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1119♪ 永遠の別れの歌   

第26回リサイタル《スペイン浪漫Ⅲまで、今日でちょうど3カ月になりました。早々にチケットをお求めくださった皆様、「行きますよ~!」「前半だけしか聴けないかもしれないけれど…楽しみにしています!」「友達、誘います」etc.のメッセージをお送りくださった皆様、ありがとうございます。

正直なところ、バルセロナ・ショックが続いています。
Visca! Barcelona!
こんな時だからこそ、バルセロナゆかりの歌を、より大切に歌いたい、と思います。

さて、3か月前の節目の今日から、当日演奏曲目についてあれこれ綴ってまいります。
本日ご紹介の作品:
グラナドス〈悲しみにくれるマハⅡ・Ⅲ〉
モンポウ〈君の上にはただ花ばかり〉

この両作品、いずれも恋人との永遠の別れを歌った、スペイン歌曲の中でも屈指の名曲です。グラナドス〈悲しみにくれるマハⅡ・Ⅲ〉では、下町の粋な女マハが恋人マホの死を嘆き、モンポウ〈君の上にはただ花ばかり〉では、恋人を喪った青年が彼女の胸の上で枯れていく百合の花になりたい、と、切々と語ります。モンポウの柔らかく流れるメロディーに対して、グラナドスのスタイリッシュな激情型メロディー。恋人の死を儚み、夢か現か、心が虚空に溶けていくようなモンポウの世界に対して、グラナドスのヒロイン、マハは、恋人の死を受け入れられず、葛藤し、苦しみ、最後には、この世に自分の恋人マホほど素敵な男はいない、と、凛と歌い切ります。ゴヤが描くマハとマホの世界に憧れた、グラナドスの面目躍如というところでしょうか。同じバルセロナが生んだ作曲家、同じ恋人との永遠の別れの歌でもこんなに違う!その妙味をお楽しみください。

〈君の上にはただ花ばかり〉


〈悲しみにくれるマハⅡ〉


〈悲しみにくれるマハⅢ〉


第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!

入場無料。要お申込み。
ご来場をお待ちしています!


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by Megumi_Tani | 2017-08-19 21:09 | リサイタル | Comments(0)

グラナドス150回めの誕生日   

今日7月27日は、エンリケ・グラナドス150回目の誕生日にあたる。
エンリケ・グラナドス讃

エンリケ・グラナドス・イ・カンピーニャは、1867年7月27日、カタルーニャ地方レイダで生まれた。父はキューバ生まれの軍人、母はサンタンデールの人。エンリケが3歳の頃、父の新しい赴任地、サンタ・クルス・デ・テネリフェ(カナリヤ諸島)に移る。後にグラナドスは、彼の地での思い出を「まさに天国のようだった」と述懐している。しかし、3年ほど過ぎた頃、父の落馬事故、健康上の問題等により、一家はバルセロナへの転居を余儀なくされた。

息子の音楽の才能を感じ取っていた両親は、早くから音楽教育を受けさせた。グラナドスは、バルセロナで、当時もっとも偉大な音楽家だったプジョールに師事。みるみる頭角を現す。将来有望、順風満帆に見えたが、16歳の頃、父が亡くなり、生活は一変。母とともに残された家族を養うため、彼はしばしば自分のレッスンを犠牲にして、いくつかのカフェでピアニストとして働かなければならなかった。酔客の前で、時には客の歌に合わせて、ピアノを弾くグラナドス…。彼が書き残した当時の言うに言われぬストレスは、まさに我ら凡人と同じ。いたく共感、ニンマリしてしまう。彼はカフェでも人気者だった。

自ら働いて学資を貯め、才能を高く買ってくれた篤志家の援助もあり、グラナドスは20歳でパリへ渡る。シャルル・ベリオに師事し、個人レッスンを受けながら、アルベニス、フォーレ、ドュビッシー、ラベル、ドュカス、サン・サーンスら音楽仲間と親交を結んだ。絵画にも興味を示し、画家達とも交流。芸術の都で、同郷の友人、ビーニェス、マラッツらと青春を謳歌した。

約2年間のパリ滞在を経て帰国。以後は、故郷バルセロナを舞台に、ピアニスト、作曲家、教育者として大活躍した。カザルス、ニン、ファリャら、今日私達がよく知るスペインの音楽家達も、グラナドスを深く敬愛していた。

