人気ブログランキング |

1119♪ ピアニスト浦壁信二さん   

《スペイン浪漫Ⅲ》今年もピアノは浦壁信二さん。スーパー・テクニックと深く柔らかい音色、繊細かつ自由な感性、さらに飄々としたお人柄を併せ持つ、稀有なピアニストだ。初めてご一緒したのは2011年リサイタル。今年で6回目の共演になる。
e0172134_14552689.png
スペイン歌曲に限らず、歌曲演奏における伴奏者の力は、とてつもなく大きい。慣習通り「伴奏者」と書いたが、実のところ、伴奏とはとても呼べない。共演者であり、保護者であり、牽引役であり、助っ人であり…。ソリストというのはある意味おめでたい存在なので、共演者にのせられると、百万倍!上手く演奏してしまう。逆の場合は、そう、ちょうど長袴の裾を踏ん付けられているような状態になる。前へ進もうにも進めない、ジャンプしようにも重くて飛び上がれない(>_<)  何故そこでそう弾くの~!と、心中絶叫するハメになる。

しかし、ソリストの方もおめでたく(笑)のぼせているばかりではない。プログラム曲の中で、ピアニストの音色、個性、魅力がいかんなく発揮されることを願う。ピアノの聴かせどころは思いっ切り自由に弾いてほしい。演奏は、共に創るものなのだ。

どういうものか、私は昔から「共演」「共創」に興味があった。舞台の二人の阿吽の呼吸から繰り出される演奏の魅力。初めてそれを実感したのは、大学時代、大阪で聴いたガリーナ・ヴィシネフスカヤのリサイタルだ。夫君、ロストロポーヴィッチのピアノで歌う彼女の姿、舞台から伝わる信頼感。今でも忘れられない。まさか後年、ロストロポーヴィッチと共演した浦壁さんとご縁がつながるとは!

ビクトリア・デ・ロス・アンへレスと師マヌエル・ガルシア・モランテのコンビは、「共演」「共創」の在り方を、まさに目の前で教えてくれた。アルベニス生誕の町カンプロドンで見た演奏会リハーサルの光景は、私の生涯の宝だ。

スペイン歌曲は多彩だ。南スペイン、アンダルシアのオレ!みたいな曲もあれば、ガリシアやカタルーニャのメロディアスな歌もある。クリスマスの歌もあれば、お国自慢の歌もある。グラナドス生誕150年、モンポウ没後30年の今年は、二人のマエストロの有名、無名作品をまとめて歌う。多彩さにますます拍車がかかった。ピアノもひと筋縄ではいかない。先日リハーサルの後、「いやぁ!しっかり濃いプログラムですね」と浦壁さん。
そう!まさにしっかり濃いプログラムです。どうぞ皆様、お聴き逃しなく!

第26回リサイタル
2017年11月19日(日)14:00開演@Hakuju Hall
ご来聴をお待ちしています!

e0172134_14582143.jpg
2016年リサイタル《スペイン浪漫Ⅱ》ⓒ藤本史昭






by Megumi_Tani | 2017-10-09 15:10 | リサイタル | Comments(0)

<< 1119♪ カタルーニャの歌たち 1119♪ ファドの薫り〈あぁ... >>