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黄金世紀の衰退   

日西翻訳通訳研究塾にて開催中の教養講座『スペイン史ma専科』8回を受講した。

今回のテーマは「La decadencia en el Sigro de Oro~黄金世紀の衰退」フェリーペ3世からフェリーペ4世、そしてハプスブルグ家最後の王カルロス2世の時代だ。


「太陽の沈まない帝国」の名をほしいままにした黄金世紀のスペイン。地球規模の支配権を確立し、人類史上初のグローバル化を成し遂げた。セルバンテス、ベラスケス、音楽ではビクトリアに代表される宗教音楽、「王宮の歌曲集」「ウプサラの歌曲集」等の世俗歌曲、スペイン独自の発展をみせたオルガン、隆盛を極め忽然と姿を消した謎の楽器ビウエラ…。芸術の面でもまさに百花繚乱、誇り高き黄金の時代だ。


しかし、あまりにも極端な「一強多弱」が反発を買う。イギリスとオランダが打倒スペインで手を組み、ヨーロッパではスペインに関する様々に歪曲された黒伝説が流布。国内では寵臣政治がはびこり、財政が悪化。イサベル女王の時代から脈々と続く厳格なカトリックの精神は極端に突き詰められ、ついに30万人ものイスラム教徒、ユダヤ教徒を国外に追放するに至る。三つの宗教がともに生き、ともに栄えた、あの美しい時代はどこへ消えてしまったのだろう。

追放されたユダヤ人:セファルディーの歌


商業と生産業の重要な担い手を失ったスペインの経済は、ますます疲弊する。膨れ上がる借金、たび重なる国家破産宣言…。崩壊への足音はひたひたと忍び寄っていた。17世紀の締めくくり、ハプスブルグ家最後の王カルロス2世は、あたかも次なる時代を予感させるかのような悲惨な生涯を送る。


Decadencia~衰退」とは、哀しい言葉だ。ふとみれば、「衰」と「哀」は字面が似ている。

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ハプスブルグ家最後の王カルロス2世

                                                     

  


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by Megumi_Tani | 2017-04-27 22:25 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

ラ・ノビア   

412日、ペギー葉山さんの突然の訃報が伝えられた。生涯現役、直前までお元気に活動されていた。ご冥福をお祈りします。


私が子どもの頃、既に大歌手だったペギー葉山さん。真っ先に思い浮かぶ曲は〈ドレミの歌〉〈学生時代〉だろうか。当時は、〈ドレミの歌〉がミュージカル〈サウンド・オブ・ミュージック〉の中の1曲などと知る由もなく、〈学生時代〉に描かれている都会のキャンパスライフがひどくお洒落に感じられたものだ。


ペギー葉山さんの数ある大ヒット曲の中のひとつに〈ラ・ノビア〉がある。日本ではカンツォーネとして紹介されているが、元々は、チリ人のホアキン・プリエト作曲による、れっきとしたスペイン語の歌だ。1961年、映画で大ヒットした。



日本では、ちょっとお洒落な洋楽は、シャンソン、またはカンツォーネと紹介されることが多い。しかし、〈ラ・ノビア〉しかり、〈ラ・パロマ〉しかり、チャップリンの映画で有名な〈すみれの花売り娘〉しかり、往年のヒット曲〈時計〉しかり、5月にセルバンテス文化センターのクラスで採り上げる〈アマポーラ〉しかり、み~んな元々はスペイン語の歌だ。そうとは知られないまま、皆さんのお耳に届き、お馴染みの曲になっている。スペイン語圏の歌がもつ懐かしさ、温かさ、癒し感のようなものが、どこか日本人の心にフィットするのかもしれない。実はスペイン語だった!人気曲をきっかけに、スペインの歌やスペイン歌曲に興味をもっていただければ、これもまた嬉しい。


ペギー葉山さんが歌う〈ラ・ノビア〉

大ベテランお二人の名映像〈ラ・ノビア(泣きぬれて)〉

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ご参加をお待ちしています!