渾身のオペラ《ゴイエスカス》ニューヨーク初演大成功を見届け、数々の栄誉を手にし、人々の称賛を受け、安堵して故郷バルセロナへ帰る途中、第一次世界大戦の犠牲となり、妻とともに英仏海峡の露と消えたグラナドス。
そのあまりにもドラマティックな最期ゆえか、彼の青春時代が語られる機会は少ない。
しかしピアノに夢中になり、カフェでのアルバイトに溜息をつきながらも夢を諦めず、パリで鋭意レッスンに励み、師や友人と深く心を結び、時にはお洒落して街を闊歩する…。そんな若き日のグラナドスの姿もまた私を魅了してやまない。

昨年は没後100年、そして今年は生誕150年。グラナドス記念の年に、現役の歌い手でいられたことを幸せに思う。11月のリサイタルでは、ぜひ佳き演奏をお届けしたい。

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪

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by Megumi_Tani | 2017-07-27 13:06 | リサイタル | Comments(0)

グラナドスの合唱曲〈星の歌〉   

今年は、エンリケ・グラナドス生誕150年記念の年。1987年7月27日、カタルーニャ地方レリダで生まれたグラナドスは、バルセロナで修行後、パリで学び、スーパー・ピアニスト、作曲家として人気を博した。1916年、オペラ《ゴイエスカス》ニューヨーク初演に立ち会うため渡米。公演の大成功を見届け、バルセロナへ帰る途中、乗っていた船がドイツ潜航艇の爆撃を受け、命を落とした。
エンリケ・グラナドス賛』『グラナドス101回目の命日

グラナドス150回目の誕生日にあたる7月27日、めずらしいアンサンブル作品を集めたコンサートが開かれる。
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グラナドスの歌のための作品といえば、〈昔風の粋な歌曲集〉、〈愛の歌曲集〉、オペラ〈ゴイエスカス〉が挙げられるが、ほかにもカタルーニャ語によるロマンティックな歌曲、お洒落な小曲など、グラナドスならではの味わい深い作品が残されている。この夜演奏されるのは、カタルーニャ語による合唱曲〈星の歌~Cant de les estrelles〉。朗々と奏でられるピアノ前奏が、いかにもグラナドスらしい作品だ。プログラム前半には、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ、ピアノ三重奏曲、ピアノ五重奏曲と、こちらも滅多に聴く機会のないアンサンブル作品が演奏される。
グラナドス・フアンの方、ぜひ!お出かけ下さい。


「パパは日本が大好きだったのよ」1985年、グラナドスの愛娘ナタリアさんにお目にかかった折の言葉が蘇ります。「ナタリアさん、私たちもパパの音楽が大好きですよ…」
11月17日リサイタルでは、人気の〈悲しみにくれるマハ〉に加えて、リサイタル初演〈歌~Canción〉〈ヒターノの唄~Canto gitano〉〈愛の歌~Canço d'amor〉を歌います。お楽しみに!

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪

モデルニズモ浪漫~グラナドス×ラモン・カザス



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by Megumi_Tani | 2017-07-13 13:36 | スペイン音楽 | Comments(0)

18世紀~ゴヤの時代   

日西翻訳通訳研究塾にて教養講座『スペイン史ma専科』第9回を受講した。ガラガラと崩壊の足音が聞こえ始めた前回18世紀前半に続き、今回は18世紀後半がテーマだ。

まず、近代スペイン生みの親として、今もスペイン人に敬愛されているカルロス3世登場。この王様は、啓蒙専制君主として、マドリードをはじめ各地のインフラを整備し、植民地政府内の腐敗を正し、スペインの近代化を推し進めた。

1787年、フランス革命勃発。スペインではカルロス3世が没し、次男カルロス4世が即位した。カルロス4世の妻が、スペイン史上最悪の女性?の異名をとるマリア・ルイサ・デ・ボルボン=パルマだ。彼女は夫を完全に支配し、14人の子供を産み、寵臣ゴドイと組んで権勢をふるった。わずか25歳の若さで宰相に就任したゴドイ。何が本当で何が嘘か分からない闇の時代…。

