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ロドリーゴの魔力   

2011年はロドリーゴ生誕110年の年。昨年のショパン生誕200年に比べて、なんとまぁ、その注目度の低いこと…。今年があまりにも特別な年だったことを考慮に入れても、そんなこと、誰も知らないまま年が暮れてしまいそうだ。スペイン歌曲の歌い手としては何が何でも!の思いで、選曲したのがリサイタル後半のプログラムだ。

一番人気を誇るのは、なんといっても〈ヴォカリーズによる~わが心のアランフェス〉。ギターとオーケストラのための作品〈アランフェス協奏曲〉の有名な二楽章のテーマをヴォカリーズで歌う。
この美しい旋律には、後年、スペイン語、フランス語、英語etc、様々な歌詞が付けられてきた。近年では、イケメンIl Divoの大ヒットをご記憶の方も多いのではないか。私はずっとヴォカリーズで歌ってきた。マエストロが「ギター」という楽器で表現した世界を、「声」という楽器で表現してみたいと思うのだ。〈王様はバサにいらした〉〈ポプラの林へ行ってきた〉は古い宮廷歌曲を編曲した作品。そのあとに歌う小品4曲はスペインの愛嬌たっぷり!4ステージの5曲は、古典歌曲風あり、ロマンチックあり、阿鼻叫喚?のハチャメチャあり。うっとりするほど甘いかと思えば、グチャっと奇妙な和音が鳴る。まさに変幻自在。ロドリーゴ歌曲ご一行様のお通り~!というところか。

器楽の作曲家だなぁ、と思わせる作品が多い。時に歌い手泣かせ、時に伴奏者泣かせ。去年歌った〈カナリア諸島の歌〉のギター伴奏譜には、絶対に弾けない音が存在していた…。
そのくせ憎いのは、心のツボにグッと来る何かがあることだ。あぁやられそうだ、そんなにヤワじゃないぞ(笑)、と、秘かに抵抗を試みるも、やっぱりやられてしまう。ジャズやポピュラーにアレンジされた〈アランフェス〉が世界中で愛されていることからもその魅力:魔力がうかがえる。

歌もピアノも大奮闘!どうぞお楽しみください。

by Megumi_Tani | 2011-11-05 10:03 | リサイタル | Comments(0)

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