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1119♪ 2017年ならではの歌   

リサイタルの計画は、大抵の場合、一年か一年半前に決定する。2017年は、グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年の記念の年。両マエストロに捧げるプログラムを、ということで、昨年の内に選曲が始まっていた。二人が活躍した時代は、ちょうど19世紀から20世紀へ移り変わる時期に当たる。世紀の境を越えて変わったもの、変わらなかったもの、そのコントラストをお楽しみいただこうと考えた。

走り出して数カ月。ある時ふと気が付いた。今回のプログラムには、当初の想定を越えたコントラストが含まれている。グラナドスとモンポウはもちろん、グラナドスと同時代の音楽家達、モンポウと同時代の音楽家達、甘いハバネラと時事風刺の皮肉なハバネラ、恋バナと祈りの歌 、アンダルシア的なものとカタルーニャ的なもの、同じ作曲家によるあの歌とこの歌…これは面白い!幾重にも重なる対照の妙!プログラムが熟成する感がある。秋にはどんな姿になるのかな?楽しみ!

そして夏、8月17日、バルセロナでテロ事件が起きた。さらに、晩秋を迎えた今、カタルーニャが揺れに揺れている。長く歌い続けて来て、こんな年もあるのだなぁ、と、哀しい痛みを覚える。小さな外国人の歌い手である私には祈ることしか出来ない。しかし逆に考えれば、祈る ことはできる、そんな気持ちがふつふつと湧いてくる。バルセロナ…大好きな街なのだ。

本番まであと2週間。2017年ならではの歌を、虚心に捧げたい。

第26回リサイタル
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!






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by Megumi_Tani | 2017-11-06 23:24 | リサイタル | Comments(0)

2017秋、切なる祈り   

東京は台風接近中。朝から断続的に大雨が降り続いている。よりによってこの悪天候下の選挙投票日。昨日の期日前投票には長い列が出来ていたそうだ。

そして、スペインでは、カタルーニャが揺れに揺れている。事態は収束どころか、より対立が激化。刻々と変わる情勢に緊張が続いている。日本でも、カタルーニャにご縁のあった人は皆、胸を痛めているだろう。『カタルーニャ独立派が大規模デモ

スペインは複雑な国だ。いつの時代にも、広く人々の間で、スペイン人とは?カタルーニャ人とは?の問いかけがなされてきた。『1119♪ カタルーニャの歌たち

音楽家も例外ではない。グラナドスは書簡のなかで、『ある人は「君はスペイン人なのだから、もっとスペインらしい曲を書け」と言い、ある人は「君はカタルーニャ人なのだから、もっとカタルーニャらしい曲をかけ」と言う。腹立たしい。スペインでもカタルーニャでもない。私の音楽は私自身の中から生まれるのだ』と、書き残している。実際、今年リサイタルで歌う曲のうち、〈悲しみにくれるマハⅡ・Ⅲ〉は、マドリードの下町の粋な女性の歌、〈ヒターノの唄〉はアンダルシア風のリズムと旋律、そして〈愛の歌〉は世紀末カタルーニャをイメージさせる作品、と、グラナドスの作風は多彩だ。

「貴方の音楽はカタルーニャ的ではないが?」とインタビューアーに問われたモンポウ は、「違う。私のカタルーニャ的特性は、すでに新しいものに進化しているのだ」と答えた。たしかに名歌〈君の上には花ばかり〉や〈〉は、カタルーニャうんぬんを超越したもっと普遍的な美に到達している。そして、モンポウが深く心の拠りどころにしたのは、16世紀スペインの神秘主義の巨人、十字架のヨハネの世界だった。〈魂の歌

国連で「カタルーニャの鳥はピース、ピースと啼くのです」と語り〈鳥の歌 〉を奏でたカザルスも、少年時代には、スペイン王室の庇護のもとで音楽を学んだ。スペイン共和政府下ではマドリードの名誉市民にもなっている。内戦勃発後はフランスに亡命。フランコ政権の独裁に断固抗議し、終生反ファシズムを貫いた。カザルスが故郷の聖地モンセラートの修道院聖歌隊に捧げた曲は、カタルーニャ語が禁止されていた時代も、今も、大切に歌われてる。



長い歴史の中で、真剣に、愚直に、時に命をかけた問いを繰り返し、道を見出してきたスペイン、カタルーニャ、そして愛するバルセロナ。2017年の今、平和裏に、賢明に、再び道が見い出されることを、切に、切に、祈る。

第26回リサイタル
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!

