今回のリサイタル
『スペイン浪漫Ⅳ』は、新元号のもとでの開催になる。思い起こせば(すっかり忘れていたのだが)、昭和から平成に変わった、その時も3日めにリサイタル本番を迎えていた。一生のうちに、2度も改元間もない時にリサイタルを開かせていただけるとは!昭和から歌い始め、平成を迎え、平成は30年続いたのだ…。El tiempo vuela~光陰矢のごとし。なんと長く歌わせていただいて来たことか…。
第1ステージでは、新しい時代の安寧と平和を願い、「祈り」の歌を4曲演奏させていただく。そのうち2曲は「アヴェ・マリア」だ。「アヴェ・マリア」といえば、シューベルト、グノー、カッチーニ、マスカーニ …と、まさに名歌繚乱。ヒーリング・ソングとして一時期ブームにもなった。
今回演奏するトゥリーナとゴメスの「アヴェ・マリア」は、そんなブームからはひっそりと外れ、各々独自の味わいを放っている。トゥリーナの「アヴェ・マリア」は、彼の作品の中でもあまり知られていない秀作だ。遠くからひたひたと近づいてくるピアノの和音、南スペインの気配、えもいわれぬ透明感…。他方、ゴメスの「アヴェ・マリア」は、人の世を生きる者の熱く切ない想い、願いが共感を誘う。
「祈り」を歌う時、Hakuju Hallの空間がふと教会のように感じられる。スペインの祈りの調べを一緒に体感していただきたい。
第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
ご来聴をお待ちしています♪
「Ave Maria」の飾り文字
ジョセップ・マリア・ジュジョール(1879~1949)作
バルセロナ在住の建築家、丹下敏明氏がお写真を提供してくださいました。