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519♪ カルメンの元歌   

《カルメン「恋は野の鳥」の元歌》
セバスティアン・イラディエール作曲「エル・アレグリート」を語る時、この添え書きは外せない。元歌って??と思われた方も、冒頭のメロディーをひと聴きすれば、そのあまりのそっくり度に仰天されるだろう。



19世紀半ば、演奏旅行でキューバを訪れたイラディエールは「ハバネラ」に夢中になり、このリズムによる歌曲を沢山書いた。先日のブログでご紹介したように、「異国情緒豊かなハバネラ」は、いつの間にか「異国情緒豊かな国スペインの音楽」となり、スペイン国内よりも国外で人気を博した。ハバネラの帝王として売れっ子になったイラディエールの作品は、当然、お隣りの国フランスの都パリでも繰り返し流れていたに違いない。そのなかの一曲「エル・アレグリート」をスペインの民謡?俗謡?と思い込み、その旋律を生かし、超一流のアリアに仕立てたのが、ジョルジュ・ビゼーだ。

イラディエールの旋律によるインスピレーションが無ければ、名アリア「恋は野の鳥」は生まれなかった。しかし一方、天才ビゼーの手にかからなければ、この半音ずつずり下がるコケティッシュなメロディーは、どこぞの街角で束の間流行り、やがて忘れ去られていただろう。「カルメンの元歌」の添え書き付きで、細々と、かろうじて生き長らえている「エル・アレグリート」に、イラディエールは苦笑しているだろうか?

他愛もない恋の駆け引きを歌う「エル・アレグリート」。歌詞は、男女の掛け合いになっている。絵的には、こんな感じ。

これを、一人二役で歌うことになる。ああでもない、こうでもないと、誘ったり、誘われたり、信じる、と言ったり、信じられない、と言ったり…。

一念発起して取り組んで約5年。私の中でヨチヨチ歩きだった「エル・アレグリート」がお年頃?に成長した感がある。歌は生きものであること、どんな作品でも丁寧に育てることの大切さを、あらためて実感する。

イラディエール生誕210年。天上のマエストロに捧げて、2019年の「エル・アレグリート」を歌ってみたい。

第27回谷めぐみスペイン歌曲リサイタル『スペイン浪漫Ⅳ』
2019年5月19日(日)午後2時開演
会場:Hakuju Hall
チケット好評発売中!
詳細は、HPをご覧ください⇒『スペイン浪漫Ⅳ
ご来聴をお待ちしています♪

同じ掛け合いでも、こちらはMuy Cuba!


by Megumi_Tani | 2019-02-27 22:32 | リサイタル | Comments(0)

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