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新しい年へ   

2016年も残すところ二日になりました。おかげ様で、元気に年を越させていただきます。

今年は第25回リサイタル『スペイン浪漫Ⅱ~グラナドス没後100年に捧ぐ』開催をはじめ、毎日メディアカフェ再登壇、セルバンテス文化センターでのクラス開講、翻訳、東京混声合唱団ディクション指導、CD『Plegaria』東日本復興プロジェクトへの参加がなど、様々な機会に恵まれました。こうしてスペイン歌曲に親しんでくださる方が少しずつ増えていることを本当に嬉しく思います。本年中に賜りましたご支援に感謝申し上げますとともに、来たる年もよろしくお願い申し上げます。

その来たる年、2017年11月19日(日)第26回リサイタルの開催が決まりました。午後2時開演、会場は、おなじみのHakuju Hallです。2017年ならではの趣向を凝らしたプログラムで存分にお楽しみいただきたく存じます。11月とはまだずい分先の話ですが…(^^;; ぜひ皆様、今からご予定くださいませ。

2017年が明るく穏やかな一年でありますように。
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ちょっぴり寂しい曲ですが、マイゴールデンコンビです。

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by Megumi_Tani | 2016-12-29 22:12 | エトセトラ | Comments(0)

『カタルーニャから生まれた名歌曲』   

2017年2月3日(金)日本・カタルーニャ友好親善協会のテルトゥーリアで講演します。
題して『カタルーニャから生まれた名歌曲』

来たる2017年は、F.モンポウ没後30年、E.グラナドス生誕150年、記念の年です。「あれ?グラナドスって今年、何かあったような…?」と思われた方、その通り!2016年はグラナドス没後100年の年でした。そして来年は、生誕150年に当たります。1867年7月27日に生まれ、1916年3月24日に命を落としたグラナドス。決して長いとはいえない人生のなかで描き出されたロマンティシズムは、優美に、粋に、どこまでも私達を魅了します。

モンポウは94歳とご長寿でした。静謐、寡黙、内気…。モンポウの音楽は、おそらくは彼のお人柄そのままに、黙して多くを語らず、己の内へ、内へと向かっていきます。独り言、ひそひそ話、ため息、時に情熱、そして諦め…。どこまでもシンプルで繊細な音楽は、まさにモンポウ独自の世界。夢かうつつか、聴く者を無限の彼方へ誘います。バルセロナ留学時代、ご自宅に伺い、あの美しい歌曲集『夢のたたかい』の演奏をマエストロご本人に聴いていただいたことは、生涯忘れられない思い出です。

グラナドス、モンポウのほかにも、カタルーニャからは、アルベニス、カザルスなど偉大な音楽家が生まれています。テルトゥーリアでは、彼らが残した名歌曲の数々をCD音源とエピソードでご紹介します。
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以下、日本・カタルーニャ友好親善協会からのご案内です。会員以外のビジターも参加OK!
要項をご覧の上、直接協会にお申し込みください。講演終了後は、ワインで乾杯しましょう。
皆様のご参加をお待ちしています。

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来年2月に当協会の講演会とパーティーが開かれます。
今回は、スペイン歌曲を専門にする谷さんより、カタルーニャを代表する作曲家たちの名曲の数々をご紹介くださいます。モンセラート修道院に伝承される歌曲集「モンセラートの朱い本」、2017年に記念の年を迎えるグラナドス、モンポウの代表曲、アルベニス、カザルス、トルドラらによる作品など、カタルーニャから生まれた名歌曲の数々を名演CDとエピソードでお楽しみいただきます。

●日時: 2017年2月3日 (金) 18:00 受付開始  18:30開始
●会場:霞会館 麻布かすみ1F サロン (住所:東京都港区西麻布3-2-32)
   地下鉄 日比谷線 六本木駅 1番出口 徒歩9分/ 地下鉄都営大江戸線 六本木駅 徒歩9分
●プログラム
講演会18:30~19:40 
   「グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年―カタルーニャから生まれた名歌曲」
   講師:谷 めぐみさん(ソプラノ歌手)
懇親パーティー*立食スタイル19:40~21:30
   (料理、ワイン・カバ・ソフトドリンクなどフリードリンク)
●参加費 : 会員 3,500円  ビジター 4,500円 当日受付でお支払い
   申込みはinfo@ajac.ne.jpまで ご氏名、電話番号を明記のうえ。
*当日のキャンセルはできませんのでご了承ください
*定員がありますので、先着順の受付とさせていただきます
*申込み締切1月30日
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by Megumi_Tani | 2016-12-28 23:04 | 講座/セミナー | Comments(0)

