Programa ご案内「エル・アレグリート」   

私は「ハバネラ」が好きだ。カタルーニャ民謡「鳥の歌」は別格として、この30年間で最もステージにのせた曲はセバスティアン・イラディエール作曲「ラ・パロマ」だろう。歌曲、ポピュラーのジャンルの枠を越えて、広く世界で愛されるハバネラの名曲だ。
愛しの「ラ・パロマ」    ハバネラ大好き
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「ラ・パロマ」で世界に名を馳せたイラディーエルだが、彼にはもうひとつの隠れた「重要な」ハバネラ作品がある。「エル・アレグリート」、かのビゼーのオペラ『カルメン』のアリア「恋は野の鳥」に姿を変えた作品である。

ヒロインが歌うアリアの構想を練っていたビゼー。ある日ふと、以前どこかで聞いたスペインの「俗歌」の旋律が心に浮かんだ。「お、これはいい!」耳に残るその旋律をより濃密にアレンジすると、まさに魔性の女カルメンにぴったりのハバネラ「恋は野の鳥」が完成した。大傑作だ!ところが、そこで、思わぬ事実が判明する。「俗歌」とばかり思い込んでいたその旋律は、実は、セバスティアン・イラディエールというスペインの作曲家が書いたれっきとした「作品」だったのだ。ま、ま、まさか…。し、し、しらなかった…。驚愕動転するビゼー…。ビゼーの名誉のために申し添えておくと、彼は、この旋律が自分のオリジナルではないことを即、認めている。

さて、この二つの作品、確かによく似ている、というより、そっくりである。しかし聴きこめば、そして歌いこめば、似ていて明らかに非なる作品であることがよく分かる。「エル・アレグリート」のままであれば、俗歌と受け取られかねない作品で終わっていたかもしれない。それを世界で最も有名なアリアのひとつに変身させたビゼーの閃き、力量、手腕に、ただただ感じ入る。しかし翻って考えると、そのビゼーの閃きも、「エル・アレグリート」無しには生まれなかったわけだ。

こちらは、ソプラノが歌う可愛い「エル・アレグリート」
上記エピソードが字幕で紹介されています。


男の子も歌います。


こちらは合唱版。おば様達が頑張っています。


こんなド迫力?映像も


並べてみると面白い。この曲は変幻自在、どのようにでも姿を変えられることが分かる。ビゼーが「これだ!」と膝を打ったのも、むべなるかな…。この忘れられがちなハバネラ「エル・アレグリート」を、今年、没後150年を迎えたイラディエールに捧げたい。30年目にして、初めてプログラム入りした曲。


              谷めぐみ30周年記念リサイタル
           スペイン わが心の歌
              2015年10月17日(土)午後2時開演
                 会場:Hakuju Hall
               ご来聴をお待ちしています

060.gifPrograma ご案内
母なるマリアに」 「心よ、ともに悲しもう」 「カタルーニャの歌」 
エスペランサの聖母に捧げる祈祷風のサエタ」 「ロドリーゴとファリャ」 
天上のVictoria de los Ángelesに捧ぐ

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by Megumi_Tani | 2015-09-13 00:39 | リサイタル | Comments(0)

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