頭はワンルーム
2010年 01月 05日
私の順番が来た。開いたドアの前へ行く。驚いた。中で上品な外国人女性が肩をすくめて立っている「水の流し方が分かりません。教えてください」英語である。「ここです。ここに手をかざすのです。ほら」とっさに出た私の答えは…アララ!スペイン語だった。無事水が流れ、ニッコリ笑顔の彼女「Thank you!」私「De nada」英語とスペイン語の珍妙な会話成立?一件落着である。
留学して明日の食べ物さえ無い状況に追い込まれた私は、スペイン語を必死×必死×必死に勉強した。火事場の馬鹿力だろう。スペイン語は急速に上達した。が、ある時ふと気がつくと、昔あんなに好きだった英語がどこかへ消え失せている。探せど探せど行方不明。英語をスペイン語に訳して理解する始末だ。歌の先生との会話も、もちろんすべてスペイン語。最初は英語で話していたのに…。「メグミの英語はどこへ行った?」「旅に出ました」先生と二人、よく大笑いしたものだ。どうやら私の頭は、複数の外国語が同居できない、ワンルームの間取りらしい。