第19回リサイタル   

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『谷 めぐみが歌う 魅惑のスペイン~なんと哀しく なんと愛しく』カノン工房でチケット発売になりました。バロック時代の古典歌曲、昨年大きな反響を呼んだセファルディーの歌(ピアノアレンジ版)、そして「わが心のアランフェス」「グラナダ」「アンダルーサ」「ラ・パロマ」などスペインのヒット・メロディーの数々。変幻自在、色あざやかな歌の世界をご堪能くださいませ。
http://www.atelier-canon.jp/
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# by Megumi_Tani | 2009-07-16 12:52 | リサイタル | Comments(2)

代役なし   

土曜日夕方、選挙戦最終日、ウグイス嬢の美しくハリのある声が聞こえてくる。「○○本人が最後のお願いに上がりました!」車から身を乗り出しマイクを握る立候補者ご本人「皆様にご挨拶させていただきます。あと一歩でございます」声が出ない。必死の思いは伝わって来る。しかし喉は連日の酷使に耐え切れずダウンだ。ウグイス嬢の代わりはいる。シフトを組むことも出来る。しかし候補者の代わりはいない。「本人」は、ただひとりである。声が枯れようが、つぶれようが、叫び続けるしかないのだ。

代役なし、という点では、演奏会も同じである。ある往年の名音楽家は、世界各国への演奏旅行の際、自分が食べたことのないものは、それがいかに高級かつ美味とされる食材であろうとも、本番が終わるまで決して口にしなかったそうだ。万が一体調をくずしたら舞台に穴を開けてしまうからだ。代役はいないのである。

故郷コンサート目前。準備、練習の日々が続いている。蒸し暑い夏、クーラーは喉の大敵である。室温を極めて高く!設定し、汗だくになって歌う。もくもくと歌う。なかなか体力の要る作業である。「くたびれた~」と思わず愚痴る私に、「代わってあげるわけにいかないしね」と友人が申し訳なさそうに言った。そう、本番だけではない。練習にも代役はいないのだ。本人が歌うしかない。ただひたすら、ひたすら…。ちょっと代わってもらえると、とてもとても助かるのだけれど。
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# by Megumi_Tani | 2009-07-13 08:19 | エトセトラ | Comments(3)

日記   

昔から日記をつけるのは苦手だ。何度かチャレンジしたが、止めてしまった。書く作業が嫌いなわけではない。ああでもない、こうでもない、と、自分の思いを書き残すのが嫌なのだ。折々の出来事だけを箇条書き風にすれば…と試みたこともあるが、それはそれで退屈で続かなかった。

自分の痕跡を残すのが嫌なのかもしれない。「あとかたもなく消えてしまいたい願望」があるのかもしれない。その秘かな願いの証しか?私は職業に反して、写真の数が極めて少ない。仕事で「写真を出してください」と言われると困る(関係者の皆さん、ごめんなさい)。ライブCD制作の時もひどく迷った。「作れ、作れ」と勧められ、やっと重い腰をあげた。

そんな私の歌修行日記「Hola!バルセロナ」連載が続いている。
http://www.e-yakushiyo.net:80/Hola_B.htm

年月を経たから書けるのか?懐かしい思い出だから書けるのか?日記のような、淡いセピア色の物語のような…。いろいろな方に「楽しみに読んでいますよ」と言っていただくが、実は、一番楽しませていただいているのは、私本人かもしれない。悪戦苦闘のドタバタ留学。だが、私にとっては宝物の時間である。

悔やまれることがある。当時の具体的な記録(例えば、地下鉄の回数券がいくらだったとか、パンをいくらで買ったとか…)があれば、日記の内容がより鮮明になっていただろう。そんな細かい数字は、年月とともに記憶の彼方に消えてしまった。残念である。ただ…、昔からソフトクリームが大好きな私。バルセロナ到着の数日後、誰の助けも借りず、初めてひとりで買ったソフトクリームが75ペセタだったこと!これだけは忘れられない。夕暮れのパセオ・デ・グラシア、デパート前の売り場、その値札まで目に焼きついている。
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# by Megumi_Tani | 2009-07-08 14:21 | エトセトラ | Comments(0)

Vaya con Dios   

年に何度か所用で出かける場所の近くに、由緒ある日本紙の老舗がある。落ち着いた色合いの様々な和紙、美しく結ばれた水引、便箋、封筒、趣向をこらした和紙の小物…眺めるのが楽しみだった。先日久しぶりに通りがかると、見事な筆字で「閉店セール」と掲示されている。驚いて中に入ってみた。商品の棚には、もうあちらこちらに空間が出来ている。「いい紙は筆をおろせば、すぐ分かるのよ」と言いながら、書家らしい方が高級半紙をまとめ買いしていた。申し訳ないことだが、これまで私は目の保養をさせていただくばかりで、この店で一度も買い物をしたことがない。しかし今日はささやかでも何か…と思い、棚にあった封筒を差し出した。店主は、それはそれは丁寧に包装してくださり、見ず知らずの私に「長い間ありがとうございました」と深々と頭を下げられた。「こちらこそありがとうございました。どうぞお元気で」と申し上げると「お名残り惜しゅうございます」と、少し潤んだ目で微笑まれた。思わず胸がいっぱいになった。

今、NHKカルチャーセンター八王子教室では「Vaya con Dios」を練習中である。「さようなら」の意だが、「con Dios~神様とともに」があることで、何となくホッとする。出会いに感謝し、相手の未来を信じ、願う心が秘められているような気がする。いつの時も「さようなら」は寂しい。「Vaya con Dios~ごきげんよう。あなたの幸せを祈ります」深い思いをこめて、さらりと言ってみたい。
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# by Megumi_Tani | 2009-06-22 23:11 | エトセトラ | Comments(6)

変わらぬ心   

何名か、二十年来の生徒さんがいる。結婚、離婚、病気、引越し、就職、転職…。人生の様々な場面に遭遇しながら、決して休むことなくレッスンに通い続けた。その中のひとりが「どんな時も、先生はいつも変わらず待っていてくれた」と、私に言ったことがある。その言葉を、そのまま彼女達に贈りたい。どんな時も変わらぬ心でレッスンにやって来た熱意、心意気、努力。一年や二年の年月ではない。これはもう師弟の枠を越えている。お互いの人生へのrespeto(敬意)、幸せを願う心がある。

私は、かなりトンチンカンな人間である。そんな私の歌を、沢山の人が支えてくれている。陰になり日向になり、どころか、ただ陰で黙って私の歌を信じ、温かく見守ってくれる人達。その変わらぬ心に励まされ、勇気づけられ、やっと歩いてきた。時空を越えて変わらぬ心、その見えない大きな力に支えられて、今がある。夏の故郷コンサートでは、普段は会えない懐かしい方々との再会が楽しみである。
http://www.e-yakushiyo.net/Tani_Megumi-IP-Hokkaido-01.htm

誰にだって、いろんな時がある。それはそれでいい。そんなことを越えて、変わらぬ心で生きていたい。変わらぬ心を大切にしたい。手のひらを反す、は、苦手である。そういえば「わたし、バカよね~♪」で始まる歌があった。タイトルは『心変わり』? 同じ道産子のあの歌い手さん、最近さっぱり顔を見なくなった…。
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# by Megumi_Tani | 2009-06-14 10:44 | 思い&想い | Comments(4)