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締めは、アルゲリッチで♪   

日西翻訳通訳研究塾・教養講座『スペインの民主化を振り返る』第4回の講義が終わった。フランコ時代の後期、表向きは誰も語らぬうちに、民主化への動きは着実に始まっていた。。歴史は、特にスペインの歴史は、下手なドラマよりよほどドラマティックな展開をみせる。

そんな時代のスペインを描いた映画をご紹介いただいた。フレッド・ズィンネマン監督・製作 『日曜日には鼠を殺せ』  ところがこの映画、英語の原題は『Behold a pale horse』という。あれ?鼠ではなく馬? そして、スペイン語のタイトルは『Y llegó el día de la venganza』⇒『そして復讐の日が来た』 なぜか、鼠も馬も出て来ない。

『日曜日には鼠を殺せ』
Y llegó el día de la venganza (Behold a pale horse) (1964)


ビックリのタイトル邦訳といえば、今年の話題作『アルゲリッチ、私こそ音楽!』も忘れられない。 【アルゲリッチの娘】 平野 啓一郎さん
こちらの原題は『Bloody daughter』。このタイトルにこそ、監督ステファニーの心、作品の核が秘められている。「私こそ、音楽!」とは、さて…???少なくとも、映画の中で彼女がそんなセリフを言い放つ場面はどこにもない。

先日たまたまラジオを聞いていたら、チェリストの遠藤真理さんが、今年、アルゲリッチと共演した時の話をしていた。『第16回 別府アルゲリッチ音楽祭』
共演したモーツァルトのピアノ四重奏曲第1番は、アルゲリッチにとって初めて弾く曲であったとのこと。リハーサル中、ずっと彼女は演奏に納得がいかず、何度も何度もやり直し、リハーサルを録音して皆にコメントを求め、ディスカッションを繰り返したという。そして誰よりも早く会場入りして、とにかく練習、練習、練習…。「あの天才アルゲリッチにして、あの練習量、あの姿勢…。本当に驚きました」と、遠藤さんが語っていた。

音楽に、どこまでも真摯に、どこまでも真剣に向き合う心。愛するものを、ただ純粋に愛する心。痛々しいほどに無垢で美しい。その痛々しさが、よりリアルに、そして、より愛おしく感じられるのは、きっとあの映画の影響だろう。

それにしても、練習、練習、練習…。天才アルゲリッチにしてこれだ。ましてや、我ら凡人の何をかいわんや。来年も、コツコツと、コツコツと大切に積み重ねて、大切なスペインの歌を、大切に心を込めてお届けしたいと思います。

2014年ありがとうございました。皆様、よい新年をお迎えください。
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by Megumi_Tani | 2014-12-29 00:23 | Musica あれこれ | Comments(0)

『望郷』   

「マッサン」ブームで、書店には関連本があふれている。内容が濃く読みごたえのあるものから、あらまぁ…と、ちょっぴり呆れてしまうものまで多種多様。その出版のされ方そのものが興味深い。

そんななか、偶然、森瑤子著『望郷』という作品を見つけた。初版は1988年。今のブームのはるか前に、竹鶴正孝とリタの物語が書かれていたとは知らなかった。森瑤子自身もご主人が英国人だったから、国際結婚というテーマは、心惹かれるものだったのかもしれない。全体のテイストは、やはり、あの一時代流行した森瑤子の世界。スコットランド時代、正孝と出会う前のリタの人生、彼女と家族の関係等々、朝ドラになかった部分も描かれている。
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物語の終盤、余市に住む正孝とリタのところに、養子として威がやってくる。
『ニッカ・竹鶴政孝系図』
頭脳明晰、穏やかで心優しい青年の威は、ニッカの後継者として正孝を助け、戦時下、厳しい環境のなかで苦労するリタにそっと寄り添う。威の優しさに触れたリタが思わず号泣する場面は、胸にしみる。

ちょうどその辺りを読んでいた時、竹鶴威氏が亡くなられた。
『「マッサン」モデルの養子 竹鶴威氏死去』

余市のご縁で、威氏は、私のリサイタルを聴きに来てくださったことがある。とても美しくエレガントな奥様もご一緒だった。その後、パーティーでお目にかかると、「いやいや、貴女の声には驚いたよ。一体どこからあんな声がでるのかね?」と、目をクリクリさせて親しくお話くださった。とてもダンディで素敵なおじいちゃまだった。

年明けから、朝ドラの舞台は余市に移る。ほどなく、養子の男の子が登場するだろう。正孝氏からニッカを引き継ぎ、そのニッカが全国の注目を集め、いよいよそのドラマに威氏をモデルにした人物が登場する、まさにその直前に、威氏ご本人は静かに天に還られた。この世のめぐり会い、人の命は不思議だと思う。
《『ニッカウヰスキーと私』竹鶴威の回想録》

テレビに映る男の子をみて、「これ、私だよ」と、ちょっぴり照れる威氏のお声が聞こえるような気がする。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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by Megumi_Tani | 2014-12-28 00:07 | 本の窓 | Comments(0)

ホームページ新設のお知らせ   

今年も残すところ僅かになりました。

ホームページを新しく開設しました。この暮れの忙しい時に…(笑)
リサイタル、CD、留学日記等々まとめてご覧になれます。どうぞご訪問ください。
『谷めぐみの部屋』
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by Megumi_Tani | 2014-12-26 23:19 | エトセトラ | Comments(0)