この情けない王様?カルロス4世に見出され、宮廷画家になったのがゴヤだ。


ゴヤは、今で言う報道カメラマンの役割を担い、カルロス4世~フェルナンド7世の時代のスペインを絵筆で記していった。


さて、ここからは講義の外のお話。
ゴヤ、の名が出ると、素通りできない。上記の通り、ゴヤは歴史的、政治的に貴重な作品を残しているが、彼が描いたのはそれだけではない。沢山の美しく粋な女:マハの絵姿がある。
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ゴヤが描いたマハに心奪われ、マハと伊達男マホの恋に胸ときめかせ、男女のほの暗い運命を音で描き、あたかもその運命に飲み込まれたかのごとく、英仏海峡に消えた人…グラナドス。グラナドスの遺作となったオペラ《Goyescas》は、スペルからも分かるように《ゴヤ風に》の意。代表的歌曲集《Tonadillas~昔風の粋な歌曲集》では、マハとマホの恋物語が、ショート・ストーリー風に綴られている。

今秋リサイタルでは、《Tonadillas~昔風の粋な歌曲集》の中から〈La maja dolorosa~悲しみにくれるマハ〉を演奏する。アンケートでいつも沢山のリクエストをいただく人気曲だ。歌っても、歌っても、歌うごとに悲しみが胸に迫る。大切に歌いたい。

第26回リサイタル
スペイン浪漫Ⅲ~E.グラナドス生誕150年、F.モンポウ没後30年に捧ぐ
2017年11月19日午後2時開演@Hakuju Hall(代々木八幡)
ご来聴をおまちしています♪

ゴヤが描いたマハの絵姿
~グラナドス《ゴイエスカス》より〈嘆き、または、マハと夜鶯〉










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by Megumi_Tani | 2017-06-27 23:16 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

101回めの命日   

昨日3月24日は、エンリケ・グラナドス101回目の命日だった。

ニューヨークでオペラ『ゴイエスカス』初演の大成功に立ち会い、数々の賛辞を受け、ホワイトハウスにも招かれ、安堵と喜びに満たされてバルセロナへ帰る、その途中、グラナドス夫妻が乗った船は英仏海峡でドイツ潜航艇の無差別攻撃を受け、沈没した。いったん救助されかかったグラナドスだったが、波間でもがく妻アンパロを見つけ、彼女を助けようと、再び海へ…。二人の姿が戻ることはなかった。

グラナドスは泳げなかった。そもそも海が嫌いだった。ニューヨークへの船旅も渋っていたが、第一次世界大戦勃発のために、いつまでたっても日の目を見ない『ゴイエスカス』の初演を、メトロポリタン歌劇場が引き受けてくれたのだ。行かないわけにはいかない。いや、何が何でも行きたかっただろう。『ゴイエスカス』は、グラナドスが愛したマハとマホの世界そのものの物語だったのだから。しかし、意を決して敢行したその船旅で命を落とすことになった。哀しい戦争の犠牲だ。

後日談が残されている。グラナドスの息子のひとりは、水泳100メートル自由形のスペイン・チャンピオンになった!彼の妻も水泳のチャンピオンであり、彼らの息子達-グラナドスの孫にあたる-も、長距離と短距離の選手になった。突然の海での悲劇に襲われたグラナドス一家。しかし子ども達は「水」に負けなかった。それどころか、水に親しみ、水を制覇してみせたのだ。「おじいちゃんとおばあちゃんは船の事故で亡くなった。でも、もしも泳げれば、助かっていたかもしれない。そう思って、パパは一生懸命水泳のトレーニングに励んだんだ。お前達も頑張るんだよ」と、グラナドスの息子さんがそのまた二人の息子さんに語ったのでは…。などと思いを巡らすと、ふと心が和む。

昨年は没後100年、そして今年は生誕150年。グラナドスの記念の年に現役の歌い手でいられたことを心から幸せに思う。秋11月のリサイタルでは、人気の作品に加えて、日本ではほとんど知られていない隠れた名歌を捧げたい。

グラナドス夫妻、最後の写真
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by Megumi_Tani | 2017-03-25 23:31 | スペイン歌曲 | Comments(0)