Villancico あれこれ   

どういうものか、今年はいつもよりVillancicoが気になります。クラスで「El tamborilero」や「Noche de Paz」をお稽古したから、でしょうか?Villancico~ビリャンシーコとは、クリスマスの歌のこと。元々は、villano=村人の歌を意味していたけれど、いつの頃からか、クリスマスの歌の呼び名になりました。スペインで最も知られたビリャンシーコは、何といってもこれ!「Campanas de Belen」

ほかにも、あの歌、この歌、と、探していたら、大メドレーを発見!ビリャンシーコに加えて、世界中のヒット・ナンバー・スペイン語版が次々と登場します。大掃除がはかどりそう?070.gif


ダンスにくたびれたら、こんな可愛らしい癒し系003.gif


合唱版「聖母の御子」


「鳥の歌」モンセラート修道院聖歌隊


美しい!16世紀「ウプサラの歌曲集」より


あれこれ探索するうちに、やはり最後は、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスにたどり着きました。
「歌い手」を越え、「人間」ビクトリアが歌う歌。永遠の憧れです。

「鳥の歌」 
2016年12月23日に公開されたばかりの動画です。80年代のフィルムでしょうか。


「ヨセフとマリア」@カタルーニャ音楽堂

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by Megumi_Tani | 2016-12-25 14:02 | スペイン音楽 | Comments(0)

『いい音楽、届けようプロジェクト』   

東日本大震災復興支援プロジェクトのひとつに参加させていただくことになった。2011年リサイタル・ライブ『Plegaria~祈り』が、被災地のコミュニティFM等々に届けられる。
『いい音楽、届けようプロジェクト』

今回きっかけを作ってくれたのはS氏。初めてお目にかかったのは、ほぼ三十年前。今年、思わぬところで再会した。猛烈にお忙しいなか、毎日メディアカフェにもリサイタルにも駆けつけてくださった。Sさん、ありがとうございます。

3月11日のあの大地震の後、歌い手として何が出来るのか、悩みに悩み、やっとの思いで開催を決めたリサイタルだった。事前の打ち合わせ事項の中には、演奏会の途中で大きな地震が起きた場合の対策も含まれていた。どのタイミングで演奏を止め、どんな手順でお客様を避難誘導するか…。11月だというのに、当日は台風のような暴風雨。それでも会場にはいっぱいのお客様が集まられた。「さくら」を歌い、全員で「ふるさと」を大合唱したことは忘れられない。

「もう二度とこんな大災害が起きませんように」「もう二度と演奏会がこんな異様な緊張に包まれることがありませんように」祈らずにはいられなかった。そして、この祈りを込めて、リサイタル音源を残そう、と、思った。それが「Plegaria~祈り」だ。

これまでもささやかながら売り上げの寄付等はさせていただいて来たが、CDそのものをお役に立てていただけることは、感慨がひとしお募る。あの時、リサイタルを中止せず、思い切ってCD制作を実行してよかった、と、思う。
年が明ければ、大震災からまもなく六年。被災地の復興をあらためて心から祈る。
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by Megumi_Tani | 2016-12-24 22:27 | Musica あれこれ | Comments(0)

イサベルとフェルナンドの時代   

日西翻訳通訳研究塾にて開催の教養講座『スペイン史ma専科』第4回を受講した。今回のテーマは、カトリック両王、スペイン史上最も有名なイサベルとフェルナンドの時代だ。

二人は大恋愛の末、両家の反対を押し切って結婚した、と、以前何かで読んだ記憶がある。日本の戦国時代同様、政略結婚が当たり前だった当時としては、かなり珍しいケースだ。1492年、イスラム最後の砦グラナダ王国の開城を経て、レコンキスタ(国土回復運動)完了。イサベルとフェルナンドは、イベリア史上模範とされる政策を遂行、統治を行う。このチャンスを逃すまいと再び己の大冒険のプレゼンに現れたコロンブスは、見事、両王から支援を取り付けた。新大陸への夢、勢いづくスペイン。

しかしこの国土回復運動と称されるものは、現代のスペインや中南米にも及ぶ大きな問題を孕んでいたらしい。更にこの時、キリスト教への改宗を拒否したユダヤ人20万人以上が国外に追放された。流浪の民となった彼らをセファルディーと呼ぶ。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教、三つの宗教の民が共に生き、共に栄えた中世スペインの奇跡。この妙なる奇跡の崩壊に、スペインの哀しみの萌芽が潜んでいたのかもしれない。

