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ハバネラと大航海時代

「今月の締めのラ・パロマ、懐かしかったです!…スペイン歌曲の魅力を語る講座11月配信分を視聴された受講生さんからメッセージをいただきました。9月、10月に続いて、FBお友達Sさんも感想をアップしてくださっています。
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谷めぐみさんの「魅惑のスペイン歌曲VDO講座」第3回はハバネラ。

今回は、私の頭の中に課題がたくさん発生してしまった。あまりに奥深く幅広い。英国生まれの舞曲がフランスで発達し、カリブ海で広まり変化を遂げながらキューバからスペインに渡りフランスに戻る、この間100年の時間が経ってる、と言う誠に壮大な話。私の中でもう一度整理し、見直しておくべきこととして、

18世紀つまり資本主義の前駆時代のカリブ海植民地の状態。砂糖黍プランテーションと砂糖の大量生産、大量消費時代の到来。それとともにヨーロッパ人の食生活の変化。一方でプランテーションの黒人奴隷制度とその解放運動。

*ハイチ革命とサント・ドミンゴ(現在のドミニカ)との関係。(エスパニョーラ島は元々スペイン領、途中でフランスが侵入し、西がハイチ、東がドミニカになった)

*フランス第二帝政時代をおさらい。

とまあ、一応経済学徒なので、音楽の伝播と変遷から透けて見える近世〜近代の経済・世界史がものすごく新鮮であった。音楽講座を聞いてこちらに走ってしまうと、谷さんに申し訳ないので、これは私自身の課題にしておきます。

さてキューバのコントラダンサのチャーミングなこと。音楽は混ざるとチャーミングになる。ふと思いついて、では中南米の他の国ではコントラダンサはあるのか?と疑問になって、ちょっと調べてみたら、まあ出るわ出るわ。あまり面白くてハマってしまいそうなので途中で切り上げました。この件はまた別途。

今回のスペイン歌曲講座、私にとってはかなり重い内容でした。

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まず何より、こんなにも熱く、真摯にご受講くださっていることに感謝!人生初(笑)未だ不慣れな録画作業ながら、とにもかくにも始めてよかった、と、勇気づけられます。

時を超え、海を越え、人々に愛されながらヨーロッパと中南米を行き来したハバネラ。ゆるやかなそのリズムの陰には、征服と占領と搾取に覆われた複雑な歴史が潜んでいます。楽しくて哀しい、哀しいけれど幸せ…。ハバネラが醸し出す不思議な安らぎは、歴史の大波に翻弄され、遠い彼方を見つめて生きるしか術がなかった人々の、諦めに裏打ちされた”やさしさ”なのかもしれません。

ひとつの歌、ひとつのリズム「ハバネラ」をきっかけに開かれる大航海時代の扉。どんな文化にも壮大な歴史と奥深い背景があることを改めて教えてくれます。そして同時に、どんな時代でもどんな場所でも、人はともに音を感じ、ともにリズムを感じ、ともに生きていこうとすることを教えてくれます。



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by Megumi_Tani | 2021-11-20 20:07 | 講座/セミナー

スペイン歌曲のスペシャリスト♪谷めぐみのブログです


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