テルトゥーリア、来週です。   

日本・カタルーニャ友好親善協会開催テルトゥーリア『カタルーニャから生まれた名歌曲』が来週に迫りました。

今年、2017年は、エンリケ・グラナドス生誕150年、フェデリコ・モンポウ没後30年、各々記念の年に当たります。独自の魅力あふれる世界を通して、生地カタルーニャのみならず、スペインを代表する作曲家として音楽史に名を刻んだグラナドスとモンポウ。マエストロ二人をはじめ、カタルーニャゆかりの作曲家による名歌曲の数々を、選りすぐりのCD音源でお楽しみいただきます。今回は会場の都合でYoutubeを使えません。逆にその分、じっくりじっくり耳に集中して演奏をお味わいいただけると思います。

ビクトリア・デ・ロス・アンへレス、モンセラート・カバリェ、ホセ・カレラス…。カタルーニャからは、多くの世界的名歌手が生まれています。絶好の機会!今回は、彼らカタルーニャゆかりの歌い手による音源のみを集めました。もちろん、合間には、楽曲や作曲者に関するエピソードもご紹介。「カタルーニャから生まれた名歌曲の数々をカタルーニャから生まれた名歌手の名演で楽しむ」スペシャルなCDコンサートです。終了後は、懇親パーティで Salud!!

日本・カタルーニャ友好親善協会テルトゥーリア
『グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年-カタルーニャから生まれた名歌曲』
日時:2017年2月3日(金)18時30分~19時40分 終了後、懇親パーティー
会場:霞会館 麻布かすみ1Fサロン(港区西麻布3-2-32)
会費:会員3,500円 ビジター4,500円
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ビジター大歓迎!ただし、事前のお申し込みが必要です。お名前に電話番号を添えて、日本・カタルーニャ友好親善協会までお申し込みください。アドレス:info@ajac.ne.jp
締め切り:1月30日(月) 

こちらに関連ブログをまとめてあります。⇒ Tertulia 『カタルーニャから生まれた名歌曲』
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by Megumi_Tani | 2017-01-27 22:32 | 講座/セミナー | Comments(0)

『カタルーニャから生まれた名歌曲』   

2017年2月3日(金)日本・カタルーニャ友好親善協会のテルトゥーリアで講演します。
題して『カタルーニャから生まれた名歌曲』

来たる2017年は、F.モンポウ没後30年、E.グラナドス生誕150年、記念の年です。「あれ?グラナドスって今年、何かあったような…?」と思われた方、その通り!2016年はグラナドス没後100年の年でした。そして来年は、生誕150年に当たります。1867年7月27日に生まれ、1916年3月24日に命を落としたグラナドス。決して長いとはいえない人生のなかで描き出されたロマンティシズムは、優美に、粋に、どこまでも私達を魅了します。

モンポウは94歳とご長寿でした。静謐、寡黙、内気…。モンポウの音楽は、おそらくは彼のお人柄そのままに、黙して多くを語らず、己の内へ、内へと向かっていきます。独り言、ひそひそ話、ため息、時に情熱、そして諦め…。どこまでもシンプルで繊細な音楽は、まさにモンポウ独自の世界。夢かうつつか、聴く者を無限の彼方へ誘います。バルセロナ留学時代、ご自宅に伺い、あの美しい歌曲集『夢のたたかい』の演奏をマエストロご本人に聴いていただいたことは、生涯忘れられない思い出です。

グラナドス、モンポウのほかにも、カタルーニャからは、アルベニス、カザルスなど偉大な音楽家が生まれています。テルトゥーリアでは、彼らが残した名歌曲の数々をCD音源とエピソードでご紹介します。
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以下、日本・カタルーニャ友好親善協会からのご案内です。会員以外のビジターも参加OK!
要項をご覧の上、直接協会にお申し込みください。講演終了後は、ワインで乾杯しましょう。
皆様のご参加をお待ちしています。

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来年2月に当協会の講演会とパーティーが開かれます。
今回は、スペイン歌曲を専門にする谷さんより、カタルーニャを代表する作曲家たちの名曲の数々をご紹介くださいます。モンセラート修道院に伝承される歌曲集「モンセラートの朱い本」、2017年に記念の年を迎えるグラナドス、モンポウの代表曲、アルベニス、カザルス、トルドラらによる作品など、カタルーニャから生まれた名歌曲の数々を名演CDとエピソードでお楽しみいただきます。

