コーヒー繚乱
2010年 05月 29日
その私も、缶コーヒーなるものは苦手だった。何故あんなものを買う人がいるのだろう…??と、いぶかしく思うほどだった。チルドカップ入りのものはまだ許せる。しかし缶入りの、あの口に残るエグ味が嫌だった。飲んだ後で、どうしても“うがい”をしたくなる。自動販売機で飲み物を買う際にも、決して缶コーヒーを選ぶことはなかった。
ところがしばらく前、仕事と野暮用が重なり、猛烈に忙しい日があった。疲れて駅のホームで電車を待っている時、無性にコーヒーが飲みたくなった。「コ、コ、コーヒー…」まるで禁断症状である。仕方なく、自動販売機で「新発売」と称する缶コーヒーを買った。飲んでみると、これが…意外にまともな味である。あの大嫌いなエグ味がほとんど感じられない。長い年月の間に缶コーヒーも進化していたのだ!大量のコマーシャルもあながち嘘ではなかったのだ(メーカーさん、ゴメンなさい)。
以後、いくつかの種類を試してみた。その気になって周囲を見回すと、実におびただしい数の缶コーヒー、チルドカップ入りコーヒー、ペットボトル入りコーヒーetc.が売られている。とびきり美味しいものはないが、まぁ、ひどいハズレもない(少々ハズレ、薄い、甘すぎ、は多々あり)。朝専用、モーニングなどと銘打ってあると、何となく夜には買ってはいけないような気がするから可笑しなものだ。
スペイン語では、café(カフェ)!この響きだけで、幸せな気分になる。カフェ・ソロ(濃い目のブラック)、カフェ・コルタード(カフェ・ソロに少量のミルクが入ったもの)、カフェ・コン・レチェ(ミルクコーヒー)…。街中いたるところにあるBarで気軽にひっかける。安い。そして美味しい。私のコーヒー好きは(ついでにワイン好きも!?)、スペインですっかりエスカレートした次第。
歌う量が増えると、コーヒーの量も増える。
煙草を吸う人は、ここで一服くゆらせるのだろうな…という時に、コーヒーが欲しくなる。