¡Feliz Navidad!2014   

花屋さんには真っ赤なポンセチア、街はクリスマス・イルミネーションが溢れる季節になりました。今年はノーベル賞効果もあって、「ブルーライト」が人気とか。
『東京・中目黒に「青の洞窟」が出現!』

昔、住んでいたビルの1階に花屋さんがありました。25日深夜まではリース、ポインセチ、シクラメン等々、クリスマスの花が店先を飾り、一晩寝て26日の朝になると、あら不思議!今度はミニ門松やお正月用の花が所狭しと並んでいます。その見事なお仕事ぶりに、毎年、感心したものでした。

御子様をお迎えする喜び、マリア様への思慕…。皆様よくご存知のように、クリスマスは、イエス・キリストの降誕をお祝いするお祭りです。しかし、そんな敬虔な感動はどこへやら。。。
日本人は、何事も、精神をちょっと横に置いて、「イベント化」するのが上手??ですね。
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2014年ものこすところわずか。皆様、心和むクリスマスをお過ごしください。
カタルーニャのクリスマスの歌『聖母の御子』


これもクリスマスの曲です。『太鼓を叩く少年』


こんなノリノリの曲もあります。
Los Chunguitos - pero mira como beben los peces en el rio


静寂のクリスマスをじっくり味わいたい方は、こちらをどうぞ。
La Mare de Déu - (Anónimo Catalunya / Jordi Savall)

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by Megumi_Tani | 2014-12-21 20:41 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

聖家族教会~Sagrada Familia   

Googleが、聖家族教会のStreet viewを公開しました。ご聖堂内部をご体感ください。
『Sagrada Familia』

こちらは、まず空から眺めます。 (左上、白文字クリック⇒フル画面)
『神の建築家・ガウディ』

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by Megumi_Tani | 2014-12-14 11:03 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

『バルセロナのガウディ建築案内』   

先月出版されたばかりの写真集をご紹介します。
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貴重な写真の数々が美しい!ページをめくり、眺めているだけでも素敵です。さらに、読み物も充実。世界遺産・聖家族教会をはじめ、ガウディが手がけた数々の作品が、当時の社会情勢、彼を取り巻く人間関係、関連するエピソード等々とともに、詳しく紹介されています。

聖家族教会建築に自らの命を捧げ、最後は市電に轢かれて亡くなった…。ガウディといえば、そんな「聖なる人」のイメージが定着しています。しかし、当然のことながら、ガウディにも若き修業時代がありました。この本には、世に出ようと必死にもがく青年ガウディ、時代の寵児としての顔、恋するガウディ、苦悩と葛藤に悶々とする日々etc、生身の「人間ガウディ」が深く息づいています。

ガウディの作品を訪ねながら、バルセロナを、ちょっと足を延ばしてカタルーニャの町やレオンを、散歩している気分!お奨めです。
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by Megumi_Tani | 2014-12-13 22:47 | 本の窓 | Comments(0)

『長谷川奈津 陶展』   

陶芸家、長谷川奈津さんの個展が開かれます。
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繊細なぬくもり、透明な静けさ、彼方をみつめる眼差し…凛々しく清々しい作品の数々に、奈津さんのお人柄が感じられます。どうぞお出かけください。
『長谷川奈津 陶展』 2014年12月20日~28日 会場「H.works」(立川駅南口徒歩6分)
奈津さんのHP『長谷川奈津』
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by Megumi_Tani | 2014-12-12 11:31 | エトセトラ | Comments(0)

冬の華   

北国から本格的な雪の便りが届いている。いよいよ冬本番だ。「ホワイトクリスマス…ロマンチックですね!」と、雪国にお住まいでない方はよく仰るけれど、住んでみれば、そうはいかない。雪は魔物、心身をただただ疲弊させる困りものだ。冬は、東京にいても北海道の天気が気になる。どうぞ雪の多くない冬でありますように。。。

スポーツも冬物に突入した。レジェンド葛西も凄いけれど、やはり華はフィギュア・スケート!今年から音楽にヴォーカルの使用が許可されたとのことで、先日のNHK杯は、ユヅ君頑張れ!(笑)に加えて、各選手の選曲も興味深く観戦した。観て聴いてみると、ヴォーカル入りの曲は、無しの曲に較べて、メッセージ性、存在感がグッと強くなる。選曲の幅、表現の可能性が広がった一方で、下手をすれば、ヴォーカルの存在が出過ぎて表現の邪魔をする??どの選手だったか、せっかく美しいラインを描いて滑っているところで、ヴォーカルがこれでもか!これでもか!と盛り上がり、少々うるさく感じる場面があった。これからまた新たな時空が開拓され、ヴォーカル入りの凄い作品が生み出されてくるのだろう。

クラシック音楽の中では、「ラフマニノフのピアノ協奏曲」「カルメン」、そして我らが「アランフェス二楽章」あたりは、使われる頻度が高い。アイスダンスではフラメンコ風の作品にもよくお目にかかる。引退した高橋大輔選手が、ラテンでカッコよく決めてくれたこともあった。
『Woo!』

さて、とあるフィギュアスケート道に精通した方が、「すごい子がいます」と、教えてくれた。
樋口新葉ちゃん。わずか13歳!今後が楽しみです。
(残念ながら、大活躍の動画は削除されてしまいました)
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by Megumi_Tani | 2014-12-05 00:48 | エトセトラ | Comments(0)