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ご案内「わが心の歌に宿る出会いの数々」   

明後日11月29日(日)、第111回「懐かしい江戸へいらっしゃいの会」にお招きいただきました。スペイン歌曲とその魅力を語らせていただきます。
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常連会員以外の方もどうぞ、と、主催者からご案内がありました。
7月「毎日メディアカフェ」を見逃した方、聞き逃した方、再びナマで語ります。どうぞお出かけください。お話の後、お弁当とおつまみをいただきながら、皆様とお喋りさせていただきます。
日時:11月29日(日)午後2時~5時 
会場:銀座会議室三丁目
会費:4,000円(当日会場にて)
お問合せ&お申込み:「懐かしい江戸へいらっしゃいの会」03-3479-3644(梅田)
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by Megumi_Tani | 2015-11-27 18:28 | 講座/セミナー | Comments(0)

祈り   

今朝、ラジオから流れてくるフォーレのレクイエムを聞くともなしに聞いていたら、グラグラっと揺れた。音楽が中断し、茨城が震源の地震、と、知らせるアナウンス。再びレクイエムが流れ、しばらくすると、今度は各地の震度を知らせるアナウンス、そしてまたレクイエム…。ふと2011年の春が蘇った。

あの年はロドリーゴ生誕110年記念に当たり、11月のリサイタルに向けて、春には「ロドリーゴ特集」のプログラムを組み終えていた。諸々のGO!を出そう、というその時に大震災が起きた。頻発する余震、日々刻々と伝えられる被災地の惨状、東京でも発生した水や物資の不足、計画停電…。歌など歌っている場合ではない、と思った。リサイタルの中止を申し出るも周りに説得され、今度は、悩んだ。歌とは何なのか?いったい自分に何が出来るのか?歌い手という存在そのものに真っ向から突き付けられた問いだった。

多くの外国人演奏家が来日をキャンセルするなか、プラシド・ドミンゴがやって来てくれたことは忘れられない。

悶々としたあげく、たどり着いた答えは、あまりにもシンプルなものだった。歌い手は歌を歌うこと、己が本務を尽くすこと。秋のリサイタルは予定通り開催、無力な私なりに、この年に捧げるに恥ずかしくない内容にしようと心を決め、プログラムをすべて組み換え、本番を迎えた。春からずっと続く異様な緊張、無事に予定通りに集える喜び、そして何よりも祈り…。言葉に尽くせぬ想いを、ホールいっぱいのお客様とともに分かち、ともに労り、ともに祈る、そんなかけがえのない時間になった。

本番終了後、突如思い立った。あの特別な時間を記録しておこう、「もう二度とこんな哀しい出来事が起きないように」の祈りをこめて、と。そうして出来上がったのがライブCD『Plegaria~祈り』だ。
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昨日とある集まりに持参するため、久しぶりに聴いてみた。冒頭のトゥリーナ「アヴェ・マリア」から、あの時の緊張と覚悟が蘇る。貴重な経験だったと思う。そして、あんな時間が二度と訪れないことを心から願う。

CDのリーフレットにこんなコメントを書いていた。あまり明るくないニュースが多い昨今、あらためて平安への祈りを捧げたい。
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by Megumi_Tani | 2015-11-22 14:06 | リサイタル | Comments(0)

スペイン歌曲って、何ですか?2015   

日本では大人気のワインやお料理、フラメンコに較べて、スペイン歌曲はいささか影が薄い。いや、日本だけの話ではない。スペイン人が皆、スペイン歌曲に精通しているかといえば、そんなことはない。今日たまたま出先でお目にかかったセニョールは、私が「グラナドスやファリャやモンポウの歌曲を歌う」と言ったら、目を丸くしていた。

スペインには色々な歌がある。芸術歌曲、サルスエラ、各地の民謡、街角に流れる小唄、クリスマスの歌、祈りの歌、恋の歌、別れの歌、子守り歌、踊りの歌etc。そして、スペイン歌曲には良い意味での大衆性がある。芸術性と大衆性を両立させれば、声楽の専門家にも、普段はクラシック音楽にご縁の無い方々にも、広くその魅力をお伝えできるのではないか。。。「歌いたい」で始まったスペイン歌曲が、いつの頃からか、「伝えたい」ものになった。

初めてリサイタルのパンフレットをご覧になる方の大半は、ほぼすべての演奏曲目をご存じない。はぁ…。知らない曲だらけの、しかも外国語の歌しかない演奏会ねぇ…。ということになる。そのお気持ちはよ~く分かる。しかし、もしもその中のひとつでも曲名を知っていれば興味が湧くのではないか?リピーターの方は、1曲でも聴いたことがある曲があれば親しみが増すのではないか?その願いをこめて、プログラムには、お客様がご存知の曲を適宜、繰り返し、取り入れる。繰り返し、と言っても、音楽は生き物。その日その時だけのその歌を共有することは、まさにライブの醍醐味だ。「あ、この歌、いいですよね!」「この曲、前に聴いた時、とても好きでした」こんな気持ちの積み重ねを通して、スペイン歌曲をより身近に感じていただければ、と、思う。

お客様のほとんどはスペイン語をご存知ない。言葉の壁を越えて少しでも親しく楽しんでいただくために、歌詞大意をお渡しする。しかし薄暗い客席で細かい文字をゆっくり読むことは難しい。第一、そんなものを読んでいては演奏に集中できない。そこでMCで喋ることになる。私は、かなり喋る(笑)「なるほど。そういう歌なのか…」客席から、そんなお客様の心の声が聞こえてくるとホッとする。

音楽講座を受けたので作品の背景がよく分かりました」「毎日メディアカフェのおかげで感動がグッと深まりました」こんな感想はとてもありがたい。ITの時代、HPfacebook等で情報を得てくださる方もいる。今回HP経由で、マドリードからエールが届いたのには驚いた。

「ある外国を好きになるということは、永遠の片思いのようなものですね」と仰った方がいた。言い得て妙。大好きだからこそ、相手をより知り、より良い形で伝えたいと願う。しかし、我ら外国人。知っても、知っても、知り尽くすことなどありえない。永遠の片思いなればこそ、永遠の謙虚さを大切にしたい。

ああだこうだ、はたまた、ああでもないこうでもないと、悪戦苦闘。そういえば、、、と、今になって気が付いた。「スペイン歌曲って何ですか?」半ばおなじみ、半ば恒例になっていたこの問いを、今回のリサイタル広報中、一度も投げかけられることがなかった…。これは、嬉しい。
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by Megumi_Tani | 2015-11-08 21:58 | スペイン歌曲 | Comments(0)