お目にかかったことのない御方ばかりですが…。   

11月12日は天皇陛下御在位二十年の記念日だった。

私がバルセロナにいた時、当時まだ皇太子であられた殿下と美智子妃がスペインをご訪問された。新聞やテレビで連日ご動向が伝えられ、女性雑誌には美智子様のファッションが詳しく紹介されていた。「今、日本のpríncipe(皇太子)が来てるだろう」とタクシーの運転手にまで声をかけられ、一介の留学生に過ぎない私も、誇らしく、嬉しかった。

私は昭和のど真ん中に生まれている。昭和天皇が崩御された時、えもいわれぬ寂しさを感じた。テレビに映し出された、氷雨降りしきる中での大喪の礼を思い出す。数日後に自分のリサイタルを控えていたせいか、記憶が鮮明である。ピアニストが練習を始めると、ご近所の方が「歌舞音曲は慎みましょう」と、注意に来たそうだ。

2016年夏のオリンピック開催地がリオ・デ・ジャネイロに決まった。各国の最後の誘致演説で、久しぶりにスペインのフアン・カルロス国王のお姿を拝見した。私はこの方のファンである。独裁者とされるフランコに預けられて育ち、そのフランコに後継者と指名され、フランコ亡き後、奇跡のようなスペイン民主化を成し遂げた人。政治のことは分からないが、ひとりの人間としての国王に深い尊敬と感動を覚える。

留学中、日本へ手紙を出すために数えきれないほどの切手を買った。どの切手でも、印刷されているのはすべて若き国王のお顔だった。通貨はまだペセタの時代。100ペセタ紙幣の顔は、スペインを代表する作曲家のひとり、マヌエル・デ・ファリャだった。使い残しの切手とペセタ…。今は、私のお宝である。
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by Megumi_Tani | 2009-11-13 07:50 | エトセトラ | Comments(0)

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