90年代バルセロナ


こんな明るいカタルーニャ・ルンバがまた流れる日を。。。。。



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by Megumi_Tani | 2017-10-22 21:23 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

1119♪ カタルーニャの歌たち   

先日来の "独立" のニュースで、カタルーニャの名が日本でも広く知られるようになった。わずか二ヶ月前の8月には、州都バルセロナでテロ事件が起きたばかり。世界の目がカタルーニャに向けられている。

“スペイン” は複雑な国だ。その歴史を知れば知るほど、ひとつの国スペインとして存在することが奇蹟に思えてくる。多様性の国、各々の個性をいかんなく発揮するバラエティー豊かな国。しかし、だからこそ、”ひとつだけどバラバラ” ”バラバラだけどひとつ” このギリギリのバランスを、まさにギリギリのところで保っている。ほんの少しでもそのバランスが崩れると、一気に均衡が破れる。まだまだ目が離せない状況が続いているカタルーニャ。平和裏に解決されることを願うばかりだ。

そんなデリケートな国であればこそ、ご縁があった者はそのデリケートさに謙虚でありたいと思う。いつぞやスペイン音楽のコンサートで、MCがカタルーニャの悪口から始まった時は本当に驚いた。私がカタルーニャ贔屓だから、ということではない。たとえどこかの国の通を自負していても、公の場で、その国の一地方を揶揄するような発言をすることは、外国の文化に関わる人間の姿勢としていかがなものか。逆の場合を考えれば分かり易い。もしも日本通を自負する外国人が「日本のなかでも関東地方の人はケチで有名です」などと、コンサートでヘラヘラ喋れば、たとえ喋った本人はジョークのつもりでも、関東地方の人はいい気はしないだろう。

バルセロナにご縁があった私には、カタルーニャ語の歌も大切なレパートリーだ。素朴な民謡からグラナドス、モンポウ、トルドラらの歌曲、そしてあの 〈鳥の歌〉まで、その表情は柔らかく、切なく、美しい。今回リサイタルで演奏するグラナドス〈Canço d'amor / 愛の歌〉、モンポウ〈Damunt de tu només les flors / 君の上にはただ花ばかり〉〈Neu / 雪〉は、まさにカタルーニャらしい抒情あふれる作品だ。〈Canço d'amor / 愛の歌〉 は、グラナドス没後100年記念の昨年から、ずっと温めていた曲。リサイタル初演になる。

こんな年、こんな時だから、いつにも増してカタルーニャの歌たちが愛おしい。地上で何が起きていようと、音魂は天を駆けめぐる。心を込めて、大切にお届けしたい。

第26回リサイタル
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!

〈鳥の歌〉モンセラート修道院聖歌隊



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by Megumi_Tani | 2017-10-15 20:06 | リサイタル | Comments(0)

1119♪ モンポウ『雪』   

モンポウの音楽は、いつもどこか寂しい。生の不安にたじろぎ、哀しみをまとい、じっと虚空を見つめる。「なぜ私はここにいるのだろう?」そんなモンポウの自問自答が聞こえてくるようだ。

〈Neu~雪〉という作品がある。「これは雪ではない。天から舞い降りる花…」氷柱を思わせる透明なピアノの和音にのせて、モンポウ自身による詩が静かに、淡々と歌われる。淡々と、だから、切ない。淡々と、だから、哀しい。わずか2分にも満たない小曲。名歌〈君の上にはただ花ばかり〉やグレゴリア聖歌を思わせる〈魂の歌〉に較べて、ほとんど知られていないが、モンポウ作品の隠れた名曲だ。

今年2月に開かれた、日本・カタルーニャ友好親善協会のテルトゥーリアで〈Neu - 雪〉をご紹介し、予想外の大きな反響をいただいた。〈Neu - 雪
研ぎ澄まされた音、一切の装飾を取り払った世界…。モンポウの音楽には、日本人の心に通じる〈侘び、寂び〉が秘められているのかもしれない。

11月19日、3ステージにて、歌わせていただきます。

第26回リサイタル
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!

