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Programa ご案内「心よ、ともに悲しもう」   

きわめて大ざっぱな括り方をすれば、17~18世紀、いわゆるバロック時代は「スペイン歌曲冬の時代」だ。もちろん黄金世紀の輝きを引き継ぐ宗教音楽、世俗歌曲等々、「歌」の歴史は脈々と続いていたが、これ、という歌曲作品が見当たらない。

そんな時代に、サルスエラ(zarzuela)が現れた。スペイン王フェリーぺ4世がマドリード郊外の離宮に歌い手や役者を呼び集め、彼らの劇や踊りを楽しんだ。周囲にサルサ(キイチゴ)がたくさん生えていたことから、この離宮はサルスエラと呼ばれ、やがてそこで演じられる歌芝居も「サルスエラ」と呼ばれるようになったという。初期のサルスエラは、神々の物語、英雄伝説などをテーマにした荘厳な内容だったが、18世紀後半になると、楽しいサルスエラ(zarzuela alegre)が登場する。しかし、当時のスペイン音楽界には、あのファリネッリに代表されるイタリア旋風が吹き荒れていた。猫も杓子もイタリア…の風潮の中で、サルスエラは居場所を失ってしまう。そのちょっぴり寂しいスペインの歌の世界に、負けじと咲いた小粋な華、それがトナディーリャ(Tonadilla)だ。ごく短い音楽芝居の中に「スペインの」歌や踊りがふんだんに盛り込まれ、マホとマハ(伊達男と粋な女)に象徴される庶民の喜怒哀楽を生き生きと描き出した。

第1ステージでは、そのトナディーリャの作品の中から、命を落とした当時の花形スター、カランバ嬢にパブロ・エステーベが捧げた哀悼の曲「心よ、ともに悲しもう」、そして、ブラス・デ・ラセルナ「金のくちばしの小鳥」をお聴きいただく。エステーベもラセルナもトナディーリャの代表的作曲家だが、こうして歌だけを取り出してみると、たしかに当時のイタリア趣味の匂いがする。素敵な曲なだけに、ちょっぴり悔しい(笑)

ジェラ―ル・スゼーが歌う「心よ、ともに悲しもう」


             谷めぐみ30周年記念リサイタル
          《スペイン わが心の歌

         2015年10月17日(土)午後2時開演@Hakuju Hall
          プログラム詳細、チケットご購入はこちら ↓↓ 
         
 《谷めぐみの部屋~Sala de Megumi Tani》

              ご来聴をお待ちしています

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母なるマリアに

by Megumi_Tani | 2015-08-15 21:55 | リサイタル | Comments(0)

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