぐって、もう一度叫んだ「おかぁさ~ん!」もう黙ってはいられない。私は混み合う通路を突っ切って、男の子に駆け寄った。「ボク、おかぁさんがいなくなっちゃったの?」「うん」利発そうな子だ。頬の涙をぬぐいながら、健気に唇をかみしめている。「大丈夫!ボクのおかぁさんを探してくれるお姉さんのところに行こう!おばちゃんが連れて行ってあげる」「そのお姉さんが、ボクのおかぁさんを見つけてくれるの?」「そう。お姉さんがマイクでおかぁさんを呼んでくれるから、ね」ウン、と素直に頷いて、男の子は一緒に歩き出した。「ボク、いくつ?」「6歳」ハキハキと答える。1階のインフォメーションで案内嬢に事情を伝えた。「じゃぁ、おばちゃんは行くから、お姉さんにお名前をちゃあんと言ってね」ウン、と、また素直に頷く。案内嬢の問いかけに答える男の子の声を背に、その場を離れた。ほどなく館内放送が流れた。「6歳の〇〇君が迷子になっておられます。お母様は一階のインフォメーションにお越しください」気になって耳をそばだてていたが、放送は一回しか流れない。ということは、母親がすぐに現れたのだろうか…。本屋に戻り、ひとしきり本を眺め、そろそろ帰ろう、と、エスカレーターを降りたところで、チラッとあの男の子の姿が見えた。母親らしき女性としっかり手をつなぎ、目をクリクリさせている。あぁ!よかったね!ボク。

リサイタルでファリャの1914年の作品「わが子を抱く母たちの祈り」を歌った。プログラミングの段階では「お前の黒い瞳」という、その名もロマンティックな曲を選び、練習も伴奏合わせも進めていたのだが、その間に、どうしたことか、世界のあちらこちらからキナ臭いニュースが届くようになった。世界情勢がちょうど百年前、第一次世界大戦が起きた頃と似ている、とも言われ出した。今こそ、「わが子を抱く母たちの祈り」を歌う時ではないか…。そんな思いが日ごとに強くなり、浦壁さんにも相談し、ついにギリギリになって曲目を変更した。

「わが子を兵隊にしないでほしい」と、ただ切々と願う、母の歌だ。ずいぶん前にこの歌に出会った時、あぁこれはスペイン版「君死に給うことなかれ」だな、と、思った。わが子を思う母の心に、洋の東西も、時代の別もないことを、しみじみと感じさせられる。

伝記によると、ファリャ自身はこの作品をあまり気に入っていなかったらしい。しかし、作品誕生からちょうど百年を経た今、この曲は、時空を越え、ファリャ本人の思惑をも越え、熱く静かに存在の意味を放っている。マエストロ・ファリャ、ありがとうございます。  
ファリャについて ⇒ 「ファリャ再発見」
e0172134_0213645.jpg
                                                photo:藤本史昭
[PR]

by Megumi_Tani | 2014-10-16 00:22 | リサイタル | Comments(0)

ゴンドラに乗って♪   

毎回リサイタルでは、お客様にアンケートをお願いしています。終演後の慌ただしいなか、薄暗いホールのなかで、皆さん、一生懸命に書いて提出してくださいます。メールやブログへの書き込み、フェイスブック等で感想を寄せてくださる方もあります。心あふれるメッセージ。ひとつひとつを大切に読ませていただきます。

プログラム前半では、第一次世界大戦から百年後の今年に思いを馳せ、23回目のリサイタルにして初めて曲目を変更した、ファリャの「わが子を抱く母たちの祈り」に多くの方が◎をつけてくださいました。可愛いわが子を兵隊にとらないで…と願う母の心は、まさに万国共通のものであることを実感します。「アルハンブラからグラナダへの流れには思わず泣きました」のお声も!

後半は、「すみれの花売り娘」「嫉妬」サルスエラ二曲と芝居っ気たっぷりの曲が続き、私と浦壁さんも、お客様と一緒に大いに楽しませていただきました。中でも、「あんなつれない男を恋した自分に腹が立つ!」と怒る女の歌が大好評(笑)!にぎやかなサルスエラのあとは一転、アランフェス。「前奏から胸が締めつけられました」「あまりの美しさに心がとろけるようでした」等々、沢山のご感想をいただきました。あの曲は、歌っている私も舞台にいることを忘れて、音にすっぽりと包まれてしまいます。そして、粋なオブラドルスの世界。「いちばん細い髪の毛で」がピアノの繊細さとともに大好評でした。「エル・ビート」は、これぞスペイン!¡Viva España!Sin palabras! 問答無用!(笑)

「谷さんと一緒に大きなゴンドラに乗ってスペイン旅行をしたようでした」と、イラスト入りで書いてくださった方がいました。そう!お客様も、私ども演奏者も、支えてくれたスタッフの人達も、みんなで一緒にスペインを旅した、夢の時間でしたね。
e0172134_1147935.jpg

[PR]

by Megumi_Tani | 2014-10-11 23:57 | リサイタル | Comments(0)

終演御礼   

第23回リサイタル『スペイン浪漫』台風一歩手前の晴天に恵まれ、会場いっぱいのお客様をお迎えし、大盛況のうちに終了いたしました。ご来聴くださった皆様、各方面から温かいエールをお送りくださった皆様、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
e0172134_0424491.jpg

e0172134_0435512.jpg

e0172134_045434.jpg

e0172134_04706.jpg

[PR]

by Megumi_Tani | 2014-10-05 00:48 | リサイタル | Comments(2)