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こんな動画を見つけました。侘び、寂びとは、ちょっと趣が違いますが…(^^;; (^^;;
2010年3月8日の大雪@バルセロナ





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by Megumi_Tani | 2017-09-21 13:01 | リサイタル | Comments(0)

Barcelona~♫ Barcelona~♫   

毎日新聞東京版8月31日付朝刊に、先日の毎日メディアカフェの記事が掲載されました。
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当日お聴きいただいた音楽について、お問い合わせをいただきました。

●カニゴーの山々(M.ガルシア・モランテ編カタルーニャ民謡)
●ラ・パロマ(S.イラディエール)
●スペイン舞曲第5番アンダルーサ(E.グラナドス)
●内気なマホ(E.グラナドス)
●悲しみにくれるマハ(E.グラナドス)
●うぶな娘の私ゆえ(E.グラナドス)
●君の上にはただ花ばかり(F.モンポウ)
●黒人の子守り歌(X.モンサルバージェ)
●音戸の舟歌(M.ガルシア・モランテ編)etc.

モンポウの奥様に敬意を表して、ピアノ曲もひとつ
●秘密(F.モンポウ)

オープニングは楽しく!ルンバ・カタラナ!
1992年バルセロナ・オリンピックの開会式でも大盛り上がりでした。
「魅惑のバルセロナ」ペレ


そのオリンピック、締めは、やはりこの歌でした。
「鳥の歌」ビクトリア・デ・ロス・アンへレス


そして、オリンピックでの共演が叶わなかった幻のデュエット
「バルセロナ」モンセラート・カバリェ&フレディ―・マーキュリー

HPで、当日の詳しい内容をご紹介しています。
毎日メディアカフェ『歌曲でめぐる芸術の街バルセロナ

バルセロナゆかりの名歌曲の数々を今度はナマの声で!
第26回リサイタル
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!


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by Megumi_Tani | 2017-09-01 20:48 | 講座/セミナー | Comments(0)

毎日メディアカフェ『歌曲でめぐる芸術の街バルセロナ』   

毎日メディアカフェ『歌曲でめぐる芸術の街バルセロナ』大盛況で終了しました。
会場の毎日新聞東京本社内、MOTTAINAI STATIONには、いっぱいのお客様。「Mi querida Barcelona~愛しのバルセロナ」について、音と写真を交えて、たっぷり語らせていただきました。こんなに大好きな街に出会えたことを幸せに思います。
ご来場の皆様、スタッフの皆様、ご支援くださった皆様、ありがとうございました !

当日の様子をHPにまとめました。ぜひご訪問ください。
毎日メディアカフェ『歌曲でめぐる芸術の街バルセロナ』
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第26回リサイタル
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!


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by Megumi_Tani | 2017-08-31 23:27 | 講座/セミナー | Comments(0)

満員御礼『毎日メディアカフェ』   

毎日メディアカフェ『歌曲でめぐる芸術の街バルセロナ』応募の受け付けを締め切りました。お申し込みの皆様、お目にかかるのを楽しみにしています♫♫

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by Megumi_Tani | 2017-08-29 21:23 | 講座/セミナー | Comments(0)

もう大丈夫   

バルセロナの友人からメールが入った。「恐ろしい出来事でした。でも世界中に励ましてもらって、私達、すっかり元気になりました。みんな、いつも通り。街もバルもにぎやかよ。もう大丈夫。メグミ、安心してね」

そう、この前を向く強さ、今を生きる逞しさ、そして、どこか底抜けの解放性…。
大好きなバルセロナがますます好きになりました。
Visca! Barcelona!No tinc por - 私は恐れない!
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こうなると、私もションボリしてはいられません。
8月30日(水)開催、毎日メディアカフェ『歌曲でめぐる芸術の街バルセロナ』
ゆかりの歌曲とともに、魅惑の街を存分にご紹介させていただきます。
入場無料。要お申込み。
ご来場をお待ちしています!

