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どこにもないプログラム   

暑い。とにかく暑い。カンカン照りの今日は、ピアニストとの伴奏合わせに出かけた。

これまでに何度も本番を繰り返した曲でも、音楽作りは毎回が新しい。私とピアニスト、二人の相互理解が進む場合もあれば、曲に対する二人のアプローチが変わる場合もある。それまで鳴っていても感じ取れなかった音を耳がキャッチして、作曲者の意図が浮かび上がることもある。そんな時は歌の風景がいきなり眼前に現われ、まさに「目からウロコ」である。

一方で、20回目の今回、初めて歌う曲もある。新たな音との出会いは興味深く新鮮だ。誰のどんなCDにも収録されていないカタルーニャ語の歌。これは、バルセロナ郊外の町で一度だけ聴いた、今は亡きヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスの演奏が忘れられない。

そして、やはり「鳥の歌」である。素朴でシンプルな旋律。それが三人の作曲家の編曲により、三種三様、まったく異なる世界を創りだす。この驚きは、正直なところ、プログラミング時の予想を越えていた。ドラマチックであり、哀しくもあり、天に向かう心であり…。「ひとつのコンサートで“鳥の歌”をこんな風に聴けるなんて…。ファンには、たまらないですね」と言ってくれた人がいた。お客様おひとりお一人が、己が心に寄り添う「鳥の歌」に出会ってくだされば、嬉しい。

どこにもないプログラムになった。こんなに(頑固に!)凝りに凝ったプログラム、そして秘かに夢を叶えた贅沢なプログラム。10月2日、ぜひ多くの方に、お聴きいただきたい。

by Megumi_Tani | 2010-07-20 08:39 | リサイタル | Comments(0)

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