●日時: 2017年2月3日 (金) 18:00 受付開始  18:30開始
●会場:霞会館 麻布かすみ1F サロン (住所:東京都港区西麻布3-2-32)
   地下鉄 日比谷線 六本木駅 1番出口 徒歩9分/ 地下鉄都営大江戸線 六本木駅 徒歩9分
●プログラム
講演会18:30~19:40 
   「グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年―カタルーニャから生まれた名歌曲」
   講師:谷 めぐみさん(ソプラノ歌手)
懇親パーティー*立食スタイル19:40~21:30
   (料理、ワイン・カバ・ソフトドリンクなどフリードリンク)
●参加費 : 会員 3,500円  ビジター 4,500円 当日受付でお支払い
   申込みはinfo@ajac.ne.jpまで ご氏名、電話番号を明記のうえ。
*当日のキャンセルはできませんのでご了承ください
*定員がありますので、先着順の受付とさせていただきます
*申込み締切1月30日
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by Megumi_Tani | 2016-12-28 23:04 | 講座/セミナー | Comments(0)

グラナドスに捧げた日   

「雨女バンザ~イ!」古くからのお客様がアンケートに記してくださっていた。そう、事リサイタルに関して、私は知る人ぞ知る雨女だ。これまでに何度も大雨や大雪、ひどい年は台風を当てている。週間予報で「晴れ」だった日が、突然、嵐に変わったこともあった (^^;;

今年はずっとエンリケ・グラナドスを追いかけてきた。浪漫の名にふさわしい人物像、残された興味深いエピソード、多彩な交友関係、悲劇的最期、歌曲作品はもちろんヴィルトゥオーゾぶりを髣髴とさせる数々のピアノ作品 etc。春には「毎日メディアカフェ」、夏には「セルバンテス文化センター」とセミナーを通じてマエストロ・グラナドスをご紹介。秋隣る9月19日、満を持して、第25回リサイタル『スペイン浪漫Ⅱ~エンリケ・グラナドス没後100年に捧ぐ本番を迎えた。
                                 Foto:藤本史昭
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この日もお約束の雨 (>_<) しかも三連休、敬老の日、お彼岸の入り、と、あまり芳しくない条件が重なるなか、、、、、開演の午後2時には、会場のHakuju Hallがいっぱいになった。感謝!
長年変わらずずっと聴き続けてくださっているお客様に加えて、昨今は、HPやこのブログを見て、あるいは「ぴあクラシック」「ぶらあぼ」見て、あるいはセミナーに参加して、と、初めて足を運んでくださるお客様も増えている。
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いつものようにお喋りを交えながら、プログラム前半はグラナドスの名作『昔風の粋な歌曲集』『愛の歌曲集』『スペイン舞曲第5番』を、後半は、グラナドスと様々なご縁の糸で結ばれた音楽家達の個性豊かな作品をたっぷりお楽しみいただいた。
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当日お客様からいただいたアンケートの声、一部ご紹介
●スペイン語は分からないけれど、情景が浮かんできました。
●多彩なプログラム編成で、幸せな時間でした。
それは嬉しい!
●前半はしっとり。後半はめぐみさんのトーク炸裂!思いっ切り楽しませていただきました。
●登場する音楽家の交友関係をご紹介いただき、より深く理解できました。
お喋りし甲斐があります!
●伴奏ではなく共演、と感じました。
その通り!歌い手とピアニストは「共演」しています。スーパー・ピアニストの作曲家達が作った曲はピアノ・パートが極めて難しい。浦壁信二さん、よく弾いてくれました。
●今日はグラナドスも縁の方々と一緒に音楽の時間を楽しみ、笑っていられるような気がします。
●まるで舞台上にグラナドスを囲んで楽しい語らいの時が流れているようでした。
●大切で大切で大切な人に捧げている歌だということを、しみじみ感じました。
マエストロにお喜びいただけたでしょうか。。。

お客様がフェイスブックに投稿してくださった文章を、そのまま転載させていただきます
★第一部のグラナドスに捧げられた「愛と哀の歌」では、≪昔風の粋な歌曲集≫が圧巻でした。グラナドスが思いを馳せたゴヤ(1746-1828)の時代の恋物語、情調溢れるソプラノによって遥か昔のマドリードの町へと吸い込まれます。亡きマホを偲ぶ恋慕に満ちた歌声は、舞台から主人公マハ自身がこちらに降りてくるかのようでした。甘い夢となった過去を懐かしみ現実となった悲哀がマハを襲う、生の喜び、と同時に儚さも知らされます。ジャスミンの芳しき香が漂ってきそうな≪愛の歌曲集≫は、とても上品な精細なメロディーです。スペイン舞曲〈アンダルーサ〉は、お馴染みのピアノ曲を歌で聴くと新鮮に感じられました。スペインではピアノ曲に後から歌詞が付けられることも多いそうです。

