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2016年夏に思うこと   

今年は9月19日にリサイタル『スペイン浪漫Ⅱ』が控えているため、夏休み返上。リオ・オリンピックを横目に見ながら、日々諸々に追われている。今日午前中の女子卓球団体戦は残念だった。激戦の末、二勝二敗で迎えた第5戦。本当にギリギリの最後の場面で不運のエッジボール。愛ちゃんがしばしコートに立ちつくしていた…。今大会、彼女の戦いぶり、そしてお姉さんぶりが何ともいい。明後日の三位決定戦、頑張れ三選手!

卓球にはちょっぴり思い入れがある。中学の時、夢中になっていた。地方予選を勝ち抜き、全北海道大会まで勝ち進んだっけ。得意技は、魔球サーブ!(笑)懐かしいなぁ。
秘かに保存してあった当時のラケット今はほとんど使われないペンホルダーです。
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それにしても、どの選手も試合直後のインタビューに皆、堂々と、立派なコメントをする。インタビューアーのかなり無知&無礼&無神経&不躾な質問にも、めげず、負けず、答えている。周囲への感謝あり、自己分析あり、先への抱負あり…。この応対も任務と教えられ、鍛えられ、割り切っているのだろうか?そういえば、今回のオリンピックでは、これまでより「逆転」が多いような気がする。諦めない、引っくり返す、精神力。年月の流れのなかで、選手のメンタルの在り様も変化しているのかもしれない。

メンタルの在り様の変化、これが、よき方向に発揮されることを願う。今日8月15日。私は戦争をまったく知らない世代だが、そんな私でも、昨今は何か嫌な気配を感じている。

あの「前畑ガンバレ!」で有名なベルリン・オリンピックは、一度は1916年に開催が決まっていたが、第一次世界大戦のために中止になり、1936年に改めて開かれたものだった。

この1916年という年は、グラナドスが亡くなった年だ。第一次世界大戦さえなければ、彼のオペラ『ゴイエスカス』は、パリで初演されるはずだった。戦時下のヨーロッパではオペラどころではなく、その事情を知ったニューヨーク・メトロポリタン歌劇場が初演を引き受けてくれたのだ。初演に立ち会うため、大嫌いな船に乗ってアメリカへ渡ったグラナドス。しかし帰路の船がドイツ潜航艇の無差別攻撃を受け、命を落とした。ロマンティストとしての個性が語られることの多いグラナドスだが、世界史の視点から考えれば、明らかに戦争の犠牲者だ。

仕切り直しとなった1936年ベルリン・オリンピックの陰に、バルセロナで計画され、直前に中止された幻のオリンピックがあったことは、日本ではあまり知られていない。前夜祭に演奏する「第九」のリハーサル中だったカザルスは、オリンピック急きょ中止の報を受け、「次にまたいつ会えるか分からない。最後まで通して別れよう」と、あの有名な合唱付きの四楽章までを全員で演奏したという。信念の人、反骨の人、カザルス。しかし彼の歌曲作品からは、時に、超ロマンティスト・グラナドスをも上回るほどの?メランコリックかつロマンティックな性格が垣間見える。リサイタルで歌う「さようなら…!」の音を初めて出した時は、その切なさ、やるせなさに、驚いた。強靱な精神の持ち主は、一方で、繊細で感じやすい心の持ち主でもあったことを伝えてくれる。

個人のレベルでも一旦何かが起きれば、オリンピック観戦どころではない。ましてや、個人の力ではどうしようもない何かが起きた時には…。こうして、朝から晩までオリンピック、オリンピックと騒ぐことが許される、その平和の尊さを知らなければ、と、思う。

第25回リサイタルスペイン浪漫Ⅱ~エンリケ・グラナドス没後100年に捧ぐ
ご来聴をお待ちしています060.gif

これはお宝!カザルスが奏でるグラナドス「スペイン舞曲第5番アンダルーサ」

by Megumi_Tani | 2016-08-15 21:25 | リサイタル | Comments(0)

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