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余計なお世話

夏休みの電車。真っ黒に日焼けした元気そうな小学生三人が乗ってきた。お兄ちゃん5年生、妹3年生、弟1年生くらいだろうか。背中にリュック、首から水筒をかけ、電車内の混雑など関係なくウキウキ、とても嬉しそう。どうやら初めての兄妹弟三人旅、電車の終点の駅で、おじいちゃんとおばあちゃんが待っているらしい。お兄ちゃんは、まさに頼れる兄貴って感じで、実によく妹と弟の面倒をみている。お茶目な妹は「お兄ちゃん、私のジュースを飲んでもいいよ」なんて言いながら、電車の中をキョロキョロ。一番下の弟君は、少し不安そうにお姉ちゃんのリュックの端をしっかり握りしめている。「ほら、〇〇駅ってあるだろう?あそこまで乗って行くんだよ」お兄ちゃんが電車の壁に貼られた路線図を指さして説明する。ウンウンと、大きくうなずく妹と弟。お兄ちゃんは胸を張り、ちょぴり誇らしげだ。いい光景だなぁ…。

と、そこへ、彼らの近くに座っていた中年女性が声をかけた。「君たち、ここに座ったら?」(君たち、って、席は一つしかないじゃない…以下、私の心の声)「大丈夫です。ありがとうございます」と、お兄ちゃん。(何ときちんとした言葉使い!)女性が重ねて言う「いいのよ、遠慮しなくて」「大丈夫です。ありがとうございます」今度は妹もお兄ちゃんに声を合わせる。(いいって、言ってるじゃない)「構わないのよ、ホンとに」しつこく迫る女性。「大丈夫です。ありがとうございます」今度は、お兄ちゃんとお姉ちゃんの危機を感じた弟ちゃんまで、同じセリフを言っている。(意味、分かっているのかな?けなげだなぁ)「おばちゃんは次の駅で降りるのよ。いいからここへいらっしゃい!」ついにお兄ちゃんは背中のリュックをむんずとつかんで引っぱられ、無理やり女性が座っていた席に押し込まれた。(あら~~~!)とっさの事態に固まる妹と弟。「お前たちはちゃんと棒につかまって、そこに立ってろ!」必死で叫ぶお兄ちゃん。さっきまでのピクニックムードは一変。三人の顔は緊張で引きつっている。ところが女性は、そんなことどこ吹く風。呆然と立ち尽くす妹と弟には目もくれず、お兄ちゃんに向かってベラベラ喋り出した「君、どこまで行くの?」「何年生?」「よく日に焼けているわね。サッカーでもしているの?」「大丈夫。ちゃんと三人で行けるわよ」(ちゃんと行けているのを邪魔しているのはアナタでしょ!)etc、etc。いかにも居心地悪そうに座り、うつむき加減に一生懸命、妹と弟の様子を気にするお兄ちゃん。ドア横のバーにつかまり、捕獲された?お兄ちゃんを見失うまいと、じっと見つめる妹と弟(大丈夫、次に何か起きたらおばちゃんが助けてあげるからネ)…。やっと「次の駅」が来た。「気をつけてお行きなさい」なんて、上機嫌で女性が降りて行くやいなや、お兄ちゃんは席からジャンプ!!ドア横に身を寄せる妹と弟に駆け寄った。ホッとして、満面の笑みでお兄ちゃんを見上げる二人…フ~よかった!子どもたちの心も分からず勝手な親切。ホンと、余計なお世話だ。プリプリ…。アレッ?でも、でも、もしかすると、余計なお世話に腹を立てている私は、もっと余計なお世話???

なぁんて慎ましく自分を見つめ直していたら、そんなちっぽけな余計なお世話などぶっ飛ばす、破格、別格の「余計なお世話ニュース」が飛び込んで来た。しかもスペインから…。
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こうなるまで、誰も気がつかなかったのかしら?不思議。
by Megumi_Tani | 2012-08-26 08:17 | エトセトラ

スペイン歌曲のスペシャリスト♪谷めぐみのブログです


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