セルバンテス文化センター春講座のお知らせ   

セルバンテス文化センターにて、2017年春期の歌クラスを開講します。

5月12日、19日(金19:00~20:30)『アマポーラをスペイン語で歌おう♪』
6月9日、23日(金19:00~20:30)『魅惑のスペイン歌曲Ⅲ』
いずれも2回セット 受講料6,000円

詳細HPをご覧ください。ご参加をお待ちしています!
スペイン語の歌のクラス』@セルバンテス文化センター
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# by Megumi_Tani | 2017-04-05 13:51 | 講座/セミナー | Comments(0)

ディアギレフとファリャ   

3月31日「今日はセルゲイ・ディアギレフ生誕145年ですよ」と、Googleが教えてくれた。Googleだけではない。YAHOOといい、Facebookといい、本当にマメで親切?だ。「今日は〇〇の日です」「こんな事件がありました」「これはいかがですか?」「あなたにお薦めは△△です」etc。あえてこちらから訊かなくても、ああでもない、こでもないと勝手に伝えて来る。時に便利、時に煩雑、時に厄介、時に危険…。

e0172134_16312565.jpgさて、そのディアギレフといえば、思い浮かぶのは、
ファリャのバレエ音楽『三角帽子』だ。

1916年、ロシア貴族の末裔にしてロシア・バレエ界の大立者、ディアギレフがマドリードを訪れ、ファリャに『スペインの庭の夜』のバレエ化を依頼した。ファリャは、この作品はバレエには不向き、と断り、代わりに、パントマイム版『お代官様と粉屋の女房』を提案。第一次世界大戦下の様々な混乱の後、一旦完成した『お代官様と粉屋の女房』を大幅に改作、改編。出来上がった作品が『三角帽子』だ。1919年、ロンドンのアランブラ劇場にて、指揮:エルネスト・アンセルメ、振付:レオニード・マシーン、舞台・衣装:パブロ・ピカソで初演された。

『三角帽子』フィナーレ 1997年マドリードでの公演より


黒づくめの服で厳めしい印象のファリャが、こんなファンタスティックな作品を書いたことは興味深い。『お代官様と粉屋の女房』から『三角帽子』への改作の課程で、ディアギレフは大いに口を出し、影響力を発揮した。敏腕芸術プロデューサーとして大ヒットを飛ばしたいディアギレフと、内向的、質素、清貧の人生を貫いたファリャ。おそらく二人は正反対の性格の持ち主だったことだろう。どちらの存在なくしても、バレエ音楽『三角帽子』は生まれなかった。

ロンドンでの初演当日、リハーサルの途中にファリャは電報を受け取る。「ママキトク、スグカエレ」晴れの本番、幕が上がる前に、彼は列車で出発した。出演者一同が舞台衣装のまま駅まで送ってくれたという。しかし彼は間に合わなかった。移動中の列車の中で、母の死を知る。

もうひとつ、哀しいエピソードが残されている。振付を担当したマシーンは、踊りの構想を練るためにグラナダを旅し、ひとりの青年と出会った。素晴らしいバイラオール:フラメンコの踊り手である。『三角帽子』のプランを聞いた青年は、マシーンに全面協力、熱心にフラメンコの技法を伝授する。この間、二人の間でどんな会話が交わされたのか…。
青年は、『三角帽子』完成の暁には、自分が主役を踊れるものと思い込んでいた。しかし晴れの初演舞台に、青年の出番は用意されていなかった。それどころか、彼が心待ちにしていた主役を踊るのは、ほかならぬマシーン、その人だった。青年はショックのあまり広場で踊り続け、そのまま気がふれてしまったという。

マシーン振付のダンス@パリ・オペラ座

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# by Megumi_Tani | 2017-04-02 17:15 | スペイン音楽 | Comments(0)

祝!Hanyu選手   

昨41月1日、ヘルシンキで開催された『フィギュアスケート世界選手権』で、羽生結弦選手が優勝した。ショート5位からの大逆転。

愉快だったのは、スペイン国営放送が日本より速く動画をアップ公開したこと。
スペイン人解説者のスペイン語の感嘆の声(当たり前ですが(^^;)とともに、視られます。以下のリンクから、どうぞ。
Mundial de Patinaje El japonés Hanyu se lleva la corona mundial y Javier Fernández se queda sin medalla

Hanyu ⇒ はにゅう、は、ともかく、Yuzuru は、ゆす~る、はたまた、じゅす~る。
しかも、zu は舌を噛む。スペイン語的には、発音しにくいだろうなぁ。。。

2位宇野昌磨選手、3位ボーヤン・ジン選手、4位ハビエル・フェルナンデス選手。
誰もが4回転をクルクル回る時代 !\(◎o◎)/!
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# by Megumi_Tani | 2017-04-02 12:18 | エトセトラ | Comments(0)