★第二部「友よ永遠なれ」は一転して、軽やかなリズムのロルカ<18世紀のセビリャ―ナス>に始まりました。ロルカのスペイン古謡を聴いたのは初めてでした。アンダルシアに住む人々の日常的な気持ち、喜怒哀楽が込められています。ロルカは、故郷グラナダ、そこに生きるジプシー達を愛し、自ら採譜した唄にピアノの伴奏を作曲したのです。アルベニスの〈カディス〉と〈舟歌〉は、そのロマンチックで流れるような音域に、地中海を思い浮かべながら、うっとり夢心地になりました。

★グラナドスは英仏海峡航行中に、第一次世界大戦ドイツの無差別攻撃に遭い命を落としました。また、ロルカはスペイン内戦が勃発するや(1936)、ビスナールのオリーブ畑でフランコ軍ファランヘ党によって銃殺されています。スペインの芸術に永遠に名を残す二人は戦争の悲惨の中消えていきましたが、こうして谷めぐみさんの透き通るような美しい歌声がホール一杯に響きわたる時、素晴らしい歌曲によって詩や音楽の世界に生き続けていると改めて実感します。アンコールの〈ラ・パロマ〉、〈鳥の歌〉もともに、谷さんのスペイン音楽への深い思いと愛、そして平和の祈りが伝わってくるリサイタルでした。

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グラナドス没後100年記念の年を歌い手として迎えさせていただいたことを幸せに思います。
ご来聴の皆様、ありがとうございました。各方面でご支援くださった皆様、心よりお礼申し上げます。またお耳にかかる日を楽しみに!
スペイン浪漫Ⅱ~エンリケ・グラナドス没後100年に捧ぐ
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by Megumi_Tani | 2016-09-27 19:01 | リサイタル | Comments(0)

グラナドス愛と哀の生涯   

「もしかすると、この船旅で命を落とすことになるかもしれないね」
オペラ『ゴイエスカス』のニューヨーク初演に立ち会うために、大嫌いな船に乗ることを決意したグラナドスは、冗談めかして、こんな言葉を吐いたという。第一次世界大戦さえ起きていなければ、パリでの初演が叶うはずだった。しかし戦火は広がるばかり。ヨーロッパは混乱の渦中にあった。

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グラナドス夫妻の悲劇から100年を迎えた今年、スペインで沢山の記事や資料が公開されました。

●グラナドス、スペインでの最後のインタビュー記事 
La última entrevista de Granados en España

●3月24日、命日の記事のひとつ『グラナドス、オリンポス山から海の底へ』 
Granados, del Olimpo al fondo del mar
グラナドス生誕の地レリダで開かれたアリシア・デ・ラローチャの公開講座の映像が見られます。

●『グラナドス夫妻、抱き合っての悲劇』
El trágico abrazo final de Enrique Granados y su mujer
帰国直前、ニューヨークで撮影された夫妻最後の写真、破壊された船サセックス号の写真を掲載

●カタルーニャ・テレビ制作の追悼番組『グラナドス、音楽の色彩』 
Granados, el color de la música
生涯、作品を沢山のインタビューとともにまとめています。(カタルーニャ語)

●上記カタルーニャ・テレビの番組の中から 
サセックス号沈没とグラナドスの訃報を伝えるニュース映像
必見!事故直後のグラナドスの姿が映し出されています。

そして、つい10日ほど前、スペイン国営放送制作の追悼番組 『偉大なる音楽家達:エンリケ・グラナドス』がYoutubeにアップされました。奇しくも番組冒頭、9月19日リサイタル『スペイン浪漫Ⅱ』で歌う「La maja dolorosaⅢ~悲しみにくれるマハⅢ」の譜面が映し出され、演奏が流れてきます。
グラナドス没後100年記念の年に、スペイン歌曲の歌い手でいられることに感謝し、大切に、歌わせていただきたいと思います。

