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Programa ご案内~「母なるマリアに」   

先日開催の「毎日メディアカフェ」に向けて、大まかなスペイン歌曲年表を作成してみた。私がレパートリーにしている一番古い歌は「バラのなかのバラ」。13世紀「聖母マリア頌歌集」の中の一曲だ。13世紀といえば、日本では鎌倉時代。遠い遠い時代のスペインの歌が心の奥にごく自然に響くことに、あらためて感慨を覚える。

10月17日開催のリサイタル『スペイン わが心の歌』のオープニングには、「モンセラートの朱い本」から「母なるマリアに」を歌う。奇岩におおわれたカタルーニャ地方の聖地モンセラート。この地の修道院に伝わる13~14世紀の宗教歌だ。静かに厳かにマリア様を讃える歌だが、その旋律は、中世独特の浮揚感を以て我々の心を天空に誘う。なぜか、この修道院のマリア様は肌が黒い。お参りしてマリア様に触れると、願いが叶うという。
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モンセラート修道院といえば、前回訪れた時に愉快な出来事があった。
モンセラート修道院

カザルスはこの修道院を深く愛し、少年合唱隊に作品を捧げている。


今年のリサイタルが「30周年」と気が付いた時、第1曲めは「母なるマリアに」に即、決めた。ゆかりの地カタルーニャの歌だから、というだけではない。30年前の忘れられない想い出がある。
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谷めぐみ30周年記念リサイタル《スペイン わが心の歌》
2015年10月17日(土)午後2時開演@Hakuju Hall
プログラム詳細、チケットご購入はこちら ⇒ 《谷めぐみの部屋》

ご来聴をお待ちしています060.gif
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by Megumi_Tani | 2015-07-28 22:44 | リサイタル | Comments(0)

毎日メディアカフェ『谷めぐみが語る 魅惑のスペイン歌曲』   

7月23日夜、毎日メディアカフェ『谷めぐみが語る 魅惑のスペイン歌曲』が開催されました。朝方はまさかの雨(>_<) また新たなジンクスを作ってしまったなぁ…と思っていたら、午後にはカンカン照りが戻って来ました。ホッ!

毎日新聞東京本社1Fのサロンはいっぱいのお客様。「スペイン歌曲を語るって、いったいどんな話になるの?」と、皆様、興味津々、というより、半信半疑のご様子。定刻6時30分に開演しました。以下は、Faceook「毎日メディアカフェ」に掲載された文章です。

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 スペイン歌曲の歌い手である谷めぐみさんの講演会「谷めぐみが語る 魅惑のスペイン歌曲」が23日、毎日メディアカフェで開かれました。
谷さんは京都市立芸術大学音楽学部声楽専攻卒業。学生時代は主にドイツの歌を歌っていました。知り合いのギタリストのコンサートでスペインの歌を歌うように頼まれ、全く知らないスペイン歌曲を歌いました。そのとき、「これだ。これを歌いたい」と強く思いました。人生を決めた瞬間でした。
 しかし、スペイン歌曲の楽譜を買いに行っても売っていません。レコードもなく、「歌いたくてもどうしようもない」という状況でした。「スペインに行くしかない」と決断し、バルセロナに留学しました。
 バルセロナ市立高等音楽院で著名な作曲家、ピアニストであるマヌエル・ガルシア・モランテ氏に師事。スペイン歌曲、スペイン各地の民謡、オペラ、サルスエラのアリアなど幅広いレパートリーを学びました。帰国後は日本で数少ないスペイン歌曲の歌い手になりました。今年で30周年を迎えました。
 23日は朝は雨が降りましたが、午後は熱い日差しになりました。「私は雨女で、リサイタルの日は必ず雨が降ります。今日も朝に雨が降っていたので心配でしたが、晴れました」と会場を沸かせました。
 講演では、スペインの歴史と音楽を語りました。「スペインはヨーロッパの行き止まりの国で、ヨーロッパだけではなく、アジアやイスラム圏などから、いろいろな民族が入ってきました。それらの文化が溶け合って、スペインの文化ができました。各地方は自治州で、州というよりは国という感じです。民謡の宝庫と言われますが、国の歌という意識が強い」と語りました。
 谷さんが歌っている最も古い歌は13~14世紀の「聖母マリアの頌歌集」。「日本では鎌倉時代から南北朝の時代です。こんな時代の歌を今も歌っているのはすごいと思いませんか」。
 15世紀末の「セファルディー」は、スペインを追い出されたユダヤ人の歌です。「バラが花を開くけれど、私の心は重い」という内容の歌だそうです。悲しみに満ちた旋律です。
 17~18世紀はスペイン歌曲の冬の時代。スペインを舞台にした多く曲がヨーロッパの他の国で作られましたが、スペインではこれといった歌曲は生まれませんでした。
 19世紀に作曲家ペドレルが出て、その弟子がさまざまな歌曲をつくりました。その一人であるグラナドスは、アメリカでのコンサートが成功しましたが、帰国する船が沈没して亡くなったという悲劇の作曲家です。グラナドスの「スペイン舞曲第5番」を、グラナドスの末娘であるおばあさんの前で谷さんが歌ったら、とても感激してくれたというエピソードがあるそうです。
 作曲家モンポウの「君の上にはただ花ばかり」も、ご本人の前で歌った曲です。「叙情的で透明感のある歌。スペイン歌曲の最高傑作の一つです」と紹介しました。
 日本でも多くの人に愛されているロドリーゴの「アランフェス協奏曲」。スペイン内戦が終わった後の人々の心を慰めた曲です。谷さんは「音だけで感じていただきたい」とヴォカリーズ(母音だけで歌う歌唱法)で歌います。
 谷さんは「スペインらしさは、リズムの妙にある」と語ります。「皆さんにも体験してもらいましょう」と、参加者とともに手拍子でリズムを刻みました。
 最後に、カタルーニャ民謡を作曲家のパブロ・カザルスが編曲したカタルーニャ民謡「鳥の歌」を独唱し、透明感のある声で参加者を魅了しました。「歌でスペインの魅力を伝えたいというのが私の願いです」と講演をまとめました。会場では、谷さんのライブCD「谷めぐみが歌う 魅惑のスペイン」「スペイン わが心の歌」も販売されました。
 講演の様子は近日中に公開予定です。来られなかった方はぜひご覧下さい。(写真は、スペイン歌曲のリズムを指導する谷さん) 
谷さんは10月17日(土)14時、Hakuju Hall(渋谷区富ヶ谷)で、谷めぐみ30周年記念リサイタル「スペイン わが心の歌」を開催します。
 詳しくは http://megumitani.wix.com/sala

