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『毎日メディアカフェ』のお知らせ   

時には学び、時には考え、時には語り合い…。
様々なテーマのもと、リラックスしたサロンで親しく交流する『毎日メディアカフェ』。
昨年、一昨年と登壇の機会をいただき、いずれも大好評!でした。

スペインという国は、どの地方、どの街とご縁があったかによって、印象が大きく異なります。そして興味深いことに、自分と縁があった土地について、誰もが誇りを持っています。「仕事でマドリードにしばらく住んでいてね」「サラマンカで勉強しました」「サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道を歩きましたよ」という具合に。私にとってのその誇り高き街が、バルセロナです。初めての外国、右も左も分からず、知人もいない街での冒険留学は、長い年月を経た今も、歌う私の原点、大きな支えになっています。

そのバルセロナが生んだ音楽家、グラナドスとモンポウの各々生誕150年、没後30年に当たる今年、毎日メディアカフェで嬉しい企画が実現しました。題して歌曲でめぐる芸術の街バルセロナ』。記念の年を迎えた二人のマエストロに敬意を表し、ゆかりの歌曲とともに、通常の観光案内とはひと味違うバルセロナをたっぷり味わっていただきます。
多彩な角度から親しく分かりやすくアプローチする毎日メディアカフェならではの企画!ぜひ皆様、お出かけくださいませ。

入場無料。要お申込み。
2017年8月30日(水)18:30~20:00
ご来場をお待ちしています!
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by Megumi_Tani | 2017-07-29 23:46 | 講座/セミナー | Comments(0)

グラナドス150回めの誕生日   

今日7月27日は、エンリケ・グラナドス150回目の誕生日にあたる。
エンリケ・グラナドス讃

エンリケ・グラナドス・イ・カンピーニャは、1867年7月27日、カタルーニャ地方レイダで生まれた。父はキューバ生まれの軍人、母はサンタンデールの人。エンリケが3歳の頃、父の新しい赴任地、サンタ・クルス・デ・テネリフェ(カナリヤ諸島)に移る。後にグラナドスは、彼の地での思い出を「まさに天国のようだった」と述懐している。しかし、3年ほど過ぎた頃、父の落馬事故、健康上の問題等により、一家はバルセロナへの転居を余儀なくされた。

息子の音楽の才能を感じ取っていた両親は、早くから音楽教育を受けさせた。グラナドスは、バルセロナで、当時もっとも偉大な音楽家だったプジョールに師事。みるみる頭角を現す。将来有望、順風満帆に見えたが、16歳の頃、父が亡くなり、生活は一変。母とともに残された家族を養うため、彼はしばしば自分のレッスンを犠牲にして、いくつかのカフェでピアニストとして働かなければならなかった。酔客の前で、時には客の歌に合わせて、ピアノを弾くグラナドス…。彼が書き残した当時の言うに言われぬストレスは、まさに我ら凡人と同じ。いたく共感、ニンマリしてしまう。彼はカフェでも人気者だった。

自ら働いて学資を貯め、才能を高く買ってくれた篤志家の援助もあり、グラナドスは20歳でパリへ渡る。シャルル・ベリオに師事し、個人レッスンを受けながら、アルベニス、フォーレ、ドュビッシー、ラベル、ドュカス、サン・サーンスら音楽仲間と親交を結んだ。絵画にも興味を示し、画家達とも交流。芸術の都で、同郷の友人、ビーニェス、マラッツらと青春を謳歌した。

約2年間のパリ滞在を経て帰国。以後は、故郷バルセロナを舞台に、ピアニスト、作曲家、教育者として大活躍した。カザルス、ニン、ファリャら、今日私達がよく知るスペインの音楽家達も、グラナドスを深く敬愛していた。

渾身のオペラ《ゴイエスカス》ニューヨーク初演大成功を見届け、数々の栄誉を手にし、人々の称賛を受け、安堵して故郷バルセロナへ帰る途中、第一次世界大戦の犠牲となり、妻とともに英仏海峡の露と消えたグラナドス。
そのあまりにもドラマティックな最期ゆえか、彼の青春時代が語られる機会は少ない。
しかしピアノに夢中になり、カフェでのアルバイトに溜息をつきながらも夢を諦めず、パリで鋭意レッスンに励み、師や友人と深く心を結び、時にはお洒落して街を闊歩する…。そんな若き日のグラナドスの姿もまた私を魅了してやまない。

昨年は没後100年、そして今年は生誕150年。グラナドス記念の年に、現役の歌い手でいられたことを幸せに思う。11月のリサイタルでは、ぜひ佳き演奏をお届けしたい。

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪

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by Megumi_Tani | 2017-07-27 13:06 | スペイン音楽 | Comments(0)

