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『誰もがそれを知っている』   

それとなく話題になっていたスペイン映画『誰もがそれを知っている(原題:Todos lo saben)』を観に出かけた。

舞台は、とあるスペインの田舎の村。若い二人の結婚式のために、ペネロペ・クルス演じるヒロインが娘を連れて帰ってくる。小さな村だから、みんな知り合いだ。和気あいあいとにぎやかなに繰り広げられる結婚式の宴。そのさなか、事件が起きる。解決に向け、手掛かりを求めるうちに、小さな、しかし重大な秘密が明らかになる。ひとつの秘密はひとつの疑惑を生み、その疑惑がまた別の秘密を暴き出す。なぜ奴はあんなことを言うのだろう…?もしかすると彼女は嘘をついているのか…?誰もが誰をも信じられなくなり、穏やかに保たれていた人間関係が少しずつ、少しずつ、壊れて行く。取り返しのつかないところまで…。

猜疑心、不信感、疑心暗鬼、裏切り…。心に潜む闇の部分に、どうしようもなく翻弄される登場人物たち。その翻弄のされ方があまりに素直で愛おしい。大地主だった昔のプライドを捨てられずバルで飲んだくれる老いた父親、農園で成功したパコを内心せせら笑う村人、夫の心を取り戻そうと突然キレイにめかし込む妻…。誰にもちゃあんとした理由がある。それは切ないほど当たり前の理由なのに、なぜか現実は空回りする。その哀しさ。

チラシには「息をのむ極上サスペンス」とあるが、幸か不幸か、私は途中で犯人の察しがついてしまった。サスペンス通でもない私にバレてしまうくらいだから、この作品、謎解き度は高くない。誰もが秘かに身につまされる、極めて泥臭い人間ドラマだ。ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムの夫婦共演。いかにもスペインの田舎らしい冒頭の長い結婚式のシーンが楽しい。流れる意味深な?歌も印象的。




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by Megumi_Tani | 2019-07-11 00:47 | ビバ!エスパーニャ! | Comments(0)

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