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駅前のラテン・バトル

仕事先の駅前でいつも見かけるフォルクローレ楽団。いや、仕事先だけではない。都内あちらこちらの駅で彼らに遭遇する。読者の中にも、あぁ!あの…と思い当たる方がいらっしゃるだろう。正確には、同じ「彼ら」なのかどうかよく分からない。適宜グループを組んで駅前を巡業して歩いているのかもしれない(昔流行ったジプシー・キングスもその類で、固定・確定メンバーはいなかったそうだ)。彼らの演目はもちろん「コンドルは飛んで行く」。この曲は本当に人気がある。儚い哀愁と独特のリズム。私もつい足を止めてしまう。

ところが今日は異変があった。同じ駅前ロータリーの反対側に、ソンブレロをかぶった太っちょのおじさんがいる。「アリガトウ!」などと妙なアクセントで愛想をふりまきながら歌っている。曲は「シェリト・リンド」。これまた日本ではお馴染みの歌だ。

双方がスピーカーの音量を最大にしてガンガン歌うものだから、駅前は壊れたジュークボックス(古い!)状態。どっちがどっちか、聴き分けることもできない。もちろん!ハモるはずもない。はっきり言って騒音…。駅前を通る人たちも皆、ちょっと困った顔で両方を見比べ、通り過ぎていく。しかし、彼らは気にしない。誰が聴こうが聴くまいが一向にお構いなく、自らの歌を気分良く歌い続けている。

これはスペイン人との会話と少し似ている。言いたいことがあれば、自ら主張しなければならない。誰も聞いていなくても、聞いてくれるまで、というか、無理やり!こちらの話に興味をもたせるまで、めげずに喋りつづけなければならない。何も言わない、ということは、何も言うことがない、つまり、意見がない人、ということになる。下手をすると、「あら、あなた、いたの?」と存在さえ忘れられる…(>_<)
by Megumi_Tani | 2010-04-14 07:52 | エトセトラ

スペイン歌曲のスペシャリスト♪谷めぐみのブログです


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