海のマリアちゃん   

知人の紹介?で、突然、とある母娘のご訪問を受けた。バルセロナ近郊在住、日本への里帰りを終えて間もなく帰国されるという。私がスペイン歌曲を歌っていると知り、嬉しいことに!わざわざ会いに来てくださったのだ。お母さんの隣りには、音楽院でピアノを勉強しているという娘さんがニコニコして立っている。ピアノはピアノでも伴奏が大好き、とのこと。「歌はね、伴奏が上手いと、100万倍上手に歌えるの。ガンバってね!」と、力を込めてエールを送った。こんなに若い時からアンサンブルが好きとは頼もしい。

「11月に日本にいれば、何が何でもリサイタルをお聴きしたいのに…。残念です」と、お母さん。そういえば、昨年のリサイタル終演後、見ず知らずの女性から声をかけられた。バルセロナで長く暮らして帰国。日本での暮らしは落ち着いたけれど、バルセロナが恋しくて仕方がない。何か、何か、、、と情報を探しているうちに、私のリサイタルを見つけられたとのこと。「今日は聴かせていただいて本当によかったです」満面の笑みを浮かべて仰る言葉を聞き、私も嬉しくなった。

昨夜は、日本・カタルーニャ友好親善協会のテルトゥーリアに参加した。吉祥寺のスペイン料理店ドス・ガトスのオーナーシェフ、高森敏明さんの講演の後、カバとワインとお料理でワイワイガヤガヤ。会の名称の通り、このイベントに集まる人はカタルーニャ好き、バルセロナ好きが多い。外国とご縁が出来る際、それがどの国になるか。スペインの場合は特に、スペインのどの街と、どの地方とご縁が出来るか、によって、まるで様相が変わってくる。「偶然はありません。あなたが私達の国に来たのは必然だったのです」と、昨夜初めてお目にかかった紳士は、どこかの国の人に言われたそうだ。

さて、突然訪ねて来てくれたお母さんと娘さん。別れ際に、娘さんのお名前を聞いた。
「マリア・デル・マールです」
「え?マリア・デル・マールって…。知っている?あの…」
「はい!あの教会、あの本ですよね。分厚くて日本には持ってこられなかったけれど、夢中で読んでいます」
驚いた。つい二日前、オペラ・ブック・カフェで、その分厚い本、〈海のカテドラル〉をご紹介したばかり。ピアノ好きの可愛いお嬢さんのお名前は、その小説の舞台、海の聖母教会~サンタ・マリア・デル・マールに由来するマリア・デル・マール~海のマリアちゃん、だったのだ。

蒸し暑い日本の風に紛れて、かすかに、でも、確かに、バルセロナの風が吹いている。
五感を研ぎ澄ませて、佳い歌を歌いたい。

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪

海の聖母教会


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by Megumi_Tani | 2017-07-19 23:41 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

オペラ・ブック・カフェ   

オペラ・キュレーター井内美香さん主催〈オペラ・ブック・カフェ〉にお邪魔した。井内さんとは、昨年暮れ〈カルメン勉強会〉でお目にかかったのがご縁。「スペインで何か面白い本はありませんか?オペラと関係なくても構いません」と、お誘いいただき、本好きの虫がウズウズ。無理やり時間を空け、参加させていただくことにした。

出席者各々が自分のお気に入りの本、お薦めの本1冊について自由に語る会。オペラ、クラシック音楽全般、オペラ日めくり事典から音楽家裏話、精神分析、ギリシャ神話、村上春樹まで、登場する本は様々。熱のこもった解説を含めてのご紹介はとても興味深い。オペラ原作本を読むお薦めも。本の話題の合間には、会を共催されている坂元勇仁氏の質問を通して、オペラ公演の舞台裏など、普段は聞けない話もあれこれ。オペラでもリサイタルでも、裏を固めるスタッフの強力なサポート無しに公演の成功はありえないことを、あらためて実感。 
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11月のリサイタルをご案内くださったので、オペラ《カルメン》のハバネラ〈恋は野の鳥〉と〈エル・アレグリート〉にまつわるエピソードを再度ご紹介させていただいた。
さすがオペラ通の皆様!〈エル・アレグリート〉に興味津々。《カルメン》といえば、先日ビクトリア・デ・ロス・アンへレスの復刻新盤が出たばかり。〈エル・アレグリート〉のおかげで、長年遠い親戚のように感じていたカルメンが、ごく親しい従妹?従姉?のような存在に変わった。秋に歌うのが楽しみ♫ オペラ好きの方々の中にも「スペイン歌曲をぜひ聴いてみたいです」「モンポウ、大好き!」と仰る方がいらっしゃったのは嬉しい限り。これを機に、ぜひスペインの魅力にも触れていただきたい。

