『フラメンコ・フラメンコ』
2012年 07月 04日
サウラ監督の日本デビュー作『カルメン』が1983年、『恋は魔術師』は1985年の作品というから、懐かしい。『バルセロナ物語』のアントニオ・ガデスが『カルメン』では、ホセにあたる役柄を演じていた。音楽はパコ・デ・ルシア。オペラと現代劇が一体化した凝った作りが斬新だった。主演女優さんはイマイチだったけど…。『恋は魔術師』は、ガデスとクリスティーナ・オヨスの名コンビ!燃えさかる炎の前で踊るオヨスの姿が今でもはっきり目に浮かぶ。
さて肝心の『フラメンコ・フラメンコ』は、といえば、とにかく美しい。現れては消えるマハの面影、さまようマホの苦悩、夢かうつつか…。迫力もある、渋さもある、しかし何より、美しい。めくるめく華麗な魅惑と官能の世界~何だか安いコピー(^^;; サウラ監督ごめんなさい。ただ、そこが、ウ~ン、どうなのかな?「美しさを讃えよう」とか「美しきダンスと音楽の饗宴」などという文言がチラシに踊っているから、美しい、と感じさせたのは成功の証?…と、なんとなく絶賛できないのが、残念。