お化けのレクイエム   

日曜日の朝、ラジオから初めて聴く合唱が流れてきた。知らない現代の作曲家の作品、レクイエムである。重苦しい和音、切り裂くような声、ちょうど日本語で「お化け~」と言う時と同じメロディーが延々とつづく。「オバケ~♪オバケ~♪オバケ~♪」…。「ゆったりとした日曜の朝にお聴きいただくにはふさわしくない曲かもしれません」解説者自らがそう言っている。確かにふさわしくない。「しかし」と、彼は続けた「作曲者は、この曲に、二十世紀という時代への深い怒りをこめているのです。我々もその怒りに耳を傾けようではありませんか」ハァ~。くたびれて、私はラジオのスイッチを切った。

様々なメッセージを込めるのもいい。「芸術は爆発だ!」という名言もある。しかし、日々生きることで大変なのに、音楽を聴いてまでくたびれたくはない。怒声や恨み節のような音を、これでもか!と浴びせられるのはいかがなものか。やはり音楽は「快なるもの」がいい。人は明るい曲に元気をもらい、悲しみや嘆きの曲に共感して癒される。音と心がひとつになる、それは快なる瞬間だ。

恐いもの、気味悪いものとは、誰だってひとつになんかなりたくない。怪談の季節でもあるまいし。「お化け」は、ごめんこうむりたい。
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by Megumi_Tani | 2009-12-02 09:06 | エトセトラ | Comments(0)

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