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さすが新聞社さんのイベント!遠く栃木から参加してくださった方もいました。こうして、少しずつでも、スペイン歌曲の世界が広がっていくのは嬉しいことです。最後に参加者のお一人から、音楽の核心に触れる質問が出ました。彼女と私のやりとりに会場の皆様も大きく頷き、コンサートとはまた違う「共感」が生まれたような気がします。ご来場の皆様、ありがとうございました。また、適確かつ温かくさりげないサポートでしっかり支えてくださった「毎日メディアカフェ」スタッフの皆様、ありがとうございました。

今日24日は土用丑の日。
暑い夏を乗り越えて、秋10月17日、今度はリサイタルでお目にかかりましょう。

谷めぐみ30周年記念リサイタル『スペイン わが心の歌』
10月17日(土)14:00開演@Hakuju Hall
詳しいご案内はHPをご覧ください。
スペイン わが心の歌~Canciones Españolas, tesoros de mi corazón
ご来聴をお待ちしています
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「毎日新聞」7月24日朝刊
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こちらは「デジタル毎日」
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by Megumi_Tani | 2015-07-24 19:00 | 講座/セミナー | Comments(0)

毎日メディアカフェ~濱田滋郎・平野啓一郎「クラシックギターを語る」   

東京は梅雨明けの猛暑!先日の台風のなごりか、湿度が高く、とにかく蒸し暑い。そんな中、今日は『毎日メディアカフェ』にお邪魔してきた。日本のスペイン音楽の父、濱田滋郎先生と、人気作家、平野啓一郎氏の対談だ。

平野氏が毎日新聞に連載中の小説『マチネの終わりに』の主人公が天才クラシックギタリスト、ということで、平野氏のギターとの出会いからスペインのギター音楽、南米音楽、ブラジルの作曲家ヴィラ・ロボスの魅力、最後は小説映画化への期待など、話題が広がった。いつものように穏やかな笑顔の濱田先生。音楽への想いを語る平野氏の飾らない口調がクール!小説の中に登場させる曲は、イメージに合うもの自分で選ばれるとのこと。これまでの選曲リストから、とても熱いロマンチストと拝見した。
毎日メディアカフェ~濱田滋郎・平野啓一郎「クラシックギターを語る」

さて、その「毎日メディアカフェ」今週木曜日、23日に私の番が回って来る。昨夜は皆様にお聞かせするCDの準備をしていたら、突然パソコンがフリーズ(>_<) 熱帯夜の汗ならぬ冷や汗が…。でも、しばらくお休みさせると、ご機嫌を直し、働いてくれました。ホッ!お申し込みくださった皆様、ありがとうございました。会場でお待ちしています。
毎日メディアカフェ谷めぐみが語る 魅惑のスペイン歌曲
7月23日(木)18:30~20:00

こちらは今秋リサイタルのご案内。
23日の毎日メディアカフェでもチケットを販売します。

谷めぐみ30周年記念リサイタル
スペイン わが心の歌~Canciones Españolas, tesoros de mi corazón
10月17日(土)14:00開演@Hakuju Hall

濱田先生に嬉しいメッセージをいただいています。先生、ありがとうございました。
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by Megumi_Tani | 2015-07-20 20:46 | スペイン音楽 | Comments(0)