『”アマポーラ”をスペイン語で歌おう♪』
日時:2017年5月12日、19日(いずれも金曜日)19:00~20:30
会場:セルバンテス文化センター東京
受講料:6,000円(2回セット)
『魅惑のスペイン歌曲Ⅲ』
日時:2017年6月9日、23日(いずれも金曜日)19:00~20:30
会場:セルバンテス文化センター東京
受講料:6,000円(2回セット)
詳細・お申し込みはこちら ⇒ 『セルバンテス文化センター春期講座』


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by Megumi_Tani | 2017-04-23 14:36 | Musica あれこれ | Comments(0)

ス、といえば…   

今月初め、スペイン国王ご夫妻が来日された。
『宮中晩餐会、到着時
『来日中のスペイン国王、「フクシマの英雄」と再会』
『両陛下、スペイン国王夫妻と静岡訪問』

ご来日中のこと。とあるラジオ番組で、男性コメンテーターがスペインの車産業について話し始めた。すると、アシスタントの女性が間髪を入れずに突っ込んだ。「スペイン?車?アハハ!イメージ湧かないですよ。スペインって、とにかく朝から晩までずっとフラメンコを踊っている国って感じですよね」またこれか、と、ガッカリ (>_<) このアシスタントさん、なかなか好感度の高い女優さんだっただけに、ますますガッカリ (>_<) (>_<)

初対面の方に、「スペイン歌曲を歌っている…」と自己紹介しかけると、「あら!谷さんって歌う人かと思っていたら踊る人だったんですか?」と驚きの表情\(◎o◎)/!「いいえ、歌い手です」とあらためてお答えすると「エッ!その声であのド迫力の歌を歌うんですか?」と、ますます驚きの表情\(◎o◎)/!\(◎o◎)/!

スペイン、スペインと人気があるようでも、日本での一般的な知られ方は、ラジオのアシスタント女優さんの言葉に代表されるものだろう。「脱スペイン版フジヤマ・ゲイシャ」を願うも、長い年月焼き付いてしまったイメージは、そう簡単には崩れない。スペインのス、と聞いただけでフラメンコ¡Ole! しかし、スペインの音楽はフラメンコだけではない。スペインの人々が朝から晩までフラメンコを踊っているはずもない。さらに言えば、フラメンコの歌-カンテ-は、ただ単に迫力だけのものではない。人の世に在り、人の世を生きる悲嘆、歓喜、慟哭、諦観…。熱く、感じやすく、切ない、魂の叫びだ。

熱く、感じやすく、切ない、魂の叫び。この独特の個性は、スペイン歌曲にも共通している。フラメンコで言われる「ドゥエンデ-魔力-」は、スペイン歌曲の根底にも深く息づいている。歌う者も聴く者も思わず心揺すぶられる不思議な力だ。

スペイン音楽のなかでも、日本人はもとよりスペイン人にさえあまり知られていないクラシック歌曲、そのご紹介、となると、もう至難の業(^^;; しかし、それでも、きっと何か道はある!6月開催のセミナー『魅惑のスペイン歌曲Ⅲ』は入門編。音と映像を楽しみながら、さっくり分かり易くお話ししてみたい。

ご参加をお待ちしています!
『魅惑のスペイン歌曲Ⅲ』
日時:2017年6月9日、23日(いずれも金曜日)19:00~20:30
会場:セルバンテス文化センター東京
受講料:6,000円(2回セット)
詳細・お申し込みはこちら ⇒ 『セルバンテス文化センター春期講座』

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by Megumi_Tani | 2017-04-15 22:27 | 講座/セミナー | Comments(0)

スペイン語で〈アマポーラ〉を歌おう♪   

セルバンテス文化センター春期講座、5月はスペイン語を「歌って楽しむ」クラス。レッスン曲は、人気の〈アマポーラ〉です。この曲、数あるスペイン・ラテンの歌のなかでも、日本での知名度はナンバーワンかもしれません。旅行、住宅、書籍、車etc、いつもどこかの何かのCMに使われています。





作曲者ラカージェは、カディス生まれのスペイン人。若い頃にキューバに渡り、後に、アメリカで音楽活動を展開したようです。〈アマポーラ〉が発表された年は、1922年?1924年? いずれにせよ、日本では大正時代の終わり頃です。英語ではポピー、日本語では、雛罌粟 (ひなげし)、雛芥子(ひなげし)、虞美人草(ぐびじんそう)。そういえば、夏目漱石の〈虞美人草〉という小説がありました。大正浪漫の香りが漂いますね。



「アマポーラ、とびきり美しいアマポーラ…」と、恋人にささやく甘い歌。
5月のクラスで、ぜひ!マスターしてください。ご参加をお待ちしています!

