『アルゲリッチ、私こそ、音楽!』   

やっと時間が空いたので、大急ぎで渋谷に出かけた。目指すは、9月の封切り以来ずっと気になっていた映画 『アルゲリッチ、私こそ、音楽!』。世界的名ピアニスト、マルタ・アルゲリッチのドキュメンタリー・フィルムだ。マルタの三女、ステファニー・アルゲリッチが監督を務めたことでも話題になっている。
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真摯に激する魂、奔放な生命力、豊かな母性、あどけない幼女の心、柔和な微笑み、虚ろなまなざし、壮絶な孤独、その存在のすべてを昇華する音楽…。マルタ・アルゲリッチ、その人のむきだしの姿を、監督は、実娘ゆえの、天才芸術家に翻弄されてきた人ゆえの、女同士ゆえの複雑な視線を絡ませながら、淡々と映しだしてゆく。

邦題『アルゲリッチ、私こそ、音楽!』は、びっくりの意訳だ。原題は『Bloody daughter』。映画のなかで、この言葉の出所が分かる。Bloody daughter の名のもとにカメラを回し続ける娘ステファニーと、それに赤裸々に応える母親マルタ。 この映画を成立させたのは、ほかの誰でもない、女神マルタ・アルゲリッチその人であることが痛いほど分かる。

ずっしり重い赤ワインのような映画です。渋谷ル・シネマにて。11月7日まで。

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by Megumi_Tani | 2014-10-27 23:17 | Musica あれこれ | Comments(0)

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