第25回リサイタルスペイン浪漫Ⅱ~エンリケ・グラナドス没後100年に捧ぐ
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『偉大なる音楽家達:エンリケ・グラナドス』
画面左上にある「Grandes músicos: Enrique Granados」の文字をクリックして、大きな画面で見ることをお薦めします。

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by Megumi_Tani | 2016-09-05 23:22 | リサイタル | Comments(0)

2016年夏に思うこと   

今年は9月19日にリサイタル『スペイン浪漫Ⅱ』が控えているため、夏休み返上。リオ・オリンピックを横目に見ながら、日々諸々に追われている。今日午前中の女子卓球団体戦は残念だった。激戦の末、二勝二敗で迎えた第5戦。本当にギリギリの最後の場面で不運のエッジボール。愛ちゃんがしばしコートに立ちつくしていた…。今大会、彼女の戦いぶり、そしてお姉さんぶりが何ともいい。明後日の三位決定戦、頑張れ三選手!

卓球にはちょっぴり思い入れがある。中学の時、夢中になっていた。地方予選を勝ち抜き、全北海道大会まで勝ち進んだっけ。得意技は、魔球サーブ!(笑)懐かしいなぁ。
秘かに保存してあった当時のラケット今はほとんど使われないペンホルダーです。
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それにしても、どの選手も試合直後のインタビューに皆、堂々と、立派なコメントをする。インタビューアーのかなり無知&無礼&無神経&不躾な質問にも、めげず、負けず、答えている。周囲への感謝あり、自己分析あり、先への抱負あり…。この応対も任務と教えられ、鍛えられ、割り切っているのだろうか?そういえば、今回のオリンピックでは、これまでより「逆転」が多いような気がする。諦めない、引っくり返す、精神力。年月の流れのなかで、選手のメンタルの在り様も変化しているのかもしれない。

メンタルの在り様の変化、これが、よき方向に発揮されることを願う。今日8月15日。私は戦争をまったく知らない世代だが、そんな私でも、昨今は何か嫌な気配を感じている。

あの「前畑ガンバレ!」で有名なベルリン・オリンピックは、一度は1916年に開催が決まっていたが、第一次世界大戦のために中止になり、1936年に改めて開かれたものだった。

この1916年という年は、グラナドスが亡くなった年だ。第一次世界大戦さえなければ、彼のオペラ『ゴイエスカス』は、パリで初演されるはずだった。戦時下のヨーロッパではオペラどころではなく、その事情を知ったニューヨーク・メトロポリタン歌劇場が初演を引き受けてくれたのだ。初演に立ち会うため、大嫌いな船に乗ってアメリカへ渡ったグラナドス。しかし帰路の船がドイツ潜航艇の無差別攻撃を受け、命を落とした。ロマンティストとしての個性が語られることの多いグラナドスだが、世界史の視点から考えれば、明らかに戦争の犠牲者だ。

仕切り直しとなった1936年ベルリン・オリンピックの陰に、バルセロナで計画され、直前に中止された幻のオリンピックがあったことは、日本ではあまり知られていない。前夜祭に演奏する「第九」のリハーサル中だったカザルスは、オリンピック急きょ中止の報を受け、「次にまたいつ会えるか分からない。最後まで通して別れよう」と、あの有名な合唱付きの四楽章までを全員で演奏したという。信念の人、反骨の人、カザルス。しかし彼の歌曲作品からは、時に、超ロマンティスト・グラナドスをも上回るほどの?メランコリックかつロマンティックな性格が垣間見える。リサイタルで歌う「さようなら…!」の音を初めて出した時は、その切なさ、やるせなさに、驚いた。強靱な精神の持ち主は、一方で、繊細で感じやすい心の持ち主でもあったことを伝えてくれる。

個人のレベルでも一旦何かが起きれば、オリンピック観戦どころではない。ましてや、個人の力ではどうしようもない何かが起きた時には…。こうして、朝から晩までオリンピック、オリンピックと騒ぐことが許される、その平和の尊さを知らなければ、と、思う。

第25回リサイタルスペイン浪漫Ⅱ~エンリケ・グラナドス没後100年に捧ぐ
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これはお宝!カザルスが奏でるグラナドス「スペイン舞曲第5番アンダルーサ」

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by Megumi_Tani | 2016-08-15 21:25 | リサイタル | Comments(0)