カタルーニャ民謡   

スペインは民謡の宝庫といわれます。カタルーニャも例外ではありません。歴史を語る歌、伝承話に由来する歌、自然を讃える歌、農作業の歌、海の男たちの歌、子どもの遊び歌、クリスマスの歌etc。モンポウ、リョベートら、多くのカタルーニャの作曲家が故郷の民謡をテーマに作曲、編曲し、多くのカタルーニャの演奏家がそれらの作品を積極的にコンサートに取り上げてきました。今回のリサイタルでお聴きいただくガルシア・モランテ編曲版は、80年代から90年代にかけて、ビクトリア・デ・ロス・アンへレスが好んで歌いました。先日ブログでご紹介したとおり、彼女の歌唱によるCDも残されています。

<カニゴーの山>
恵みの山カニゴー 夏は湧水も爽やかに 誰とも会わない三か月 ただナイチンゲールが鳴くばかり  陽が昇りナイチンゲールは歌う きっと神様がお前の羽ばたきをお守りくださるだろう
フランス領北カタルーニャにあるカニゴーの山。1939年、カザルスは自らの信念を貫いてスペインを去り、カニゴーの山の麓の町プラードに移り住みました。帽子をとり、ステッキを掲げて山に挨拶するカザルスの写真が残されています。近くて遠い故郷に、彼はどんな思いを馳せていたのでしょうか。

<あととり息子のリエラ>
聖アントニオの祭り 大きな踊りの輪 聖マウリシオの祭り 村中でお出かけ アンプルダ村からは娘が三人 「誰があなたを選ぶかしら?」 最初の踊りが始まった あととり息子のリエラに誘われ 娘たちは輪の中へ ところが二つ目の踊りのとき とある知らせが届いた…
この歌は、本当はまだまだストーリーが続きます。届いた知らせは、リエラの恋人が病気、というものでした。もしかすると玉の輿?と、秘かに期待するく娘たち三人を残して、リエラは恋人のもとへ駆けつけます…。

<聖母の御子>
御子様に何をさしあげよう? お気に召すものは何だろう? 干しブドウ、イチジク、くるみ、オリーブ、固めた乳、蜂蜜… 御子様をあやすのは空の天使たち 歓びの歌、この世ならぬ栄光の頌歌を歌いながら…
<鳥の歌>と並んで、カタルーニャでもっともよく知られたクリスマスの歌。リョベート版のギター曲としても有名です。

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by Megumi_Tani | 2013-05-10 21:11 | スペイン歌曲 | Comments(2)

Commented by 太田公士 at 2013-05-11 14:03 x
クラシックの作曲家や歌い手さんが、限りない郷土への愛を持って、古くから伝承されている民謡を取り上げて自らのレパートリーに組み込み、堂々と歌い上げる・・・。素晴らしいことですね。谷さんがモランテ先生のお手伝いされた日本の民謡集も、画期的な事業ですね! 
日本ではクラシック音楽と民謡の間には、目に見えない壁があるように思いますが、本来の音楽にはそんな壁はないのだということを、ご文章を読ませていただいて感じます。
Commented by Megumi_Tani at 2013-05-11 23:52
特にカタルーニャは歴史的な要素が大きく関わり、作る側も演奏する側もより積極的になるのだと思います。それにしても、ご指摘の通り、壁がありません。日本の場合、たとえば私は、どう頑張っても民謡歌手の方々のようには歌えません。発声そのものが違いますものね。
究極のところ、本来の音楽に壁はないと思います。「いいものはいい」素直に、自由に、そう感じる感覚がとても大事ですね。

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