新刊『スペイン文化入門』   

スペイン思想の大家、佐々木孝先生が1970年代以降、様々な場で発表された文章。
日西翻訳通訳研究塾・塾頭、碇順治先生がそれらを編集、一冊の本に纏められました。

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「スペインとは何か」この深遠極まりないテーマに鋭く迫る文章の数々に圧倒されます。「文化入門」とありますが、いわゆる文化財観光ガイド本ではありません。今年生誕500年を迎えたサンタ・テレサ、十字架のヨハネ、オルテガ、ウナムーノ、セルバンテス、ゴヤ、ビーベス、エル・エスコリアル王立修道院、聖家族教会、ドン・キホーテ、コロンブス、モゲールの町…。スペインの精神、スペインの魂への導きの書です。率直な文章、ユーモアを交えた筆致、詩人を思わせる豊かな表現の奥に、著者のスペインへの深い愛、得も言われぬ慈しみがあふれています。

とは言っても、思想家の先生が書かれた文章の中には、少々難しい言葉や人名が…。そんな時には巻末の「索引・ミニ事典」が助けてくれます。本編は縦書き、索引は横書き、という凝った作り。人名と事項に関する解説が詳細かつコンパクトにまとめられていて、とても分かりやすい。この索引だけでも勉強になります。「スペイン」「スペイン語」の在り方そのものに基づいた編集は本書ならではのもの。編者のスペインへの深い愛と慈しみを感じます。

佐々木孝先生は東日本大震災後も福島に住み、同地から発信を続けていらっしゃいます。
佐々木孝著『原発禍を生きる』   スペイン語版『原発禍を生きる』
著者・佐々木先生と編者・碇先生は、その大震災がきっかけで出会った、と、記されています。「あとがき」に紹介されている「No hay mal que por bien no venga~幸福をもたらさない災いはない」という諺が、複雑な苦味とともに、胸に沁みます。

読み進むうちに、気が付きます。これは、スペインについて識る本であると同時に、スペインに魅せられた己について知る本である、と。Porque sí(好きだから好き)と言っても、そこにはやはり、好きにならずにいられない、しかるべき理由があるのでした。

スペインが人生の何ものかになってしまったすべての方に、お奨めしたい本です。

彩流社サイト ⇒ 『スペイン文化入門』

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毎日メディアカフェ『谷めぐみが語る 魅惑のスペイン歌曲』
7月23日(木)18:30~20:00
入場無料 要ご予約 以下のサイトからお申し込みください。

谷めぐみが語る 魅惑のスペイン歌曲

谷めぐみ30周年記念リサイタル『スペイン わが心の歌』
10月17日(土)14:00開演@Hakuju Hall
詳しいご案内はHPをご覧ください。
スペイン わが心の歌~Canciones Españolas, tesoros de mi corazón
ご来聴をお待ちしています
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by Megumi_Tani | 2015-07-14 23:23 | 本の窓 | Comments(0)

『君の上にはただ花ばかり』   

一昨日6月30日は、モンポウの命日だった。

内なる世界を無限に旅する音楽。繊細で緻密な小宇宙。歌曲集『夢のたたかい』は、そんなモンポウの世界を、歌とピアノでこの世に実現している。なかでも第一曲『君の上にはただ花ばかり』は秀逸だ。どこまでも慎ましやかな旋律、どこまでも素直な音の流れ、美しく透明な音宇宙に溢れる言葉にならぬ魂の声…。歌詞はカタルーニャ語。モンポウの友人である詩人、ジャネスが、天に召された恋人を偲び、「君の胸の上にそっと横たわる百合の花になれたなら…」と詠っている。カタルーニャ語による歌曲の最高峰というのみならず、スペイン歌曲の最高傑作のひとつだ。

スペイン歌曲に出会った当初は、カタルーニャ語の読み方が分からず歌えなかった。バルセロナで、勇気を出して、ガルシア・モランテ先生に「『君の上にはただ花ばかり』をレッスンしてください」と言った時のドキドキを思い出す。マエストロ・モンポウご本人の前で『君の上にはただ花ばかり』を歌わせていただいたことは、まさに、「夢のたたかい」ならぬ「夢の実現」だった。

モンセラート・カバリェとアリシア・デ・ラローチャのコンビによる演奏


こちらは、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスとモンポウによる演奏。


ビクトリア・デ・ロス・アンへレスはモンポウと親交が深く、彼のよき理解者だった。今年はヴィクトリア・デ・ロス・アンへレス没後10周年。秋のリサイタルでは、二人の想い出を胸に、『君の上にはただ花ばかり』を捧げたい。
30周年記念リサイタルスペイン わが心の歌
2015年10月17日(土)午後2時開演@Hakuju Hall

『君の上にはただ花ばかり』を初めて聴いて、これがスペイン歌曲だと思う人はおそらくいないだろう。「オーレ!」や「ビバ!ビバ!」だけがスペインの歌ではない。スペイン歌曲には実に様々な顔がある。「毎日メディアカフェ」では、そのあたりをざっくばらんにお話したい。
毎日メディアカフェ谷めぐみが語る 魅惑のスペイン歌曲
2015年7月23日(木)午後6時30分~8時

こちらは、1970年、フランスのテレビ局が制作した番組。モンポウがバルセロナの街中を散歩しています。



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by Megumi_Tani | 2015-07-02 01:04 | リサイタル | Comments(0)