この時代を採り上げた新刊が出ました。王家の系図など、資料も豊富です。
西川和子著『スペインレコンキスタ時代の王たち: 中世800年の国盗り物語

今も中世そのままのスペイン語で歌い継がれるセファルディーの歌。
CD『谷めぐみが歌う 魅惑のスペイン』にも8曲収録されています。





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by Megumi_Tani | 2016-12-21 23:12 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

東混ロドリーゴを歌う   

東京混声合唱団第241回定期演奏会が開催された。指揮は、人気の若きマエストロ山田和樹氏。「作曲家の系譜シリーズVol.1 フランス編」と題され、20世紀初めのパリでデュカスに教えを受けたデュリュフレ、ミヨー、ロドリーゴ、大澤壽人の作品、さらに藤倉大への委嘱作品が演奏された。

ロドリーゴ作曲「Jo tinc un burro」 「A la chiribirivuela」がプログラム入り!これは画期的!
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「アランフェス協奏曲」第2楽章に代表される抒情性、粋でお洒落なセンス、流麗なメロディーと激しいリズム…。ロドリーゴの音楽は多彩だ。時々予測不能の和音や転調が現れ、演奏者をギョッとさせるが、最後はいつも大団円。皆が安心して終わる仕掛けになっている。盲目のマエストロは、きっと遊び心たっぷりの人だったにちがいない。

この演奏会に当たり、私はディクションを指導させていただいた。
2曲のうち、特に「A la chiribirivuela」の方は、トナリノキャクハヨクカキクウキャクダ風の歌詞で、ほとんど口の休まる暇がない。アラ・アラ・チリ・チリと練習を繰り返すうちに、団員の皆さん、気分がアップ!限られた時間のなかでよく集中し、みるみる上達された。質問タイムには、歌詞をメロディーに乗せるコツやリズムの特徴をワイワイガヤガヤ。こんな感じですね!と、とびっきりの笑顔で歌う方も現れ、嬉しい限り。今さらながら、「楽しい」って大切なことだ。

昨夜の本番。オープニングがロドリーゴ。Muy bien! でした。祝!

ア・ラ・チリビリブエラ

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by Megumi_Tani | 2016-12-17 19:51 | スペイン音楽 | Comments(0)

『カルメン』 勉強会   

坂元勇仁氏主宰「学び舎遊人」で定期的に開かれている勉強会『みんなでオペラ』に参加させていただいた。今回のテーマは、ご存じ『カルメン』。語り手は、オペラ・キュレーター井内美香さん。

原作、台本、初演日など作品に関する基礎知識から、時代背景、ビゼーの生涯、登場人物の個性と音楽の関係、特徴、魅力等々について、詳しく分かりやすくお話くださった。井内さんお手製のハートマーク入り人物相関図が何とも可愛らしい。お話の合間に聴いた、ご推薦音源は、こちら。



たしかにカルメンは勝手気ままで、手の付けられない女だ。しかも最後は刃傷沙汰で終わる。決して明るくはない。それどころか、どちらかといえば陰惨なオペラだ。それでも世界中で人気が衰えないのは、カルメンをはじめドン・ホセ、ミカエラら登場人物各々に、お客様各々が秘かに共感するからではないか。実は言ってみたいけれど言えない台詞を言ってくれる、やってみたいけれど出来ないことをやってくれる…etc。蔑みつつも共感せずにはいられない、そんな人間の業を鋭く、巧みについた作品なのだ、きっと。

それにしても、一般にこれがスペイン!と括られることには微妙な違和感がある。ここまで濃く煮詰まった所謂スペイン話は、外国人のビゼーだからこそ描けたのだと思う。

ムチャぶりでマイクが回って来たので、スペイン音楽の特徴に加えて、ハバネラ「恋は野の鳥」に欠かせない裏エピソード、イラディエール「El arreglito」をご紹介させていただいた。

スペインがどう語られ、どう受けとめられているか。いつの場合も興味がある。『カルメン』をきっかけに、より多彩なスペインに触れていただければ嬉しい。

もうひとつ、井内さんご推薦の音源からフィナーレ

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by Megumi_Tani | 2016-12-13 22:23 | Musica あれこれ | Comments(0)

