連日報道されている何とも歯がゆく腹立たしいアメフト関連のニュースに、ふとカザルスホールのことが蘇ったのは私だけだろうか…。
カザルスホールは1987年、主婦の友社が出資する
お茶の水スクエアA館 内に、日本初の室内楽専用ホールとして完成した。「カザルス」の名を冠すことをカザルス夫人・マルタ氏に許され、開演チャイムにはあの「鳥の歌」を採用、1997年には開館10周年を記念してバロック式パイプオルガンを設置、様々な企画とともに、数多くの名演奏会が繰り広げられた。
2003年、お茶の水スクエアは主婦の友社から日本大学に売却され、ホール名も「日本大学カザルスホール」と改称された。
個人的に忘れられない思い出が二つある。ひとつは、1990年に実現したビクトリア・デ・ロス・アンへレスと師マヌエル・ガルシア・モランテの来日公演。そしてもうひとつは、2007年10月10日開催の
私自身の第17回リサイタルだ。
2009年、突然、ホールの閉館が発表された。ラジオから流れてきたニュースに驚愕、思わずドアにしがみついた記憶がある。そんな馬鹿な…。マルタ夫人を始めとするスペイン側の関係者はこのとことを知っているのだろうか…。あのパイプオルガンはどうなるのだろう…。跡地に関しては様々な憶測、噂が聞こえて来た。病院になるらしい?オルガンごと建物を壊すらしい?etc。呆然、愕然、憤慨、情けなさ、やり切れなさ…。
お茶の水駅から徒歩5、6分。キャパはたしか450~500席。よく響くホールだった。
17回リサイタルのオープニングは、舞台の袖から、姿を見せず、ア・カペラで「鳥の歌」をハミングした。それでも客席の隅々まで声が届いた。建物は、今もあのまま虚しく残っているらしい。哀しすぎる。
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