日記   

昔から日記をつけるのは苦手だ。何度かチャレンジしたが、止めてしまった。書く作業が嫌いなわけではない。ああでもない、こうでもない、と、自分の思いを書き残すのが嫌なのだ。折々の出来事だけを箇条書き風にすれば…と試みたこともあるが、それはそれで退屈で続かなかった。

自分の痕跡を残すのが嫌なのかもしれない。「あとかたもなく消えてしまいたい願望」があるのかもしれない。その秘かな願いの証しか?私は職業に反して、写真の数が極めて少ない。仕事で「写真を出してください」と言われると困る(関係者の皆さん、ごめんなさい)。ライブCD制作の時もひどく迷った。「作れ、作れ」と勧められ、やっと重い腰をあげた。

そんな私の歌修行日記「Hola!バルセロナ」連載が続いている。
http://www.e-yakushiyo.net:80/Hola_B.htm

年月を経たから書けるのか?懐かしい思い出だから書けるのか?日記のような、淡いセピア色の物語のような…。いろいろな方に「楽しみに読んでいますよ」と言っていただくが、実は、一番楽しませていただいているのは、私本人かもしれない。悪戦苦闘のドタバタ留学。だが、私にとっては宝物の時間である。

悔やまれることがある。当時の具体的な記録(例えば、地下鉄の回数券がいくらだったとか、パンをいくらで買ったとか…)があれば、日記の内容がより鮮明になっていただろう。そんな細かい数字は、年月とともに記憶の彼方に消えてしまった。残念である。ただ…、昔からソフトクリームが大好きな私。バルセロナ到着の数日後、誰の助けも借りず、初めてひとりで買ったソフトクリームが75ペセタだったこと!これだけは忘れられない。夕暮れのパセオ・デ・グラシア、デパート前の売り場、その値札まで目に焼きついている。
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by Megumi_Tani | 2009-07-08 14:21 | エトセトラ | Comments(0)

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