『スペイン語でアマポーラを歌おう♪』
日時:2017年5月12日、19日(金)19:00~20:30
会場:セルバンテス文化センター東京
受講料:6,000円(2回セット)
詳細・お申し込みはこちら ⇒ セルバンテス文化センター春期講座

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by Megumi_Tani | 2017-04-09 12:21 | 講座/セミナー | Comments(0)

セルバンテス文化センター春講座のお知らせ   

セルバンテス文化センターにて、2017年春期の歌クラスを開講します。

5月12日、19日(金19:00~20:30)『アマポーラをスペイン語で歌おう♪』
6月9日、23日(金19:00~20:30)『魅惑のスペイン歌曲Ⅲ』
いずれも2回セット 受講料6,000円

詳細HPをご覧ください。ご参加をお待ちしています!
スペイン語の歌のクラス』@セルバンテス文化センター
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by Megumi_Tani | 2017-04-05 13:51 | 講座/セミナー | Comments(0)

ディアギレフとファリャ   

3月31日「今日はセルゲイ・ディアギレフ生誕145年ですよ」と、Googleが教えてくれた。Googleだけではない。YAHOOといい、Facebookといい、本当にマメで親切?だ。「今日は〇〇の日です」「こんな事件がありました」「これはいかがですか?」「あなたにお薦めは△△です」etc。あえてこちらから訊かなくても、ああでもない、こでもないと勝手に伝えて来る。時に便利、時に煩雑、時に厄介、時に危険…。

e0172134_16312565.jpgさて、そのディアギレフといえば、思い浮かぶのは、
ファリャのバレエ音楽『三角帽子』だ。

1916年、ロシア貴族の末裔にしてロシア・バレエ界の大立者、ディアギレフがマドリードを訪れ、ファリャに『スペインの庭の夜』のバレエ化を依頼した。ファリャは、この作品はバレエには不向き、と断り、代わりに、パントマイム版『お代官様と粉屋の女房』を提案。第一次世界大戦下の様々な混乱の後、一旦完成した『お代官様と粉屋の女房』を大幅に改作、改編。出来上がった作品が『三角帽子』だ。1919年、ロンドンのアランブラ劇場にて、指揮:エルネスト・アンセルメ、振付:レオニード・マシーン、舞台・衣装:パブロ・ピカソで初演された。

『三角帽子』フィナーレ 1997年マドリードでの公演より


黒づくめの服で厳めしい印象のファリャが、こんなファンタスティックな作品を書いたことは興味深い。『お代官様と粉屋の女房』から『三角帽子』への改作の課程で、ディアギレフは大いに口を出し、影響力を発揮した。敏腕芸術プロデューサーとして大ヒットを飛ばしたいディアギレフと、内向的、質素、清貧の人生を貫いたファリャ。おそらく二人は正反対の性格の持ち主だったことだろう。どちらの存在なくしても、バレエ音楽『三角帽子』は生まれなかった。

ロンドンでの初演当日、リハーサルの途中にファリャは電報を受け取る。「ママキトク、スグカエレ」晴れの本番、幕が上がる前に、彼は列車で出発した。出演者一同が舞台衣装のまま駅まで送ってくれたという。しかし彼は間に合わなかった。移動中の列車の中で、母の死を知る。

もうひとつ、哀しいエピソードが残されている。振付を担当したマシーンは、踊りの構想を練るためにグラナダを旅し、ひとりの青年と出会った。素晴らしいバイラオール:フラメンコの踊り手である。『三角帽子』のプランを聞いた青年は、マシーンに全面協力、熱心にフラメンコの技法を伝授する。この間、二人の間でどんな会話が交わされたのか…。
青年は、『三角帽子』完成の暁には、自分が主役を踊れるものと思い込んでいた。しかし晴れの初演舞台に、青年の出番は用意されていなかった。それどころか、彼が心待ちにしていた主役を踊るのは、ほかならぬマシーン、その人だった。青年はショックのあまり広場で踊り続け、そのまま気がふれてしまったという。

マシーン振付のダンス@パリ・オペラ座

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by Megumi_Tani | 2017-04-02 17:15 | スペイン音楽 | Comments(0)

祝!Hanyu選手   

昨41月1日、ヘルシンキで開催された『フィギュアスケート世界選手権』で、羽生結弦選手が優勝した。ショート5位からの大逆転。

愉快だったのは、スペイン国営放送が日本より速く動画をアップ公開したこと。
スペイン人解説者のスペイン語の感嘆の声(当たり前ですが(^^;)とともに、視られます。以下のリンクから、どうぞ。
Mundial de Patinaje El japonés Hanyu se lleva la corona mundial y Javier Fernández se queda sin medalla

Hanyu ⇒ はにゅう、は、ともかく、Yuzuru は、ゆす~る、はたまた、じゅす~る。
しかも、zu は舌を噛む。スペイン語的には、発音しにくいだろうなぁ。。。

2位宇野昌磨選手、3位ボーヤン・ジン選手、4位ハビエル・フェルナンデス選手。
誰もが4回転をクルクル回る時代 !\(◎o◎)/!
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by Megumi_Tani | 2017-04-02 12:18 | エトセトラ | Comments(0)