カレラスとドミンゴ   

一昨日Facebookに、カレラスとドミンゴのツーショットの写真がアップされた。「ホセ!誕生日おめでとう!」と、ドミンゴからのメッセージが添えられている。そうか、12月5日はカレラスの誕生日だったのか…。そこへFBお友達から「今、来日中では?」との書き込みがあった。そうだ、忘れていた。彼は12月4日に東京でクリスマス・コンサートを開いたばかり。70歳、古希にあたる誕生日を日本で迎えたことになる。遅ればせながら¡Feliz cumpleaños! おめでとうございます。

貴公子?王子様?いくつになっても彼にはそんなイメージがある。あの三大テノールの舞台では、ほかの二人よりひと回り小柄な体で大奮闘、熱唱する姿が人気を集めた。私が彼のナマ声を初めて聴いたのは、80年代、バルセロナのリセウ劇場だった。地元が生んだ大スター★会場は大いに盛り上がっていたが、肝腎の彼の声には伸びがなかった。ほどなく、病による休養を発表。なるほど、と、納得した記憶がある。その後、病を克服、奇跡の復活を果たし、今も活躍を続けている。

貴公子カレラスに対し、ドミンゴは素敵なおじさま、というところだろうか。実際には、もうオジサマならぬおじいちゃまのお歳(75歳)だが、今も現役。ますます元気に世界を飛び回っている。つい先日、フィデル・カストロ前国家評議会議長逝去の折りには、初めてのキューバ公演のため、偶然ハバナに滞在していたようだ。このブログでも何度か書いたが、私は昔々の「カルメン」以来、ドミンゴのファンである。東日本大震災直後の「さくら」に勇気をもらったことは、決して忘れられない。

スペインが生んだ二大スター、カレラスとドミンゴ★★ 貴重な映像が残されている。カレラスが病を乗り越えて復帰することを、サプライズで、ドミンゴがお客様に告げている。場所は、リセウ劇場。
(画面上部の白い文字をクリックして、ぜひ大きな画面でご覧ください)



ドミンゴのお人柄、おずおずとステージに進み出るカレラスの純真な姿。9月のリサイタル「スペイン浪漫Ⅱ」でご紹介した、アルベニス、グラナドス、カザルス、ファリャ、トゥリーナ、マラッツらの友情が蘇る。同郷の友、同郷の仲間。素晴らしい。

こちらは、二人お揃いでのインタビュー


亡きパヴァロッティに捧げる歌

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by Megumi_Tani | 2016-12-07 00:57 | スペイン歌曲 | Comments(0)

Saló de Cent~百人会議の間   

日西翻訳通訳研究塾にて開催の教養講座『スペイン史ma専科』第3回を受講した。第2回ローマ時代~イスラムが入り込んだ時代に続いて、今回のテーマは13世紀。スペイン語の基礎完成、サラマンカ大学設立、音楽の分野で名高い賢王アルフォンソ10世も登場した。

かえすがえすもスペインというのは不思議な国だ。元々バラバラだった国?地方?が、どの時点でどのようにまとまり「スペイン」という国になったのか。これはある意味、永遠の課題なのかもしれない。キリスト教、イスラム教、ユダヤ教各々の民が互いを理解、尊重し、ゆるやかに共存し、政治、経済、文化etc.の豊かな繁栄を築いた事実は、今のこの怪しくキナ臭い時代、刮目に値する。

今回の授業は、RTV制作の歴史ドラマを視聴しながら進められる。講義の途中で、バルセロナ市庁舎「百人会議の間」が映し出された。この時代、バルセロナでは、様々な制約はあるものの、身分の異なる人々が参加できる議会がすでに成立していた。その名の通り、この「百人会議の間」で議会が開かれていたのだ。バルセロナ好き必携の小説『海のカテドラル』にも、その記述が出てくる。中世の誇り高き都市バルセロナを象徴する部屋だ。
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鮮やかな赤と黄に彩られた部屋、輝くシャンデリア、素朴に並べられた木製のベンチ…。
あの日は、6月というのにものすごく暑かった。市のお偉方のセニョーラが汗をふきふき祝辞をくださった。歌ったのはあの正面。黒いグランドピアノが部屋中の赤と黄色によく映えていた。ベンチには、師のご家族をはじめいっぱいのお客様が座っていた。演奏終了後、いきなり「さくら」について質問されたっけ…。三十年前の思い出が蘇り、つい講義そっちのけで画面に見入ってしまった。
塾頭先生、ごめんなさい。  『バルセロナに響いた日本の歌

「百人会議の間」の中の様子です

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by Megumi_Tani | 2016-12-01 23:37 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)