ミツバチのささやき / エル・スール   

ビクトル・エリセ監督『ミツバチのささやき』『 エル・スール』のデジタルリマスター版が劇場初公開されている。

ミツバチのささやき』は、とある小さな村で暮らす幼い姉妹と両親の物語。主人公の少女をはじめ、登場人物ひとりひとりの心の迷宮が、静かに、丁寧に描かれていく。原題は『El espíritu de la colmena~ミツバチの精霊』。フランコ政権下で制作、沈黙のメッセージが込められた、といわれる作品だ。



エル・スール』の「スール~sur」とは「南」の意。心に秘密を潜めた家族の年月が、娘の語りで明かされていく。家族が住む「北」と父のルーツであるらしい「南」、父と父を大好きな娘の葛藤、母の苦しみ、父の乳母が語る内戦前と内戦後の矛盾、相克…。

音楽も耳を惹きつける。「南」のテーマとして、グラナドス『スペイン舞曲第5番アンダルーサ』が繰り返し流れ、父がカフェで秘密の手紙を書く場面では、同じくグラナドス『オリエンタル』が響く。カフェの店名が「オリエンタル」という設定だ。初聖体拝受式後の宴で、父と娘がパソ・ドブレを踊る。同じパソ・ドブレが父と娘の最後の別れの場面でも象徴的に使われている。そうそう、ホテルの結婚式では、「ラ・クンパルシータ」も聞こえていた。

そして、主人公エストレリャの小さな星形の指輪。「エストレリャ~Estrella」とは「星」の意。「私はエストレリャよ」星形の指輪は、そんな少女の強い意思にも感じられる。

初聖体拝受式の後、父と娘がパソ・ドブレを踊る場面


「南」のテーマ「スペイン舞曲第5番アンダルーサ」


とにかく映像が美しい。ひとつひとつの場面があたかも柔らかく繊細な絵画のよう。全体を深く支配する漆黒の闇、沈黙、秘密、哀しみ、悼み…。いつの間にか、こちらも迷宮に誘い込まれてしまいます。

3月25日に公開されたばかり。昔ご覧になった方も、もう一度いかがですか?
ユーロスペース
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# by Megumi_Tani | 2017-03-31 00:00 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

101回めの命日   

昨日3月24日は、エンリケ・グラナドス101回目の命日だった。

ニューヨークでオペラ『ゴイエスカス』初演の大成功に立ち会い、数々の賛辞を受け、ホワイトハウスにも招かれ、安堵と喜びに満たされてバルセロナへ帰る、その途中、グラナドス夫妻が乗った船は英仏海峡でドイツ潜航艇の無差別攻撃を受け、沈没した。いったん救助されかかったグラナドスだったが、波間でもがく妻アンパロを見つけ、彼女を助けようと、再び海へ…。二人の姿が戻ることはなかった。

グラナドスは泳げなかった。そもそも海が嫌いだった。ニューヨークへの船旅も渋っていたが、第一次世界大戦勃発のために、いつまでたっても日の目を見ない『ゴイエスカス』の初演を、メトロポリタン歌劇場が引き受けてくれたのだ。行かないわけにはいかない。いや、何が何でも行きたかっただろう。『ゴイエスカス』は、グラナドスが愛したマハとマホの世界そのものの物語だったのだから。しかし、意を決して敢行したその船旅で命を落とすことになった。哀しい戦争の犠牲だ。

後日談が残されている。グラナドスの息子のひとりは、水泳100メートル自由形のスペイン・チャンピオンになった!彼の妻も水泳のチャンピオンであり、彼らの息子達-グラナドスの孫にあたる-も、長距離と短距離の選手になった。突然の海での悲劇に襲われたグラナドス一家。しかし子ども達は「水」に負けなかった。それどころか、水に親しみ、水を制覇してみせたのだ。「おじいちゃんとおばあちゃんは船の事故で亡くなった。でも、もしも泳げれば、助かっていたかもしれない。そう思って、パパは一生懸命水泳のトレーニングに励んだんだ。お前達も頑張るんだよ」と、グラナドスの息子さんがそのまた二人の息子さんに語ったのでは…。などと思いを巡らすと、ふと心が和む。

昨年は没後100年、そして今年は生誕150年。グラナドスの記念の年に現役の歌い手でいられたことを心から幸せに思う。秋11月のリサイタルでは、人気の作品に加えて、日本ではほとんど知られていない隠れた名歌を捧げたい。

グラナドス夫妻、最後の写真
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# by Megumi_Tani | 2017-03-25 23:31 | スペイン歌曲 | Comments(0)