519♪ わが心のアランフェス~ヴォカリーズの魅力   

ロドリーゴ没後20年の今年。久しぶりに「アランフェス」を歌う。

昔からヴォカリーズに心惹かれて来た。大学時代はラフマニノフのヴォカリーズ、後に、ヴィラ・ロボスのブラジル風バッハ第5番のアリア。そしてある時、アランフェスのあの哀しくも美しいテーマをヴォカリーズで歌おう!と、思った。

声楽と器楽との違いは、歌詞があること。旋律と伴奏、そこに歌詞が加わり何かを表現する。歌詞を歌い語る、歌詞の意味を伝える。これはとても重要な要素だ。そのために、外国語で歌う際、歌い手はせっせと語学を学び、繰り返し練習し、演奏会ではお客様に歌詞大意訳をお渡しし、MCでその内容を解説し…と、出来る限りの努力をする。

同時に、声は、ひとつの楽器、としても捉えられる。声そのものが何かを語り、表現している。楽器としての声を言葉の束縛から解放し、自由に鳴りたいように鳴らせてあげる、それもまた歌い手の役目?醍醐味のような気がする。

アランフェス協奏曲の第2楽章は、その旋律がすでに物語だ。内戦後、荒廃したスペインの人々の心を癒した、とか、流産したロドリーゴ夫人の心を慰めた、とか、様々な添え書きがあるが、この作品のすごさは、そんな一切の解説も解釈も必要としないことだろう。演奏する者、聴く者に深く染み入り、ひとりひとりの心を見えない世界に飛翔させる。元々がギター曲なのだから歌詞は無い。旋律だけで何かを語っている。ならば声も声だけで何かを語れるはず。しかも雄弁に。そんな信念のもと、敢えて歌詞を付けず、ずっとヴォカリーズで歌ってきた。

2019年のヴォカリーズによる「わが心のアランフェス」が、どんな姿を見せるのか。
私自身も楽しみです(^^)


第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
プログラム、曲目紹介、チケットご購入等々、
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
ご来聴をお待ちしています♪









# by Megumi_Tani | 2019-03-22 23:04 | リサイタル | Comments(0)

『天地悠々』兜太・俳句の一本道   

金子兜太さん。このお名前を久しぶりに聞いた。私は昔からラジオ党だ(今は、ラジコなる便利なものも出来た)。スペインから帰って間もない頃、何かの番組に兜太さんがレギュラー出演されていた。俳句の番組ではなかったと思う。その時々の話題についてアナウンサー氏と自由にお喋りされるのだが、その悠然たる話しぶり、時に鋭く時に軽妙に本質をズバリとつく語り口に惹かれ、毎週楽しみに聞いていた。番組終了時、とても寂しい気がしたことを覚えている。

兜太さんは昨年2月、98歳で天に還られた。2012年から急逝される直前まで、兜太さんを取材、撮影したドキュメンタリー映画『天地悠々』が公開される。監督・脚本は、NHKディレクター、プロデューサーとしてあの伝説の『シルクロード』をはじめ数々の名番組を制作された河邑厚徳氏。語りは山根基世さん。

上映日:3/22(金)  4/17(水)  5/29(水) 13:30~16:30
映画終了後には兜太さん縁の方々のお話も聞ける、貴重な機会です。
チケットは【ぴあ】にて発売中!
詳細は、HPをご覧ください。 天地悠々 兜太・俳句の一本道

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第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
プログラム、曲目紹介、チケットご購入等々、
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
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# by Megumi_Tani | 2019-03-18 11:14 | エトセトラ | Comments(0)

「声の力を学ぶ」連続講座 第12回   

元NHKアナウンサー、山根基世さんが主宰される連続講座『声の力を学ぶ』第12回を聴講させていただいた。

今回の講師は、京都大学大学院 人間・環境学研究科教授、生物言語学・進化言語学者の藤田耕司先生。「言語と声と音楽:その進化的関係を探る」と題し、人類だけがもつ能力といわれる言語と音楽について、他の動物との比較、研究を交えながら、お話しくださった。

言語とは、現生人類だけが持つ普遍的な形質である。言語は単一の能力ではなく、複数の下位機能の結合として成立する複合的能力だ。言語と音楽との共通点は、人類固有かつ普遍的であること、そして階層構造をもつことである。

動物ゲンゴ(あえてカタカナ)と人間言語の比較に関しては、チンパンジー、イルカ、プレリードッグ、鳥、ミツバチ、ベルベットモンキー等々の興味深い写真、動画をご紹介くださった。踊る大捜査線ならぬ踊るミツバチ君のダンス言語には、「今、ここ」に限定されない超越性があり、これは人間言語に近いものだそうだ。プレリードッグがもつ4種類の警戒コールには、対象物の大きさ、形、色の情報に加えて品詞らしきものも含まれているという。鳥は、家畜化による淘汰圧の緩和によって、さえずりに文法をもつようになった。つまり人間に飼われるようになって住居と食料の心配が無くなり、生きることが楽になった結果、さえずりに文法をもつ余裕が出来た、というわけだ。リズムに乗って歌を歌う小鳥ちゃん、音楽に合わせてチャーミングに踊る小鳥ちゃんの動画に、会場から歓声!

