猛残暑お見舞い申し上げます
2022年 08月 15日
2022年 08月 15日
2022年 08月 10日
2022年 07月 31日
2022年 07月 30日
猛暑お見舞い申し上げます。暑いです言っても仕方がないけど、暑いです
今月も『谷めぐみがスペイン歌曲の魅力を語る講座』ご受講の皆さんが感想を寄せてくれました。「上品な音楽」「社会的に評価の高い人だったことに驚いた」「両親の祈り、奥さんのひたむきな愛」「レッスンで勉強した曲が沢山あって嬉しかったです」「ロドリーゴの歌曲、やっぱりいいですね!」「紹介されていた○○と△△はぜひ歌ってみたいです」etc。
お馴染みSさんからも、届いています。
*******************************************
谷めぐみさんの魅惑のスペイン歌曲、今回はホアキン・ロドリゴ。
谷さんの講座の終わり頃に晩年のロドリゴの映像が紹介された時、「あれ?これみたことあるぞ‼︎」すぐに思い出した。20年ほど前に手に入れた「The Rodrigo Collection 」というペペ・ロメロのディスク。一枚目がCD、2枚目がDVDで、それに収録されていた40分ほどのドキュメンタリー・フィルムでShadow and Lightというタイトルのものだった。ロドリゴ90歳の記念に製作されたようだ。内容はロドリゴ夫妻の日常を取材する中で、彼の経歴と作品を解説してゆくというもので、ぺぺ・ロメロが進行役を務めていた。
これはなかなか良く出来たフィルムで、ロドリゴの人と作品がよくわかる。アランフエス宮を老ロドリゴ夫妻が訪れるシーンがある。ホアキン老をヴィッキー夫人が支える姿は、ほのぼのとする以上に、かけがえのない愛をすら感じる。
さてロドリゴといえばアランフエスである。少し考えると気がつくのだが、およそクラシック曲で、作曲されてこんなに短期間で、しかもあらゆる音楽ジャンルで、こんなに多く演奏されている作品はアランフエス以外ないのではないか。この第二楽章のアダージオほど世界中の人の心を掴んだ作品はないだろう。ロドリゴが擬古典的と言われようが、保守派と言われようが、そんなものは批判にもならない。なぜなら世界中の人々が、このアダージオを聴いて涙を流すのだから。
私は「ある貴紳のための幻想曲」を聴くと涙が出てくる。何という悲しみを秘めた典雅さなのか。この作品は知られている通り、17世紀のギター奏者/作曲家であるガスパール・サンスの曲をモチーフにしている。そして私はサンスの作品が大好きなのである。これで泣くな、というのは拷問に近い。
しかし、ここで忘れてはならないのは、ロドリゴは現代精神の中にサンスを投げ込んでいるということなのだ。ロドリゴもまた、20世紀の最先端の音楽を学んだ人なのだ。この古楽をモチーフにする、というのはロドリゴがよく使った手法のようで、さまざまな作品に、そして歌曲にも使われている。歌曲集「四つの愛のマドリガル」これも古謡をモチーフにしたものだが、よく聞けば至る所に現代の響きがある。この中の「De los álamos vengo ,madre 」(母さん、ポプラの林に行ったよ)は美しく楽しい名曲である。
ロドリゴは多作な人で、全貌を掴むのは意外に困難である。昨年末の谷さんの講座で取り上げられた「クリスマス歌曲集」ひどく惹かれるところがあって購入してみた。ここには知られざるロドリゴの一面がある。それは最も先鋭的なものに挑戦する姿である。
ロドリゴ翁、あなたは本当にすごい人です。世間の人々が思っている以上に偉大な人です。あなたに、古代中国の大哲学者孔子の言葉を捧げます。
『温故知新』
*******************************************
Sさんの貴重なコレクション。今回もロドリーゴの様々なジャンルの作品が収められたCD、DVDをアップされていました。その各々に付けられたショートコメントがまた楽しい。スペイン音楽への深い愛情を感じます。昨年末の講座がきっかけで「クリスマス歌曲集」に興味を持たれたとのこと。講座を開いてよかったな!と、講師の私も嬉しくなります。
古(いにしえ)の雅(みやび)を想わせるスペインの音宇宙。その見えない時空を20世紀の音楽人ロドリーゴの魂が自在に駆け巡る。寡黙だったり、お喋りだったり、悪戯っ子だったり、おすましだったり…。楽しげに、時には寂しげに…。そして最後は、どんな音もリズムも行くべきところへ行き、収まるべきところに収まる。まるで大空を飛び回った小鳥が巣に帰って安堵するように。もしかすると、ロドリーゴの魂は、この世での視力を失ったその時に解き放たれたのかもしれない。家族や妻ヴィッキーの愛に包まれ、翁となっても素直な少年の心そのままに存在していたのかもしれない。
本日のブログタイトル、Sさんの文章からいただきました。Sさん、muchas gracias!
パコ・デ・ルシアが弾く「アランフェス2楽章」最後4分付近~ロドリーゴ翁のお姿があります。
2022年 07月 27日
ファン申請 |
||