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スペインの扇子   

リサイタルのアンケートを読ませていただいた。「古典歌曲にスペインの栄光の歴史を感じました」とお書きくださった方が複数いらっしゃる。嬉しい。セファルディーの歌は、根強いファンが定着している。「わが心のアランフェス」「グラナダ」「ラ・パロマ」は、皆様、待ってました!という感じ。そして「女中さんのタンゴ」、大好評である。

この歌では、いくつかの女中さん用グッズを使った。まずエプロン。最近は、サロンエプロン(いわゆる昔風の前掛け)をほとんど見かけない。大きなデパートから近所の洋品店まで、さんざん探し回ったが、無い。メイド服なるものを売る店ならあるかもしれない。しかし、ちょっと買いに行く勇気が…。困り果てていたら、「これ、今、使っているけど、どう?」と、相棒のピアニストが台所から一枚のエプロンを持ってきた。淡いピンクの花柄、長めの丈、リボンにフリル、ポケットも付いている。まさに、おあつらえ向き!心優しい彼女が、きれいにお洗濯、アイロンまでかけてくれて、このエプロンは、めでたく小道具入りした。ゴム手袋、ソックス、お出かけのショール、買い物袋もOK。

この歌のヒロインは、あの手この手を使って、最後には奥様に出世する。成り上がりの奥様の証し!これはスペインの扇子がいい。女中さんグッズを投げ捨て、得意気に扇子であおいでみせるのだ。手元にある黒レースの扇子、これを使おう。本当はもう少し明るい色が入っていると良いのだけれど…。

そんなことを思っていた9月初旬、バルセロナの友人から、突然、手紙が届いた。
ブログタイトル「人生の芸術家

手紙と一緒に、何か入っている。取り出すと、懐かしいEl Corte Inglés(スペインのデパート)の包み。開けてみると、なんと!扇子である。しかも私の願い通り、美しい色が散りばめられている。バルセロナの彼女は、私が女中さんグッズを探していることなど、知るはずもない。なぜ?なぜ?なぜ?なぜ今、この扇子を送ってくれたの???あまりの驚きに声も出なかった。

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かくして迎えたリサイタル本番。ご来場の皆様よくご存知の通り、私はゴム手袋やエプロンをお行儀悪く舞台に放り投げ、最後に、この産地直送の色鮮やかな扇子を思いっきりパタパタさせたのである。

by Megumi_Tani | 2009-11-02 08:50 | リサイタル | Comments(0)

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