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪

さて、リクエストにお応えして?私がご紹介した、オペラとも音楽とも関係のない本は,
イルデフォンソ・ファルコネス著〈海のカテドラル〉
中世バルセロナを舞台にした歴史エンターテイメント小説。バルセロナ・ファン必読の書!「ダウントン・アビー」風にドラマ化したら、きっと面白いのになぁ。。。
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by Megumi_Tani | 2017-07-16 21:15 | 本の窓 | Comments(0)

グラナドスの合唱曲〈星の歌〉   

今年は、エンリケ・グラナドス生誕150年記念の年。1987年7月27日、カタルーニャ地方レリダで生まれたグラナドスは、バルセロナで修行後、パリで学び、スーパー・ピアニスト、作曲家として人気を博した。1916年、オペラ《ゴイエスカス》ニューヨーク初演に立ち会うため渡米。公演の大成功を見届け、バルセロナへ帰る途中、乗っていた船がドイツ潜航艇の爆撃を受け、命を落とした。
エンリケ・グラナドス賛』『グラナドス101回目の命日

グラナドス150回目の誕生日にあたる7月27日、めずらしいアンサンブル作品を集めたコンサートが開かれる。
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グラナドスの歌のための作品といえば、〈昔風の粋な歌曲集〉、〈愛の歌曲集〉、オペラ〈ゴイエスカス〉が挙げられるが、ほかにもカタルーニャ語によるロマンティックな歌曲、お洒落な小曲など、グラナドスならではの味わい深い作品が残されている。この夜演奏されるのは、カタルーニャ語による合唱曲〈星の歌~Cant de les estrelles〉。朗々と奏でられるピアノ前奏が、いかにもグラナドスらしい作品だ。プログラム前半には、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ、ピアノ三重奏曲、ピアノ五重奏曲と、こちらも滅多に聴く機会のないアンサンブル作品が演奏される。
グラナドス・フアンの方、ぜひ!お出かけ下さい。


「パパは日本が大好きだったのよ」1985年、グラナドスの愛娘ナタリアさんにお目にかかった折の言葉が蘇ります。「ナタリアさん、私たちもパパの音楽が大好きですよ…」
11月17日リサイタルでは、人気の〈悲しみにくれるマハ〉に加えて、リサイタル初演〈歌~Canción〉〈ヒターノの唄~Canto gitano〉〈愛の歌~Canço d'amor〉を歌います。お楽しみに!

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪

モデルニズモ浪漫~グラナドス×ラモン・カザス



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by Megumi_Tani | 2017-07-13 13:36 | スペイン音楽 | Comments(0)

ビクトリア・デ・ロス・アンへレス《カルメン》新譜   

ビクトリア・デ・ロス・アンへレスが歌うカルメンの新譜が発売された。1958年録音、トーマス・ビーチャム指揮の名盤を最新のSACDで楽しめる。

歌劇《カルメン》(全曲)
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ブックレット冒頭、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスならではのカルメンの魅力について、オペラ研究家岸純信氏が非常に興味深い文章を寄せられている。私が通訳させていただいた折の体験談もご紹介くださった。

国を超え、時代を超え、絶大な人気を誇るオペラ《カルメン》。世界中の名だたるソプラノ、メゾ・ソプラノが名演、名録音を残している。ビクトリア・デ・ロス・アンへレスにとっても、この役は格別だったに違いない。1980年代後半、来日の折にも、ハバネラ〈恋は野の鳥〉、セギディーリャ〈セビーリャの砦近くで〉は、本プロ、あるいはアンコールの定番だった。そして、1994年、バルセロナのリセウ歌劇場焼失の際の演奏会でも、彼女はカルメンを歌っている。

1972年、49歳


1978年、55歳


1994年、71歳 リセウ歌劇場焼失にニュース映像とともに


今回発売SACDの音源は1958年の録音。ビクトリア・デ・ロス・アンへレス、35歳の名唱をご堪能いただきたい。

今秋リサイタルでは、上述のハバネラ〈恋は野の鳥〉の生みの親?生みの歌?〈エル・アレグリート〉を歌う。蒸し暑さと戦いながら(^^;; 準備に奔走する今、この新譜が発売されたことは嬉しい偶然!「ありがとうございます!」と、思わず、天に叫びたくなる。

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪


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by Megumi_Tani | 2017-07-06 20:21 | Musica あれこれ | Comments(0)