8月26日に行われたテロに反対するデモ「No tinc por - 私は恐れない」
最後に舞台で「鳥の歌」が演奏されています。

2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!


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by Megumi_Tani | 2017-08-24 23:22 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

No tinc por! - 私は恐れない!!   

ランブラス通りを襲ったテロから4日。もっと大きな計画が立てられていたらしい、とか、犯行の背景は何か、など、様々な報道がされている。世界有数の観光地で起きた大惨事。しかし、バルセロナは強い。理不尽な暴力に屈したりはしない。


事件当日、旧市街に戻れなくなった人達のために五つ星ホテルが開放されたこと、街中にのタクシーが大奮闘、大活躍していることを、いち早く親友が伝えてくれた。

Visca! Barcelona!

行き場が無くなった人、閉じ込められた人、パニックに陥った人…。困っている人達のためにレストランも一般市民もこぞって宿や食料を提供したらしい。多くのボランティア、警察の対応が素晴らしかった、との記事もある。いざという時の人の絆、助け合いの輪。ふと東日本大震災直後の記憶が蘇る。

こんな素敵なエピソードもあった。ハンガリー・ブタペストで開かれたマスターズ水泳大会。カディス水泳クラブから出場した選手が、バルセロナのために
1分間の黙祷を提案するも、大会側は拒否。そこで何と!その選手はスタートの合図が鳴ってもプールに飛び込まず、ひとり黙祷を捧げたのだ。

Le niegan el minuto de silencio por los atentados enCatalunya,

pero él lo hace


聖家族教会では追悼ミサが開かれ、現場には花を捧げる人が絶えない。26日には、テロに抗議する大規模デモが予定されている、とのこと。「No tinc por (私は恐れない)!」の声が街中に響き渡るのだろう。


愛しのバルセロナ。頑張れバルセロナ。


No tinc por!」@カタルーニャ広場



バルセロナに捧げられた祈り


クラクションを鳴らして行くタクシー



追悼「鳥の歌」と「No tinc por!」@カンプ・ノウ



バルセロナ市役所では、今回のテロで犠牲になった方々に対し、

お悔やみのメッセージを受け付けるサイトを開設しています。

Libro de condolencias por las víctimas de los atentados



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by Megumi_Tani | 2017-08-22 00:38 | Comments(0)

Visca! Barcelona!   

8月17日深夜、ふとフェイスブックを開くと、いきなり緊迫したライブ映像が目に飛び込んできた。スペイン、しかもバルセロナ、しかもあの見慣れたランブラス通り…。異様な静寂、建物の陰に隠れる人々、キャスターが引きつった顔で「ミニバンが突っ込んだ」と、伝えている。

翌朝、起きると、「スペイン第二の都市バルセロナでテロ」のニュースが一斉に流れていた。繰り返し映し出されるランブラス通り。親しく懐かしい街をこんなニュースで何度も何度も視なければならない悲しさ。

「バルセロナがやられた」夜中のうちに、現地の友人からメールが入っていた。親友からは「大丈夫!みんな無事です!」の知らせ。よかった。カタルーニャ広場から真っ直ぐに続くランブラス通り。いつも観光客であふれているが、地元の人も、いつだれが歩いていてもおかしくない場所なのだ。

しばらくすると、親友から2通目のメールが入った。「安心してください。少し落ち着いてきた今、心温まる話が続々と伝えられています。五つ星のホテルの会長がランブラス通りのホテルに帰れなくなった旅行者たちに無料で自分のホテルを提供したり、タクシー協会が無料で怪我人を運んだり…。以前にも増して、私はバルセロナが好きです!」ふいに涙が溢れた。

18日、カタルーニャ広場で開かれた追悼集会では、長い黙祷のあと、広場を埋め尽くした人々が「私達は恐れない!」と高く声をあげていた。一斉に手拍子をしながら、ランブラス通りを歩く人々の姿もあった。愛しいバルセロナ。頑張れバルセロナ。

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by Megumi_Tani | 2017-08-19 00:04 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)