しかし、動物ゲンゴが依存しているのは(せいぜい)語順である。他方、人間言語は、階層構造に依存している。人間だけが階層的文法をもち、階層的言語構造は人間の認知作用を司る。汎用階層構造処理能力が、運動、言語、音楽に分かれたのではないか。動物ゲンゴでは命題内容と情動負荷が未分離だが、人間言語では情動と命題が分離した。階層文法をもつ言語が命題内容を、音楽が情動を担うようになった。音声は、階層構造ゆえに生じる曖昧性を解消するために重要な役割を果たしている。

現代の言語コミュニケーションにおける問題点として、情動や共感への過度の依存が挙げられる。人間は領域横断的なあらゆるものを組み合わせる豊かな想像力と創造性を唯一の武器として生き抜いてきた。言語も音楽もその組み合わせによる産物である。

と、極めて文系頭の私が、極めて大雑把に、極めて簡略に纏めさせていただいた(^^;;  
お読みになってお分かりの通り、漢字熟語続出!素人には触れ難い最先端の研究の端っこの端っこをほんのちょっぴり垣間見た思いがした。

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さて、昨年4月にスタートした「声の力」連続講座は、今回で丸一年のカリキュラム終了。在って当然、しかしよく考えると不思議な存在である「声」について、豪華、多彩かつ個性豊かな講師の先生達が様々な角度から熱く語ってくださった。山根基世さんの魅力的なお人柄、絶妙のリード、遠方からも駆けつけていらっしゃる熱心な受講生さん達…。会場の雰囲気も温かい。おかげ様で、私も大いに刺激を受け、楽しく学ばせていただいた。
誠に僭越ながら、第4回には講師の末席を汚させていただいたことにも感謝したい。ありがとうございました。

★今年度の全講座レポートは、こちらのページでご覧になれます。

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第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
プログラム、曲目紹介、チケットご購入等々、
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
ご来聴をお待ちしています♪



# by Megumi_Tani | 2019-03-15 22:29 | 講座/セミナー | Comments(0)

519♪【ぴあクラシック】春号に掲載されました   

【ぴあクラシック】春号、記念すべき第50号!に5月19日リサイタルが紹介されました。
オペラ研究家、岸純信先生が、身に余る光栄なお言葉を寄せてくださっています。
詳細は、HPをどうぞ。スペイン浪漫Ⅳ
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第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
プログラム、曲目紹介、チケットご購入等々、
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
ご来聴をお待ちしています♪


Webでもお読みになれます ⇒ぴあクラシック
「スペイン浪漫Ⅳ」の記事は、28ページです(^^)
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# by Megumi_Tani | 2019-03-09 22:29 | リサイタル | Comments(0)

519♪ 頼もしき兄貴分アルベニス   

19世紀半ばに艶やかな花を咲かせたハバネラだったが、前々回ご紹介した通り、ハバネラはスペイン生粋のリズムではない。にもかかわらず、「異国スペインの音楽」として、スペイン国内よりも国外で人気があった。ハバネラだけではない。オペラ『カルメン』のビゼーを筆頭に、リスト、ラロ、シャブリエ、グリンカら多くの外国の音楽家が「異国スペイン」をテーマに作品を発表した。

では、その肝心のスペイン国内の音楽事情は?というと、未だこれといった顕著な動きがみられない。一時代前の壮大な音楽劇から庶民の楽しみに姿を変えた歌芝居サルスエラは大流行していたが、スペインならではの芸術としての音楽は生まれていなかった。

そこに登場したのがイサーク・アルベニスだ。カタルーニャ地方カンプロドンに生まれ、幼い頃からピアノの才能を発揮。ドイツ、ベルギー、パリなどで学び、各地で演奏して腕を磨き、ス-パーピアニストとして大活躍した。

そんなアルベニスが、ふと考えた。「スペインの音楽はこのままでいいのだろうか?」「我々の音楽、スペイン音楽とは何だろう?」…。豊かな才能に恵まれ、若い頃から広く他国の音楽に触れ、それらを素直に、謙虚に、しかも深く本質的に学んだアルベニスだからこそ抱けた問題意識だったのではないか。スペインの音楽について研究を続けていた故郷カタルーニャの先輩、教師でもある作曲家フェリペ・ペドレルとの出会いにも影響を受け、アルベニスは自らが目指す「スペイン音楽」を模索し、その道を切り開いて行く。
49歳で亡くなるまで、人気ピアニスト、音楽教授として活躍しながら、名高い組曲『イベリア』を始め、数多くの作品を発表した。

アルベニスと出会った人は皆、彼の人柄に魅了されたという。少年時代の数々の冒険エピソードはどうやら少々”盛られた”話も含まれているようだが、そんな逸話がいかにも似合う、スケールの大きな味のある人物だったらしい。温かく、懐が深く、面倒見がよくて太っ腹。困っている友のためとあらば一肌脱ぐことを厭わない。ユーモアに溢れ、友人達を愛し、常に故国スペインを想いつづけた。口ひげを蓄え、堂々と恰幅のよいお姿だが、実は、繊細で寂しがり屋でもあったのでは、と、勝手に想像している。アルベニスとの友情から、あるいはアルベニスの薫陶を受け、あるいはアルベニスの援助を受け励まされ…グラナドス、ファリャ、トゥリーナら後輩達が「スペインならではの芸術音楽」を築いていった。自らが演奏家であり作曲家であり、しかも仲間達のために尽力、奔走する、そんなアルベニスの存在無くして、スペイン音楽の次代の扉が開かれることはなかっただろう。

残念ながら、アルベニスの歌曲作品はあまり多く残されていない。しかし、あたかも歌曲のごとく定着し、演奏される機会が多いのが「グラナダ」だ。元々は、ピアノ作品『スペイン組曲第1集』の中の第1曲。器楽曲の名旋律に歌詞が後付けされた作品は複数あるが、「グラナダ」はその中でも傑作のひとつだ。「A~~y!」と始まるフレーズは、グラナダを、故国スペインを愛したアルベニスその人の深い溜め息のようにも感じられる。ピアノと歌との掛け合いの妙もお楽しみに!

第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
プログラム、曲目紹介、チケットご購入等々、
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
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# by Megumi_Tani | 2019-03-08 23:06 | リサイタル | Comments(0)